見出し画像

第16話「心の目で見てみると」読むだけで人生を照らす物語:第3弾

私たちは、目に見える世界と目に見えない世界を、同時に体験しています。例えば目の前に「りんご」があるとします。これは目に見える世界ですよね。次に目を閉じて、りんごをイメージします。目に見えない世界でも、りんごが現れましたよね。これを「心の目で見る」としましょう。目の前は全て自分の象徴だとしたら、そのものになりきって世界を見ると、違った世界が見られるかもしれません。

例えばさきほどの「りんご」りんごの中に入って、りんごの中から心の目で見て、聞いて、感じます。どんな物語が展開されるかみてみましょう。


・・・・・

「りんごの目の前にはいつも話しかけてくれるおばあさんがいます。おばあさんは優しく声をかけながら、りんごをつやつやになるまで磨きます。りんごはおばあさんの顔が近づくごとに、ドキドキという胸の鼓動が聞こえ、頬が熱くなるのを感じるんです。おばあさんと孫が見えて、楽しそうに話しているのを耳にします。胸がほんわかとあたたかくなります。

そんなある日のこと、りんごはおばあさんの元へ自分から行こうとします。テーブルの上を転がって、床にコロコロ音をたてて落ちました。おばあさんはびっくりして、近寄ってきます。りんごをそっと膝の上に置き、「痛くはなかったかい?」とそっとなでてくれました。

りんごはいつまでもいつまでも、おばあさんと一緒にいたいと思っていますが、おばあさんはどんどん年をとって腰が曲がっていきます。声も小さくなり、よく聞き取れません。優しい手も、今は布団の下にしまわれたままでした。

りんごはおばあさんに「恩返しをしたい」と思います。すると、孫がりんごを優しくすってくれました。りんごの絞り汁が、おばあさんの口の中へ近づきます。そして、ゴクッと音をたてて、おばあさんの中へと入っていきました。りんごは、おばあさんと一緒になった喜びでいっぱいです。

すると、おばあさんは目を覚まし、りんごが小さくなったのを見ました。「ありがとうね」とお腹をさすりながら、微笑みます。頬に一筋の涙がこぼれ落ちると、ほのかにりんごの香りがしました。りんごとおばあさんは、ずっと一緒です。永遠に続く美しい命の中で。

・・・・・

この物語を書き終えて「りんご茶」を飲んでいます。もしかすると、りんごは無意識の象徴で、ずっと私の中で生き続けてくれているのかもしれない、と感じました。こんな感じで「心の目で見て物語を奏でる」と、違った世界を体験出来ます。楽しみながらつくってくださいね💐










いいなと思ったら応援しよう!

kiyomi
読んで下さり、ありがとうございます!サポートに頂いたお金は、noteの他のクリエイターのサポートに使わせて頂きますね♪