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「ホンダ、阪大と車の製造コスト削減 接合技術の研究所」に注目!

ホンダ、大阪大学と車の製造コスト削減 接合技術の研究所 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

ホンダは4日、大阪大学と自動車の製造技術を対象にした研究所を共同で設けたと発表しました。部品などをつなげる「接合技術」のコスト低減を目指します。製造時の温暖化ガス排出量の抑制にもつながる新しい技術を2030年代までに実用化し、電気自動車(EV)の生産ラインなどで採用することを目指します。

ホンダと阪大が設立したのは「接合科学ものづくり協働研究所」。ホンダが大学と協働研究所を設けるのは初めてです。

金属を局所的に熱し、素材を溶かさず固体のままでくっつける技術「固相スポット接合」の確立を目指します。車の製造ラインの規模を小さくできるため、全体の設備投資を抑えられます。

従来は電流を流すことで金属素材を溶かし、力を加えて接合していました。新技術は製造時の電力使用量を減らせるため、二酸化炭素(CO2)の排出量も減らせます。接合時にちりが飛び散るのを抑え、産業廃棄物の削減にも寄与するといいます。

新しい研究所にはホンダからは常駐1人を含む若手研究者ら計5人がメンバーとして参加します。研究所の設置期間は2027年3月までの3年間としますが、それ以降の継続も視野にいれます。

自動車の製造技術を巡っては、車体部品をアルミ鋳造で一体成型することでコストを抑える「ギガキャスト」と呼ばれる手法を米テスラや中国勢が導入しています。ホンダもギガキャストを導入する方針ですが、今回開発する新たな接合技術も取り入れることでさらに競争力を高めたい考えです。

2024年3月1日に「Honda-大阪大学 接合科学ものづくり協働研究所」が大阪大学接合科学研究所内に設置されました。ホンダの車製造技術と大阪大の接合関連の知見を融合し、新たな接合技術の開発を目指すとのことです。

自動車の接合技術について、ホンダの伊藤一秀執行職四輪生産本部生産技術統括部長は「電動化などで車両づくりが変革している」と説明しました。EVシフトとともに大型一体鋳造技術の導入が進む見通しで、多種多様な材料の接合が必要となります。また、環境配慮の観点から、接合時の省エネルギー化や、リサイクルしやすい接合方法なども求められるため、同研究所ではこうした次世代の接合方法などを研究し、実用化を目指します。

ホンダはEVでしっかりと利益がでる体制を作るために、生産構造の改革を掲げています。生産技術や工場の革新により、効率化とコスト削減につなげてEVの収益化を実現していく考えで、今回、新たな接合技術を開発して実用化し、ものづくり力を高めていきます。

ホンダの小沼隆史執行役四輪生産本部長は「ホンダは、自前技術にこだわる傾向があり、産学連携を十分活用できていなかった面もある。今回、協働研究所というスキームを用意いただき参画することにした。画期的な技術を生み出せる場として大きな期待を持っている」と語っています。

ホンダが大阪大学との協働研究所による研究で、効率化とコスト削減を進めて収益力を高めて欲しいと思いました。

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