銀色のブーツ

久々にコーヒーを飲む。気付にLSDを一滴お願いをして。旅がしたいね、高いところに。雲の上、キリンの頭より高い場所、空飛ぶゾウの住むところ。始まりと終わりを知らないダンスに身を委ね、華麗にまな板の上でタップを刻む。まさに時代は緊急事態、皆急いで墓に向かう。

向かい側のテーブルには信じられないような銀色のロングブーツのイカした女の子。ブーツ以外は非の打ち所がない、これぞ素敵な女子大生みたいな格好をしていた。グリーンのコートに黒のセーターにタイトなジーンズ。髪は暗いブラウンのロング。とても自然な感じだから、染めたんじゃないかもな。目鼻立ちも顔の輪郭もとても整っていた。少なくとも東京にいる女の子の中で五本の指に入るんじゃないかな?

ブーツのおかげで彼女は退屈にはならない、最高の宇宙人だ。ちょっと見すぎたね、目があってしまった。彼女は一人でいるみたいだった。珍しいね、美人の一人は千年に一度だけ咲く花より珍しい。

声をかける代わりに、彼女の夜が素晴らしいものであることを祈っておいた。要らぬお世話だがね。けど、より素晴らしいものでありますように。

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