コジレック的「指輪物語:中つ国の伝承」収録カードレビュー(前編)

初心者にオススメの統率者はコジレック!


はじめに

初心者にオススメの統率者はコジレック!(挨拶)
先日、MtG最新弾「指輪物語:中つ国の伝承」全収録カードがプレビューされた
大人気小説シリーズであり「ロード・オブ・ザ・リング」のタイトルで映画化も行われた「指輪物語」とのコラボであり、1つのブースターを丸々コラボカードに宛てた意欲的な弾となっている
他作品とのコラボパックは「フォーゴトン・レルム探訪」や「バルダーズ・ゲートの戦い」などD&D以来となり、完全な他社コンテンツとのコラボはSecretLairシリーズなどを除けば初となる
パックとしてはスタンダード・パイオニア使用不可のモダンリーガルパックとなっているが、統率者戦ではMtGに存在するほぼすべてのカードが使用可能となっているため、問題なく使用可能である
そんな「指輪物語:中つ国の伝承」のカードをコジレックデッキとの相性という観点から見ていこうと思う

※この記事はある程度MtGに明るい方向けに書いています
分からない用語などがありましたらMtGwikiなどを参考にしていただけると幸いです
また執筆者が「指輪物語」の知識に乏しいため、原作ネタを拾えていない場合がございます、あらかじめご了承ください

カードの評価基準はこちらの記事を参照して下さい

《西方の焰、アンドゥーリル》

初心者にオススメ度★★☆☆☆

役割:B
装備クリーチャーに+3/+1修正と攻撃するたびスピリット2体を生成する能力を付与する装備品
ステータスが高いコジレックを始めとしたエルドラージ軍団にとってこの修正値は微々たるものだが、トークン生成能力の方は飛行持ちを2体生成とオマケとしてはなかなか優秀なものであり
さらに装備クリーチャーが伝説であれば攻撃状態で生成されるため、与えるダメージを増やす事が可能だ
ただし生成トークンがタップ状態で生成されてしまうのは見逃せないデメリットとなってしまう
コジレックデッキでは飛行を持つクリーチャーが少ないため、相手の飛行持ちクリーチャーからの攻撃を凌ぐ壁としての役割を期待したいところだが
タップ状態で生成されてしまうためそれらのクリーチャーがそういった役割を果たせるのは次のターンからになってしまう
大型が殴った隙を小型で埋める、という動きがし辛いためコジレックデッキでは中々扱いにくいカードといった印象になってしまう1枚だ

《塚山出土の太刀》

初心者にオススメ度★★☆☆☆

役割:B
一見複雑な書き方だが、装備クリーチャーとバトルを行う相手クリーチャーの能力をターン終了時まで無効化できる装備品だ
MtGにおける「能力を失う」という文面は処理が少し厄介で、ある程度ルールに精通していなければ理解が難しいものの、このカードの場合は単純に相手のステータス修正や破壊不能・接死などの厄介な能力を無効化できると考えればよい(「どこまで無効化されるか」などの詳しい適用範囲などについて語ると長くなるため、各自wikiなどを参照したり詳しい人に教えてもらおう)

http://mtgwiki.com/wiki/%E5%A4%B1%E3%81%86

ただしこの装備品を装備した状態で相手が律儀にそれらのクリーチャーで攻撃したりブロックしたりしてくれるとは限らないため、それらのクリーチャー対策としては不十分な印象を受けてしまう
しかし問答無用で能力を失わせられるのは魅力的であり、相手によっては「破壊不能の壁を用意したのにそのクリーチャーで防御しても破壊不能が無効化されてしまう」などかなりいやらしい効果となる場合もあるため、デッキの隠し味として投入してみるのも悪くないだろう

《エント枯れの盆地》

初心者にオススメ度★☆☆☆☆

役割:B C
支払ったマナと同じパワーを持つクリーチャー1体に+1/+1カウンターを1つ置く効果を持つアーティファクト
素のパワーが高ければ高いほど支払うコストが増えていく…というデザインのためクリーチャーの基本パワーが高めのコジレックデッキでは扱いづらいカードだ
コジレックを強化しようと思った場合12マナも支払う必要があるため、ステータスの強化を目的とするなら他のカードに席を譲る形になるだろう
マナがギリギリ足りないときに《歩行バリスタ》にカウンターを供給して火力をダメ押し…という使い方もできるが

Walking Ballista / 歩行バリスタ (X)(X)
アーティファクト クリーチャー — 構築物(Construct)
歩行バリスタは、+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。
(4):歩行バリスタの上に+1/+1カウンターを1個置く。
歩行バリスタの上から+1/+1カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。歩行バリスタはそれに1点のダメージを与える。
0/0

http://mtgwiki.com/wiki/%E6%AD%A9%E8%A1%8C%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%BF/Walking_Ballista

主にステータスの低いクリーチャーの補強として使うカードであり、シナジーのあるカードも少ないためコジレックデッキとの相性は良くないと言っていいだろう

《グラムドリング》

初心者にオススメ度★☆☆☆☆

役割:B
装備クリーチャーに先制攻撃と墓地に存在するインスタント・ソーサリーの数分パワーを上昇させる効果を付与する装備品
戦闘ダメージを与えると与えたダメージ以下のマナ総量を持つインスタント・ソーサリーをタダで唱えられる効果もある
コジレックデッキではインスタント・ソーサリーをあまり投入せず能力を活かしづらい
修正値が低くなりがちな点は素のパワーが高いエルドラージではあまり気にならず、先制攻撃で相手クリーチャーを仕留めやすくなるというメリットはあるが
コジレックデッキとはあまり相性がいい装備品とは言いづらいだろう

《ゴンドールの角笛》

初心者にオススメ度★☆☆☆☆

役割:C
戦場に出た時人間を生成し、タップすることで人間の数を倍にできるアーティファクト
コジレックデッキでは人間を採用しないため、基本的にこのカードで出たトークンを倍々ゲームで増やしていくことになる
1/1とはいえわんさか並べばかなりの脅威となり、多少の犠牲をものともしない大軍勢が出来上がることになるが
統率者戦では実戦レベルの全体除去呪文も多く、それらの呪文で人間を一掃されてしまうと目も当てられない
単体では仕事をしないアーティファクトなので、場に人間がいなくなってしまうとタダの置物になってしまうのは注意したい
人間デッキでは役立つ1枚なのだろうが、コジレックデッキではあまり使い道のないカードだろう

《印の角笛》

初心者にオススメ度★☆☆☆☆

役割:C
クリーチャー2体以上で攻撃するたび、山札の上から5枚見てその中のクリーチャーを1枚手札に加えられるアーティファクト
デッキに入るクリーチャーの量が比較的少なめなコジレックデッキではクリーチャーを手札に加えられる確率も低く、そもそも2体以上のクリーチャーで攻撃する、という条件も満たしにくいのが難点
クリーチャーを主体としたデッキであればかなり役立つ便利なアーティファクトなのだろうが、デッキとの相性があまり良くないため投入する余地はあまりないだろう

《受け継いだ封筒》

初心者にオススメ度★★★☆☆

役割:A C
場に出たときに指輪があなたを誘惑し、場に出た後はマナ・アーティファクトとして機能するアーティファクト
「指輪があなたを誘惑する」とは今回初登場のメカニズムで、この能力が誘発するたびに何かしらの出来事が起こるものだ
このカードを使うのであれば効果を把握しておきたいため、ここで軽く解説する

引用元:https://mtg-jp.com/reading/translated/0036903/
引用元:https://mtg-jp.com/reading/translated/0036903/

一見ややこしく見えるが「指輪があなたを誘惑する」という効果が処理される時
・「指輪」という紋章を得る、既に得ている場合能力を一段階進める
・指輪所持者が居ないなら、自分のクリーチャー1体を指輪所持者にする
という処理を行うものである
パーマネントとして場に出ない装備品のようなものだと考えるとわかりやすいだろう
最初に誘惑されたときに得られる「これよりパワーの大きいクリーチャーにブロックされない」という効果はパワーの高いエルドラージ達では活かしづらいため、このカードを使うのであれば何かしらの方法を用いて複数回指輪に誘惑されたい所だが
このパックに収録されている「指輪があなたを誘惑する」効果を持つ無色のカードはこれしか存在せず、複数回誘惑されるにはバウンスなどを駆使しなければならないのは難点だ
何より序盤に出しておきたいマナ・アーティファクトでありながらクリーチャーが居ないと指輪に誘惑される意味がない、というチグハグさが目立ってしまう
今後新たに「指輪があなたを誘惑する」効果を持つ無色カードが追加されるとは考えにくく、ただのマナ・アーティファクトとして使用するにしても競合先が多数存在するため
コジレックデッキに採用するかどうかは熟考したほうがいいだろう

《レンバス》

初心者にオススメ度★☆☆☆☆

役割:C
れんばすー
場に出た時占術1+1ドローを行い、墓地に送られたときに山札に戻る効果を持つ食物・アーティファクト
自力で山札に戻るため場に出て占術ドロー→生贄に捧げて回復→山札に戻って何度も使うという前提で作られているのだろうが
デッキが100枚もある統率者戦において一度山札に戻ったカードをもう1度手札に引き込むのは難しく
このカード自体も何度も使いたいような効果を持っているとは言い難いため
コジレックデッキに入れるかどうかはよくよく考えたほうが良いだろう
ところでレンバスってウエハー(薄焼き)だったような…

《ガラドリエルの鏡》

初心者にオススメ度★★★☆☆

役割:C
5マナ+タップで占術1+1ドローを行うアーティファクト
占術1してから1ドローできるのはただドローする能力よりも欲しいカードを引き込みやすいが、それはそれとしても5マナというコストがネックとなる
コジレックデッキではマナを捻出しやすいとはいえ、1枚ドローするのに5マナも払うのは少し重たく感じてしまうだろう
自分の場にいる伝説のクリーチャー1体に付き起動コストが1マナ減るため、このカードを採用する場合なるべくコジレックなどの伝説のクリーチャーを並べておきたい所だ

《ミスリルの胴着》

初心者にオススメ度★★★★★

役割:B
瞬速と破壊不能を持ち、装備クリーチャーに破壊不能を付与できる装備品
個人的に今回イチオシしたい大注目のカードがコレだ
伝説であることと装備コストが1重いことを除けば《ダークスティールの板金鎧》の上位互換である

Darksteel Plate / ダークスティールの板金鎧 (3)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
破壊不能
装備しているクリーチャーは破壊不能を持つ。
装備(2)

http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%9D%BF%E9%87%91%E9%8E%A7/Darksteel_Plate

大型の破壊不能クリーチャーはそれだけで脅威となるため、《ダークスティールの板金鎧》の立場が亡くなったわけではない
どんなカードも1枚しか入れられないのが統率者戦のルール、強い効果は何枚入れても足りないくらいだ
このカードは場に出た時に伝説のクリーチャーへ装備できるため、瞬速と相まって相手の除去を打たせてから対応することができるのも強みで
本体も装備コストも3マナと軽く、手札に握っておけばいざというときの保険として心強い1枚になってくれるだろう
このカード自体も破壊不能を持っているため、相手のアーティファクト除去が通用しないのも大きな利点だ
ただし破壊不能の常として破壊以外の除去(追放など)にはめっぽう弱いため、過信するのは禁物なのを改めて述べておこう
無色統率者以外でも役立つ便利な汎用カードのため、見かけた場合は是非確保しておきたい1枚だ

おわりに

「指輪物語」というフレーバーを再現するために癖のある効果が多い印象の今回だが、モダン以下を意識してデザインしているためかカードパワーは決して低くなく、コジレックデッキにとって有用なカードも存在している
次回は残りのアーティファクトと土地を紹介する予定だ

後編はこちら

2022/06/10「初心者にオススメの統率者はコジレック!」botの中の人


画像引用元:WotC公式サイト「指輪物語:中つ国の伝承」カードイメージギャラリー


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