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「牛のゲップ、藻でカイゼン デンソーが温暖化対策の飼料」に注目!

牛のゲップ、藻でカイゼン デンソーが温暖化対策の飼料 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

デンソーは1日、食肉加工大手のカミチクホールディングス(HD、鹿児島市)と共同出資会社を設立したと発表しました。デンソーが研究してきた微細な藻類を活用し、牛の飼料としての実用化を研究します。牛のげっぷに含まれる温暖化ガスを減らせるほか、牛の免疫を高める効果が見込めるといいます。農業分野の事業を多角化します。

2月28日付で共同出資会社「KJバイオ」を設立しました。カミチクHDが株式の過半を持ち、同社のグループ内に入ります。デンソーは2008年から微細藻類「コッコミクサ」の研究を進めています。二酸化炭素よりも温室効果の高い牛のげっぷ由来のメタンを低減する効果があることや、免疫機能を高める効果があることがわかっているといいます。

デンソーは既に熊本県天草市でコッコミクサの量産に向けた培養研究を進めており、共同出資会社はこの研究施設を引き継ぎます。カミチクHDは飼料の生産技術に強みがあり、牛の飼料としての活用を模索します。牛を健康に保つほか、畜産における温暖化ガスの排出量を低減します。

デンソーは2008年以来、微細藻類コッコミクサの研究について、バイオ燃料を皮切りにさまざまな用途開発をしてきました。その中で、コッコミクサにCO2の約28倍もの温室効果があるとされる牛げっぷ由来のメタンを低減する機能や生物の免疫力を高める機能があることが分かり、この研究成果を実用化し、早期に社会に還元していくことを目指しています。

なお、世界で排出される温暖化ガスの5%は「家畜の消化器官」から出たものとされていて、代表的なものは牛のげっぷに含まれるメタンガスだそうです。

牛の胃には数千種類の微生物が生息し、草を消化してエネルギーに変えますが、その中にメタンを生み出す微生物がいて、消化の結果、胃にたまったメタンが息に混ざり、げっぷとして外にでます。牛のげっぷは音を発することは少なく、静かに吐き出すそうで、餌を多く食べる乳牛は、1日あたり約600リットルのメタンを排出するとのことです。

今回のデンソーの取り組みによって、温暖化ガスを減らし、牛の健康を保つことで、日本の農畜産業の強化につながっていければ良いなと思いました。