農業の始め方〜コミュニケーション能力〜

2019年4月から本格的に農業（オーガニック）を始め、約半年が経ったので、その間に感じた農業を始めるのに必要なリソースや技術、能力、考え方などをまとめようと思います。第１回目は働く環境にも繋がるコミュニケーション能力についてです。

1.コミュニケーション能力？

農業を始めて最初にぶち当たった壁がこれです。これに躓くと始められない・続けられない可能性すらあります。私はこれで一度本気で辞めようかとも思いました。。ここでいうコミュニケーション能力とは一般的に会社や社会人として必要とされるものとは少し違います。会社でコミュニケーション能力と聞くと、相手が伝えたいことを汲み取る能力であったり、それに対して自分の考えを相手に正しく伝えるための能力といった感じだと思います。
正直このへんの能力はさほど必要ではありません。（もちろん、農作物の販路を見つけるために、企業相手にプレゼンする時には必要です。）
それよりも必要なのは、雑談力。もっと言えば、相手に嫌われないような話し方や世間話をしたり、人とすぐに仲良く（もしくは仲良さそうに）話せるようになるスキルです。この能力って大学生が入社試験を受ける時に、会社が求めるコミュニケーションってそういうことじゃないよ！ってめっちゃ矯正されるようなスキルなんですよね。残念ながら私はこの能力かなり低いです。私は自分が興味がないコトや人と話すのが非常に苦手なのです。なので、やり始めの時は、このギャップに結構苦しみました。。（今も苦しんでいますが。。）

2.なぜ、このスキルが必要なのか？

農業を始める場所にもよるかもしれないのですが、私が始めようとした地域は慣行農法がほとんどで、専業農家さんもほとんどいませんでした。むしろオーガニックに批判的な人が多い地域でした。そんな場所でオーガニックをやろうとすると、当然最初から協力的な人は現れません。また何故オーガニックをやるか説明するのも難しいです。何故ならそれまでやってきた慣行農法を否定すると取られてしまうからです。だから、先ほどのコミュニケーション能力で当たり障りのない会話から仲良くなる必要があるのです。そして近所の農家さんや近所の人と仲良くなっておくことのメリットは大きく、逆に仲良くしておかないとメリットを得られないばかりか、デメリットが大きくなります。

3.ご近所さんとの関係性によるメリット・デメリット

メリットとしては、労働環境が良くなります。差し入れをくれたり、休憩中に気分転換のお話ができるようになります。その中で、この地域のことについて聞く機会があったり、土の特性や気候についての話が聞けたりします。これは本やインターネットからでは得られない情報です。２つ目は、農地を借りれたりします。一般的には、役場に農家の登録をしておくと農地機構から農地の斡旋などをしてもらい、土地を貸してもらうことになります。ただし、これにも優先順位があります。使いやすい農地は昔から住んでいる人、伝手やコネがある人に紹介され、新参者には土が硬かったり、車を遠いところに止めないといけないような農地しか紹介されません。また、何故か耕作放棄地になっているのに、農地機構に登録しないでいる土地もたくさんあります。そういった場所は当然紹介されることもありません。近所の農家さんと仲良くしておくと、そういった登録されていない土地を無料で貸してくれることもあります。また、直接のやりとりになるので、圧倒的に借りれるまでのスピードが早いです。

デメリットとしては、少しでも拙い部分があると、めっちゃ怒られたり注意されたりします。そして村八分というか、弾こうとします。もちろん、土地なんか貸してくれるわけもありません。話しかけても無視されたりして、水利のことを聞こうとしても教えてなんかくれません。こんな風に労働環境が悪くなるばかりか、農業を続けていくことすら難しくなります。

4.対策

さて、とは言っても冒頭で言った通り私自身このようなコミュニケーション能力は非常に低いです。そんな人が無理やりコミュニケーションを取ろうとしたって、下手して相手を怒らせる結果にもなりかねません。
世間話をするのが難しい私のような人間の回避策としては、草刈りをマメに行うなど、ちゃんと管理してますよ！というアピールをすること。さしてやることがなくても、畑に出て何かやってますよ！という姿勢を見せること。要は話が苦手なら行動で示すって感じですね。正直、農地があるような田舎の人たちは、よく知らない、外部から来た人に対する印象はマイナスから始まってると考えた方が良いです。だから、栽培する上で非合理的な行動であったとしても、周りへのアピールするための行動は最初のうちは必要かなと思います。それから、すれ違う農家の方とは挨拶を行うこと。会話が出来なくとも挨拶はしましょう。これは大事です！少なくとも挨拶することによって、得体の知れない生物から顔が認識できる知人くらいには格上げされます。私も周りの関係性が一時期大分悪くなってしまったのですが、挨拶と行動によって、向こうから話しかけてくれるくらいには周りの関係性も改善してきました。そして、そこから新しく農地を借りれるようにもなりましたし、土の特性や気候の特性などの話もできるようになりました。

なので、世間話をするなどご近所の農家さんとは仲良くするためのコミュニケーション能力は大事！もし、それが出来なければ挨拶と行動でアピールしよう！