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ほぼ漫画業界コラム120 【会社を売ってみたけれど】

面白いポストを見つけたので。僕も会社を立ち上げてから、沢山の先輩創業者の話を聞いている。僕の周りの多くは当然、漫画やエンタメ系の会社なので、みなさんある程度会社が大きくなると、割と早い段階で会社をM&Aしてサラリーマン社長になるケースも多い。少なくともそうした先輩方は、自分の資産を増やす目的でそうしているわけではない。もちろん、Exitしてゴルフ三昧、海外旅行、エンジェル投資家に転身、ニートに転身、みたいな人もいない。なぜなら彼らは作品作りこそが一番楽しいことを知っているからだ。引用元のポストから拝借すると、エキサイティングというべきか。みんな、作品作りが好きなのだ。結局、働いている。資金繰りのプレッシャーから解放されて豊富な資金で思う存分作品を作っている。大企業の潤沢な資金を使って、大企業の持つ様々なコネクションを使って作品を大ヒットに導くのも楽しい仕事だろう。僕もその立場だったら、漫画よりも金がかかる映像を作りたくなるし、映画を作りたくなるかもしれない。もしくはゲーム…。一度、夢想が始まるとなかなか止まらない。だが、ひとしきり夢想し終えると、ふっとそんな気持ちが消えて今のままでいーやと思う。

あれは24、25歳の頃だったか…。漫画編集者になって少し結果を出せてきたあたりで、世界で一番楽しい仕事は漫画編集者だと強烈に思ったことを覚えている。漫画家も素晴らしい仕事だ。だが、作れる作品は多くない。でも、編集者は同時に何作品も作品を立ち上げることができる。映像やゲームを作る仕事も素晴らしい。でも漫画を作っていれば、それがアニメになったりゲームになったりするのだから、アニメやゲームを作っていることにもなるのだ。漫画編集者最強じゃないかって。だからバイトも続かない人間だったけど、漫画編集者だけは23年も続いている。

ちなみに漫画制作を続けている限り、大資金も必要ない。売上を再投資するだけで十分回る。だから普通に漫画を作れている今の環境が続く限り、M&Aはしないかなぁ。WEBTOONを作るなら別ですけどね。『俺だけレベルアップな件』のアニメ大成功で、まだWEBTOONバブルが終わらずな空気ですけど。やっぱり製作費が高過ぎな気がするんですよね。僕はまだまだ漫画作りを極める方向でやっていきたいです。


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