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第4話「懐かしのカキツバタ」魂の故郷で奏でる物語


~ある人の物語~

 
「ある町にそびえたつお城のお堀には、カキツバタが咲いていました。
お城に住むお姫様は、カキツバタをこよなく愛していました。 

そのお姫様をお守りする一人の侍は、このお姫様に恋をしていました。
毎日側にいるだけで幸せだったのですが、お姫様がよその町へお嫁に
いくことになったと知りました。 

それを知った侍は、胸がかきむしられます。「側にいるだけで良かった
のではないか?」と自分に問い詰めますが、お姫様の側にずっといたい
という気持ちが日に日に強くなっていきます。 

そんなある日の晩、侍は人の目を盗んでお姫様を城の外へと連れ出して
しまいます。お姫様は驚くと同時にとても喜び、二人は遠く離れた地へと
駆け落ちをするのでした。
 

それから何年かが過ぎ、二人の間に男の子と女の子が生れました。貧しい
ながらも、家族と一緒に過ごす幸せな時間が過ぎていきました。 

子供が成長して手元から離れ、また二人だけの穏やかな時を過ごせるようになります。お互いの髪に白いものが生えても、二人の間にはあたたかいものが流れています。

 
そんなある日のこと、お姫様が病に倒れました。床にふす日が長くなります。命の炎が少しずつ短くなっていき、やがて静かに消えていきました。 

侍は三日三晩、お姫様の亡骸を抱いて嘆き悲しみました。荼毘にふした後に残った白い骨を見ると、なぜだか心が安らぎます。 

その骨をお墓の中に入れる時、「これは私のものだ。取られたくない」
という気持ちが湧いてきました。 

すると、どこから声がしました。「私はあなたの側にいつもいます。だから安心して。そしていつかあなたを迎えにきますから」 

その声がお姫様の声とわかった侍は、骨を手放すことにしました。
 

納骨の儀をすませた侍は、安心したのか体中の力が抜けました。お姫様と
一緒にお城から抜け出したという罪悪感からも解放されて、かつて二人が
一緒にいたお城をもう一度見たくなりました。

 その日のお城は、町の者に庭を解放する日でした。かつての侍を知るものは誰もいません。目の前には一人の老人がいるだけ。侍はふらふらとお城に入り、庭を歩きます。すると一羽のツバメが目に入りました。そのツバメは、ある花の上にとまります。
 
幸運をもたらすツバメがとまった先。それはカキツバタ。その紫色の花を
見た途端、侍はお城で過ごした懐かしい日々を思い出します。お姫様と過ごした幸せな日々を思い出し、カキツバタをそっとつんで懐に入れます。 

家に帰った侍は、お姫様のお墓にカキツバタを供えます。カキツバタの香りが風に運ばれ、町中の人を幸せな気持ちにさせます。男性は女性を、女性は男性を心から大切にしようと思うようになりました。 

これはある町の二人の恋の物語。違いを超えて結ばれた二人の物語です。」 

 

 kiyomiとkiyomiの無意識さんとでつながって出来た物語
*きよみ著「おかえりなさい 魂の故郷へ~50人の喜びの物語パート1~」
アマゾン より抜粋

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数年前に義理の母が亡くなりました。その時出来た物語がこちらです↓

その後の納骨式で、義理の父の心模様を感じて創った物語が第4話です。
長く連れ添った夫婦の片割れがいなくなる悲しみはいかほどでしょう。
私たちは沢山のものを失って生きています。失ってはいますが、得たものもあるに違いありません。

私も義理の父と母から多くを学ばせて頂きました。あらためてご縁に感謝
ですね💐


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🍀この物語を読んで、何か感じられた方は、コメントくださいね!コメントのやりとりで、物語を共同創造し、共に自由になっていきます。そして、
喜びを分かち合います💐


🌈YouTubeにてアップされているオリジナルソング
「おかえりなさい 魂の故郷へ」作曲・補作詞 池間史規
作詞 岡聖美

「おかえりなさい 魂の故郷へ」を聴く・カバーするだけで、
魂の故郷での物語を共同創造することになります♪

曲のいきさつなどはこちらから
一年後再録アップ:オリジナルソング「おかえりなさい 魂の故郷へ」カバーされて、孤独から解放される人が増えることを祈って

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