見出し画像

「ダイキン株主総会、退任の井上会長『幸せな経営人生』」に注目!

ダイキン株主総会、退任の井上礼之会長「幸せな経営人生」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

ダイキン工業が27日大阪市内のホテル会場で開いた定時株主総会で、同日をもって取締役会長を退く井上礼之会長が「多くの人に慕われ、私は幸せな経営者だった」と述べました。総会の終了間際、出席した株主を前に登壇しました。1994年6月に社長に就任して以来、会長を含めて30年間にわたって経営をかじ取りしてきました。ダイキンは30年で時価総額を20倍以上に増やした「中興の祖」が第一線を退き、新たな時代を迎えます。

同日午後に開く取締役会で正式に退任を決定します。井上氏は名誉会長となり、これまでも会長職と兼務していたグローバルグループ代表執行役員は続投します。株主総会ではダイキンが井上氏に対して「特別功績金」として43億円を支払う決議案を可決しました。

株主総会中には株主から井上氏を指名して「アメリカ市場をどう見ているか」との質問が出ましたが、議長の十河政則・社長兼最高経営責任者(CEO)が代わりに回答。これを受け、終了間際に登壇した井上氏は米国など海外事業についてもコメントしました。

インドを起点としてアフリカなどの新興国を指す「グローバルサウス」を開拓することを強調しました。最大市場の一つである米国では市場首位のトレイン・テクノロジーズに次ぐ2位につけています。井上会長は「アメリカで勝てないと、本当の世界トップメーカーではない」と話し、新経営陣に奮起を促しました。

総会では竹中直文・専務執行役員を取締役に選任する決議案も可決されました。竹中氏は取締役会を経て社長兼最高執行責任者(COO)に就任する。十河政則社長兼CEOは代表権のある会長兼CEOとなります。

今回退任された井上氏が社長に就任した1994年6月29日のダイキンの時価総額はQUICKによると2540億円で、26日終値時点での時価総額は6兆7342億円。社長から会長時代の30年間で約26倍に増やしてきたそうです。

今回の「特別功績金」の43億円については賛否両論あるそうですが、きちんと成果を上げたことに対する功労金であり、社員が会社の成長に対して意欲的に取り組める効果もあるのかなとも思います。

なお、日米の経営トップへの報酬額の差は大きいとのことで、ガバナンス助言のHRガバナンス・リーダーズが各国の主要株価指数の構成銘柄のうち時価総額の大きい100社を対象に実施した調査によると、2023年の日本のCEOの報酬(中央値)は2億6000万円に対して、米国は14倍の37億3000万円だそうです。

新しい経営陣で次の100年に挑戦していくダイキン。世界トップメーカーに向けた取り組みに期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。