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Commune Community Lab

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コミューンコミュニティラボは、コミュニティの現在地をリサーチし未来像を描くマガジンです。ラボの研究成果について噛み砕いてお伝えしていきます。このマガジンの編集長を務めるのはコミュ…
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記事一覧

コミュニティはなぜハブ型からメッシュ型に進化するのか?(2/2)

以前の記事では、ハブ型コミュニティとメッシュ型コミュニティの特徴について分析しました。ハブ型は中央集権的で効率的である一方、リスクも抱えており、メッシュ型は分散的で創発的で、より強靭なコミュニティを形成できる可能性があることがわかりました。 今回は、コミュニティがハブ型からメッシュ型へと進化していくメカニズムについて掘り下げていきます! ハブ型からメッシュ型への進化コミュニティは静的なものではなく、時間とともに変化し、進化していきます。多くの場合、コミュニティは初期段階に

コミュニティはなぜハブ型からメッシュ型に進化するのか?(1/2)

わたしたちは、抽象度を上げたり下げたりすることでモノゴトを多様な観点から眺め分析できるようになります。コミュニティの運営ノウハウのような抽象度が低く具体性の高い観点も日々の運用に重要ですし、一方でコミュニティの構造を捉えるような抽象度の高い観点も大局観を持つ礎になります。 コミュニティを極端に抽象化すると、コミュニティメンバーや運営者を「点」、そのつながりを「線」で表す図になります。コミュニティは点とそれらをつなぐ線の集合体になるわけです。 ここまで単純化してしまうと役に

インセンティブは諸刃の剣?コミュニティメンバーをTakerにさせない報酬設計

コミュニティ運営の課題の1つに「モチベーション(動機)」と「インセンティブ(報酬)」のバランスがあります。 モチベーションが高いメンバーにとってはインセンティブは不要ですが、モチベーションが低いメンバーにとってはインセンティブが必要です。しかし、インセンティブに頼り続ける限り、メンバーのモチベーションは一時的なものになってしまいます。 インセンティブがないと自発的なアクションがない状態はコミュニティにとって健全とは言えません。それはまるでエナジードリンクを飲まないと仕事が

「ゼブラコミュニティ」というコミュニティデザインの未来像

「ゼブラ企業」という言葉をご存知でしょうか?それは経済性と社会性を両立し、長期的視点で持続的な繁栄を重視する新しい在り方の企業のこと。 経済性と社会性は両立が難しく、白と黒のように相反するものとも言えます。その白と黒の矛盾を超えて両立させる様子がシマウマの縞模様に重なることからゼブラ企業と呼ばれているのです。 なぜ今、ゼブラ企業が注目されているのでしょうか?その背景を探りつつ、今回の記事ではその在り方をコミュニティに転用できる可能性を構想していきます。もしそれが可能なら、

120件超!コミュニティのネーミングに役立つ候補リストを公開

コミュニティを立ち上げようとするときに意外と苦戦するのがネーミングです。コミュニティの名前によってコンセプトが伝わりやすかったり、クチコミに乗りやすかったりしますし、その逆もしかり。 そんな大切なネーミングをゼロから考えるのは本当に大変です。せめて、考え始めるキッカケとなるものがあればいいのに…。 ということで、これまで様々なコミュニティを立ち上げ、運営し、眺めてきた経験から、ネーミングの候補を出すときに使えるリストを作りました。だいたい120件くらいありますw 「◯◯

コミュニティは小さく始めるのがいいって本当?何から始めればいいの?に答えます

コミュニティは小さく始めたほうがいい。これは焚き火に喩えるとわかりやすいでしょう。小さな種火と着火しやすい落ち葉から始まり、徐々に木材に火が移って火が大きくなっていく。このプロセスのように、コミュニティも最初は小さく始まるものです。 仮に大きく始めようとしても、コンテンツやイベントの少ない初期のコミュニティにはメンバーは簡単には集まりません。仮にコストをかけてたくさんのメンバーを集めたとしても、一度アクセスしたときのコミュニティ体験が悪ければその多くは再訪を望めません。

「チーム」と「コミュニティ」はどう違う?コミュニティへの解像度を上げよう!

チームとコミュニティはどちらも人のグループで、一人では実現できないことが実現できる点がどちらも共通しています。しかし、この2つの実態は微妙に異なっています。いや、180度違う側面すらある。 だから、人のグループについてチームとコミュニティのどちらで捉えるかによって、振る舞いやマネージメントの仕方も変わってきます。この点を踏まえておくことで、逆効果な行動をとってしまうリスクも回避しやすくなるはずです。 では実際にチームとコミュニティがどのように違うのか深掘りしてみましょう。

コミュニティメンバーからのフィードバックは宝の山!対応のポイントまとめ

コミュニティを運営しているとメンバーからフィードバックを受ける機会がよくあります。わたしの運営する議論メシというコミュニティも、7年間で1000件ほどのフィードバックをもらって改善を重ねてきました。 フィードバックのなかにはちょっとした要望もあれば、グサっと痛いところを突いてくる指摘、そしてメンバー間トラブルの報告など、さまざまなバリエーションがあります。 適切に対応する必要があるのはどのタイプでも同じです。逆に、フィードバックに反応をしなかったり適切に対応できなければ、

WISH(願い)とKNOT(出会い)がKPI!ソーシャルコワーキングというカルチャー

ソーシャルコワーキング事業を手がける株式会社ATOMica 代表取締役Co-CEO 嶋田 瑞生さんをお迎えしてPodcastでインタビューさせていただきました。この記事はその書き起こしです。コミュニティ運営のヒントがつまったインタビューをぜひご覧ください! ※フルバージョンはこちらからお好きなプラットフォームで視聴可能です! AIによるインタビュー内容まとめ AIによるインタビュー一部書き起こし黒田悠介(以下、黒田): 本日は株式会社ATOMicaの嶋田瑞生さんをゲスト

コミュニティメンバーを欲求タイプで5つに分類!適切なアクションで活性化しよう

コミュニティはとても複雑な存在です。コミュニティメンバーがそれぞれ異なる欲求を持ち込んでいるというのがその理由の1つです。そのため、紋切り型の対応をしていては、一部のメンバーの欲求は満たせても他のメンバーの欲求を蔑ろにしてしまうことになってしまいます。 以前の研究成果「人がコミュニティに所属する欲求は「自分と他者」軸と「BeingとDoing」軸で整理できる」では、コミュニティに所属する欲求を9つに分類してみました。今回はこの研究成果を足がかりにして、メンバーの欲求タイプを

「熱量」の維持と発生の無限ループ!オフラインイベントとオンラインコミュニティを再考する

オンラインコミュニティだけでは熱量を生み出すのが難しい。一方で、オフラインイベントばかりでは打ち上げ花火のように熱量が一瞬で霧散してしまう。 そのため、両者を組み合わせる必要性をあらわす以下のような原理が語られることがよくあります。それは、 オフラインイベントで熱量を「発生」させ オンラインコミュニティで熱量を「維持」する というものです。これを「コミュニティ熱量原理」と名付けましょう。この原理には実践者の体感とも合致するため、なるほどなと思わせる納得感があります。しか

本から始まる対話と学びと未知との遭遇。コミュニティラーニングの実験場!

書籍の要約から得た気付きや学びを語り合うオンラインコミュニティ『flier book labo』を手がける久保彩さんをお迎えしてPodcastでインタビューさせていただきました。この記事はその書き起こしです。コミュニティ運営のヒントがつまったインタビューをぜひご覧ください! AIによるインタビュー内容まとめ AIによるインタビュー一部書き起こし黒田悠介(以下、黒田):今回は、株式会社フライヤーの執行役員CCOの久保彩さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。 久

メンバーのウェルビーイングを優先するコミュニティ設計!PERMAモデルが秘訣。

コミュニティの目的を問い直すコミュニティは何のためにあるのか? この問いへの答えは見方によって変わるでしょう。コミュニティを運営すること自体が目的になっている運営者にとってコミュニティは「自分のため」に存在すると感じる側面があるでしょう。あるいは、コミュニティを通じて得たいアウトプット(ビジネス上の成果など)がある運営者にとってコミュニティは「成果のため」に存在すると言えます。 より俯瞰的な視点を持つと、わたしたちの暮らしを私的(プライベート)領域と公的(パブリック)

コミュニティメンバーを集める打ち手28選!

コミュニティを始めてみたい!という声がコミューンコミュニティラボにもたくさん届きます。でも、ある不安によって二の足を踏むケースも多いことが分かってきました。 その不安は「コミュニティにメンバーが集まるか?」というものです。プロダクトやサービスのコミュニティなら「ファンがいるのか?」、プロジェクト型のコミュニティなら「賛同者がいるのか?」、地域コミュニティなら「同じ温度感の人がいるのか?」といった不安に言い換えることができるでしょう。 確かに、コミュニティをスタートしたとき