人間関係リセット症候群の記事を読んで
深い部分でのリセット、例えば学生時代の人間関係や職場などリアル社会でのリセットもあるが、SNSをやっていると割と頻繁に目にする現象であり、主にSNS上での人間関係をリセットすることを指すと言っても過言ではない気が個人的にはしている。
というのも、学生時代の友人関係であったり過去の職場の人間関係などリアルの関係はリセットを特定の瞬間にあえてせずとも自身に関わりに対しての積極性がなければ顔を合わせなくなった瞬間に勝手に関係性は薄れてなくなっていくモノであるからである。
逆に言えば顔を合わせているうちは関係を切りにくく、容易にはリセットしにくいモノであると言える。
対してSNS上での関係はゲームのリセットボタンを押すように思った瞬間に切ることが出来、繰り返しその機会を作ることが出来るゆえリセット症候群という言葉が個人的にはしっくりくる。
ここで言うSNS上のリセットとはアカウントをまるごと削除するコトを指し、俗にいう転生につながる行動であり、ブロ解など個別に整理するモノとはまた少し違います。
多くのSNSユーザーは匿名で参加している訳だが、それゆえ根本的にリセットがしやすい状態でのスタートではあるし、人間関係の幅を数を増やしていくと当然しがらみも増えて行くことになるので、1つ1つ問題が起きた際に解決していくよりはさくっと関係を切って新しく始めた方が効率的と感じてしまう考えはわからなくない。
いままでそれなりに仲が良いと思っていた相手に関係を切られてしまうのは寂しいモノではあるが、SNS上では往々にしてあることだと割り切っていく力が必要になってくる訳である。
陰キャ、コミュ障という言葉があるが、陽キャやコミュニケーション強者でなくとも共通の趣味あるいは悩みなどがあり、他者に対してある程度積極的に、かりそめ的にも優しく接するコトが出来れば、他人とそれなりの関係を作って行くことはSNS上では割と簡単に出来る。
つまり、リセットしてしまっても同じような状況はまた作れる訳だし、リセットされた側もその時は多少のショックは受けても同じようにまた新しい関係が生まれたり、別に他にもよくしてくれる人間が既に居たりするわけで、もちろん思い入れの大小はあれど基本的に代替的な関係で構築されている。
しかし様々な人と繋がれるネットの世界ではあるが、発信する内容や利用するタグが同じなのであれば、結局集まる人は重なってしまったりとアカウントを変更しようが同じ世界に生きるのであれば、世界中と繋がれる割にその世界は狭いモノであったりする訳だ。
リセットする癖がある人は問題が起きた際に解決が出来ない、あるいは解決方法を知らないから何度ガチャを引いてもたいてい同じ道を何度も繰り返すコトにはなるのである。
これは仕事が上手く行かず何度も職を変える人と同じコトが言えると思う。
もちろん我慢して心が壊れてしまうより逃げ出してしまう方が当然よい訳であるので、見極め見切りは大事なことではあるが、理不尽さに対する忍耐力やある程度のコミュニケーション能力を身に着けないと人に使われる側である以上、どこに行っても繰り返してしまうモノである。
簡単に人間関係を問題を切るコトが出来るコトには良い面もあるが、今の世界ではまだ悪い面の方が個人的には多いような気がしている。
いまだ仮想世界の中だけで生きていくコトは出来ず、リアルでいきていかなければならないからだ。
記事の中で倍速視聴を取り上げていたが、効率というモノを重視する人が若い人に限らず顕在化してきている気がする。
またこの効率は何かを成すための時間を作る為に行うものではなく、ただなんとなく無駄な気がして我慢出来ないというコトが原動力となっている印象がある。
つまり効率的というと響きは良いが、実際効率を重視しているという人の多くは短気、せっかち、忍耐力の欠如が根源にあるそんな気がするのである。
Wi-Fiの通信状況が悪く表示速度が遅ければイライラしてしまったり、どうせ次の信号で止まることになるのに必要以上に車間距離を詰めてきたり、自分でコントロールの出来ないことに我慢できなくなる。
世の中は自分より他者の存在が圧倒的に多い訳だから、思い通りにならないことの方が圧倒的に多い訳である。
嫌なコトは嫌と言っていいし、やりたくないコトはやらなくてよい自由はあるが、世の中は理不尽であるし思い通りにならないことばかりであるという事実。
だからこそネット上くらいはストレス無く、自由にとオンオフの切り替えをしたいという考えはわかるが、オンオフの切り替えがなくなってきている人が多いように私自身は感じるのだ。ネット上での行動はリアルに反映されていく。
だからといって別にネット上でも嫌な人と付き合おうとかそういうことではない。
それよりはなるべくリセットしないで済む方法を考えた方が良い。
長くなってしまったが何が言いたいかというと、人間関係を大事にしようということではなく、簡単に問題を切り捨てる癖がついてしまうと最初のうちは楽でいいけど、結局その問題は繰り返し訪れるモノなので次第に居場所がなくなり、より生きづらくなっていく楽ではない人生を生きる可能性が高いよねってことである。
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