コジレック的「バルダーズ・ゲートの戦い」カードレビュー(2)

初心者にオススメの統率者はコジレック!

※この記事は「コジレック的「バルダーズ・ゲートの戦い」カードレビュー(1)」の続きとなっております
レビューの評価基準など詳しくは以下の記事をご覧ください

前回の記事はこちら

《地下探検家パック》

初心者にオススメ度★★★☆☆

役割:A・C
2マナ支払い自身を生贄にすると宝物を1つ生成してイニシアチブを得られるアーティファクト
イニシアチブという新システムが絡むカードなので、ここでイニシアチブの簡易的な解説を行っておく
イニシアチブはPWで得られる「紋章」のようにそのゲーム中有効で取り除かれることのない能力のことで
自身のアップキープ開始時、もしくはクリーチャーに戦闘ダメージを与えられるたびに「地下街」というダンジョンを探索することが出来るというものだ
ダンジョン探索については記事の長大化を防ぐためにMTGwikiのURLを記しておくので、各自で読んで頂きたい

かいつまんで言うなイニシアチブを得ると特定条件を満たすたびに5回まで何かしらの違った効果を得られる、というものだ
イニシアチブを得ることで探索できるダンジョン「地下街」はどの階層も着実なアドバンテージを得られるダンジョンで
最後まで探索できれば「デッキを10枚めくりその中のクリーチャー1体をノーコストかつ+1/+1カウンターを3個置いてある+次の自分のターンまで呪禁状態で場に出す」というかなり強力な効果を使うことが出来る
デッキ内のクリーチャー割合が低く、唱えた時の効果が使えないためエルドラージとの相性はあまりよくないが、大型がタダ出しできるというだけで余りあるアドバンテージだ
しかしタップインする都合上イニシアチブを得られるのは次の自分のターンと即効性がなく
さらにイニシアチブを得たとしてもダンジョンを探索仕切るまで最長5ターンもかかってしまうという遅さが気になる所
全体除去などで予め盤面を掃除しておくなど、効果を使えるまで耐久出来るかどうかがこのカードを使う上でのポイントになるだろう
「コイツ、新しいギミックを使いこなしてやがるぜ!」と相手に思わせたのなら、それはもう勝利と同じ価値があると言えるだろう

《危ういロープ》

初心者にオススメ度★★★★☆

役割:C
アップキープ開始時に2マナを払わなければ場のクリーチャーが追放されてしまうアーティファクト
相手の重要なクリーチャーを除去できないという難点があるもののコジレックデッキに採用できる貴重な全体除去であり
大量のクリーチャーを並べて安心している相手に大打撃を与えることが出来る
追放効果を使った場合このカード自身も追放されてしまうため再利用ができない、という問題点もあるが
コジレックを守りつつそれ以外を追放出来るのはそれを補って余りある強力な効果だ
残ったクリーチャーは単体除去などで取り除いてしまえば除去を逃れて安心した対戦相手を底知れぬ絶望の淵に沈めることが出来るだろう
あえてクリーチャーを出していない相手がいる時に使うなど政治力も試される1枚だ

《門の巨像》

初心者にオススメ度★☆☆☆☆

役割:C
もん!
自身がコントロールする門に応じてコストが下がり、パワー2以下にブロックされず、門が出るたびに墓地から山札に戻せるアーティファクト・クリーチャー
コジレックデッキにおいては固有色の関係で殆どの門が採用できず、無色の門を採用するにしてもタップインでこちらの行動を阻害するだけになるため
このカードのためだけに門を採用する、ということは殆ど無いだろう
8/8の大型クリーチャーとして考えるとしても、今度は8コストという重さがネックになる
コジレックデッキではマナを捻出しやすいとはいえ、8マナもつぎ込むならもっと強力な効果を持つカードに使いたい
総じてデッキとの相性が悪く、コジレックデッキとは相性が悪いカードと言えるだろう

《晶洞ゴーレム》

初心者にオススメ度★★★★★

役割:A・C
プレイヤー1人に戦闘ダメージを与えることができれば統率領域にある統率者を0コストで唱えることができるアーティファクト・クリーチャー
重い統率者の希望とも言えるクリーチャーで
ダメージを通しやすくなるトランプルも自前で持っているという優秀なクリーチャーだ
マナを生み出すアーティファクトを序盤からコンスタントに唱えていれば比較的早期に場に出すことが可能で
無防備な相手を殴る事ができれば一気にコジレックを場に出してアドバンテージを稼ぐことが出来る
装備品などでサポートをしてあげればよりダメージを通しやすくなり、コジレックの早期着地がしやすくなるため
運良く引くことができればとりあえず場に出すことを目指すといいだろう

《鉄の猛犬》

初心者にオススメ度★★☆☆☆

役割:C
攻撃するたび20面ダイスを振り、出た目によってプレイヤーにパワー分のダメージを与えるアーティファクト・クリーチャー
装備品などで強化しなければ4点しかあたえられない上、出目次第では自分もダメージを受けてしまうデメリットがある
装備品を大量に入れてパワーを強化したい所だが、その場合自分もダメージを受けてしまう可能性があるのが運用上のネックになってしまう
運要素で楽しむにしても上触れしたところで得られるメリットが少ないため
コジレックデッキにおいては採用する理由が薄いカードの1枚と言っていいだろう

《ランタン・オブ・リヴィーリング》

初心者にオススメ度★★★☆☆

役割:A
普段はマナを生み出すアーティファクトだが、4マナつぎ込むことでデッキの一番上を見てそのカードが土地なら場に出せ、一番上か下に戻すことも出来るという変則的な占術1のような効果使うことが出来る
運に依存する要素が大きいものの土地なら何でも場に出せるため、特殊土地を多く採用するコジレックデッキとの相性は悪くない
なにより貴重な土地加速カードであるため重いコストを加味しても枠次第で採用の余地は十分にあると言ってもいいだろう

《多用途の鍵》

初心者にオススメ度★★★★★

役割:C
マナを払い自身をタップすることでアーティファクト1つをアンタップするか、自分のクリーチャー1体をターン中ブロックされなくするアーティファクト
言わずと知れた便利カードの1枚
前半の効果は2マナ以上生み出せるアーティファクトをアンタップすれば実質マナ加速になり
後半の効果は大型のクリーチャーを指定することで相手に大ダメージを与えることが出来る
特にコジレックデッキにおいて後者の効果は何かと相性がよく
コジレックを指定して統率者ダメージによる勝利を狙ったり
《荒廃鋼の巨像》を指定して相手を即死させたりするなど幅広い使い方ができるのが特徴
とりあえず入れておいて損はない万能アーティファクトだ
これだけの効果を持ちながらたった1マナで唱えられるのはもはや何かしらの不具合にすら思えてくるだろう
文字通り多用途に使える頼れるアーティファクトだ

《行進するデュオドロン》

初心者にオススメ度★★☆☆☆

役割:A・C
攻撃するたびに宝物トークンを生み出し実質マナ加速が出来るアーティファクト・クリーチャー
宝物トークンは一時的ながらもマナ加速としては有用なので、序盤に出すことができればそれなりのマナ加速手段になる
また相手にもトークンを与えてしまうデメリットも「今は手を出さないでおこう」と思わせこちらに対するヘイトを軽減する…とも考えてしまえば良い
ただしそれは序盤に運良くこのカードを引けた場合、である
後半ではそのマナ加速の遅さか気になる上、自身のPTも2/2とかなり頼りないスペックをしているため活躍させることは難しい
攻撃しないと宝物トークンを生み出せないのも気になるため、より安定したマナ基盤のほうが優先されるだろう

《マールート》

初心者にオススメ度★★☆☆☆

役割:C
宝物から生み出したマナを使って唱えると使った分だけ宝物を生み出してくれるアーティファクト・クリーチャー
マナ加速手段を宝物トークンに頼っているタイプのデッキならば実質的に「宝物トークンの数だけコストが減る」優秀なクリーチャーである
しかし宝物トークンを生み出せるカードを多数擁する赤入りのデッキと違いコジレックデッキの主流は継続的にマナを生み出すアーティファクトによるマナ加速のため、宝物トークンに頼る機会はそう多くない
7/7トランプルのクリーチャーとして考えても8コストから数コスト下がったところで重いことに変わりはないのである
総じてコジレックデッキとの噛み合いはあまり良くないクリーチャーだ

《隕石ゴーレム》

初心者にオススメ度★★★★★

役割:C
7マナ3/3と数字だけ見るのであれば貧弱極まりないスペックのカードだが
場に出るだけで土地ではないパーマネントを何でも1枚破壊できる効果を持っている
無色カードしか使用できないコジレックデッキにおいてパーマネントをなんでも除去できる、というのはかなり有り難い効果だ
厄介な相手のクリーチャー、アーティファクト、エンチャント、プレインズウォーカー…
たった1枚で盤面を支配するカードも少なくない統率者戦において、それらをピンポイントで除去出来るこのカードはコジレックデッキに限らず幅広いデッキで愛用されているカードだ
場に出てしまうとただのバニラになってしまうが、壁として相手の攻撃を凌いだり、アーティファクトであることを逆手に取って《彫り込み鋼》などでコピーすれば無駄なく運用できる

Sculpting Steel / 彫り込み鋼 (3)
アーティファクト
あなたは、彫り込み鋼が、戦場に出ているいずれかのアーティファクトのコピーとして戦場に出ることを選んでもよい。

http://mtgwiki.com/wiki/%E5%BD%AB%E3%82%8A%E8%BE%BC%E3%81%BF%E9%8B%BC/Sculpting_Steel

ただし7コストはマナを生み出すことに長けたコジレックデッキといえど軽くなく、また破壊できるカードも1枚だけなので
使いどころを試される初心者だけでなく上級者にもオススメ出来るカードだ

《マイティー・サーヴァント・オブ・ルークオ》

初心者にオススメ度★☆☆☆☆

役割:C
トランプルを持ち、クリーチャー2体をタップして搭乗していれば戦闘ダメージを与えた時2枚ドロー出来る機体
2枚ドローというのはかなり魅力的な効果なのだが、問題はその条件の難しさである
他のデッキなら知らないがコジレックデッキにおいてクリーチャーを2体用意しつつ攻撃を通す、というのは中々達成できるものではない
コジレックデッキで採用されるクリーチャーは高パワー高タフネスかつ単体でも活躍出来る少数精鋭なものが多く、小型を横並びさせることは無い
そのためまずドロー効果を使うための前提条件が達成し辛いのだ
ドローのために大型を2体もタップして6/6トランプルをダメージを通す、というのは条件を満たせる終盤では容易なことではない
大型が2体も並ぶような状況であれば、相手もそれなりの迎撃クリーチャーを場に出しているからだ
それらをくぐり抜けて何とかダメージを通すことができれば2枚ドロー出来るが、このデッキで序盤にその条件を満たすのは難しいだろう
弱い効果ではないのだが、コジレックデッキとの相性は悪いと言わざるをえない

《精神石》

初心者にオススメ度★★★★★

役割:A・C
マナを生み出しつつ、自身を生贄に捧げれば1枚ドロー出来るアーティファクト
序盤はマナを生み出して後続のサポートをしつつ、終盤は1マナと軽いコストで1ドローに変換出来る優秀なカード
2マナという軽さでありながら場に出したターンすぐにマナを生み出せるので
無色カードで固めたコジレックデッキにおいてこのカードのコストは実質1である
ドロー効果を使ってしまうと次のターン以降に使えるマナが1マナ減ってしまうため使い所を考えたいところだが
相手のアーティファクト除去に対して使うことで空打ちさせつつドローするなど、うまく使いこなせば決して少なくないアドバンテージをもたらしてくれるだろう
唱えるのに2マナ、ドローで1マナと全体的なコストも軽いので
「3マナ払って手札から墓地に送れば1枚ドローできるカード」として考えるのもアリだろう

《ミラー・オヴ・ライフ・トラッピング》

初心者にオススメ度★★☆☆☆

役割:C
ややこしいテキストだが、要はクリーチャーを出すとそのクリーチャーは追放され、他のクリーチャーを出すと帰ってくる、というアーティファクトである
つまりクリーチャートークン絶対○す鏡
クリーチャーの登場時能力が2回誘発するため、登場時能力を持つクリーチャーを多数採用しているデッキなら有効活用できるだろう
だがバルダーズ・ゲートレビュー(1)の《我々の刃》で述べた通り
エルドラージは「唱えた時」に適用される効果が多いためこのカードで場に出し直しても効果は誘発しないためあまり相性は良くない
それどころかせっかく唱えた大型エルドラージが追放され次のクリーチャーが唱えられるまで場に帰ってこない、という事態になってしまう
全体的にクリーチャーが少なめのコジレックデッキとは相性が悪く
「こちらが使う時」よりも「相手に使われた時」のことを考えたほうがいいだろう

《ノーチロイド船》

初心者にオススメ度★★☆☆☆

役割:C
登場時にプレイヤー1人の墓地を追放し、戦闘ダメージを与えたならこれの効果で追放したカードの中からクリーチャーを1体出せる機体
無色の墓地対策カードは0マナで唱えられる《トーモッドの墓所》や1マナでドロー効果も備えている《魂標ランタン》などが存在するため
墓地対策のためだけに4マナ払うのは少し割高に思える

Tormod's Crypt / トーモッドの墓所 (0)
アーティファクト
(T),トーモッドの墓所を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とし、そのプレイヤーの墓地からカードをすべて追放する。

http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%83%E3%83%89%E3%81%AE%E5%A2%93%E6%89%80/Tormod%27s_Crypt

Soul-Guide Lantern / 魂標ランタン (1)
アーティファクト
魂標ランタンが戦場に出たとき、墓地からカード1枚を対象とし、それを追放する。
(T),魂標ランタンを生け贄に捧げる:各対戦相手の墓地を追放する。
(1),(T),魂標ランタンを生け贄に捧げる:カードを1枚引く。

http://mtgwiki.com/wiki/%E9%AD%82%E6%A8%99%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%B3/Soul-Guide_Lantern

さらにコジレックデッキと機体の相性の悪さはニューカペナのレビューでも書いたが、少ない大型で固めがちなコジレックデッキにおいて搭乗用のクリーチャーを工面するのは少し難しい
しかしこのカードは比較的それらの面をカバーする効果を兼ね備えている
1度攻撃を通してしまえば、相手のパワー3以上のクリーチャーを持ってくるだけで次ターン以降の搭乗要因を確保することができるのだ
コレ自体がブロックされにくい飛行を持っているため攻撃も通しやすく、どんどん相手のクリーチャーを並べ登場時効果などを逆利用したり、相手の攻撃を受ける盾として運用するなどコジレックが出るまでの繋ぎとして運用することも可能だ
こうなるとむしろ墓地対策はオマケで相手のクリーチャーをどんどん奪っていく運用方法がメインになるだろう
相手に依存するところが大きく、総じて使い勝手は決して良くないカードだが
運と実力が噛み合えば馬鹿にならないアドバンテージを得られることだろう
使いこなす自信があるのなら是非デッキに入れてみよう

《ナヴィゲーション・オーブ》

初心者にオススメ度★★★☆☆

役割:A
2マナ払い自信を生贄に捧げれば基本土地か門を2枚探し、1枚場に出してもう1枚を手札に加える事ができるアーティファクト
若干コストが重いが無色デッキで《木霊の手の内》が使えるのは有り難く

Kodama's Reach / 木霊の手の内 (2)(緑)
ソーサリー — 秘儀(Arcane)
あなたのライブラリーから基本土地カードを最大2枚まで探し、それを公開する。1枚をタップ状態で戦場に出し、もう1枚をあなたの手札に加え、その後ライブラリーを切り直す。

http://mtgwiki.com/wiki/%E6%9C%A8%E9%9C%8A%E3%81%AE%E6%89%8B%E3%81%AE%E5%86%85/Kodama%27s_Reach

コジレックデッキにおいて土地・マナ基盤を安定させることはなにより優先したい行動のため、なるべく統率者を早期着地させたいコジレックデッキとは相性が良い
門を使わないデッキにおいても汎用性は高いカードだが、除去のリスクがあるものの副次的効果を持つマナ・アーティファクトとどちらを重視するかは個人の好みになってしまうので
各々のデッキ構築次第で使い分けて頂きたい

おわりに

本弾は優秀な再録カードも多く、コジレックデッキに限らず統率者戦をより
深く楽しみたいプレイヤーにも嬉しい内容となっている
次回もコジレックデッキから見た新カードの効果をレビューしていこう

2022/5/30 「初心者にオススメの統率者はコジレック!」botの中の人


画像引用元:WotC公式サイト「統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い」カードギャラリー
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/commander-legends-battle-for-baldurs-gate

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