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オレが考える「新しい資本主義」

 岸田内閣の考える新しい資本主義政策を聞いてると、頭が痛くなりませんか。どちらかというと、昔の資本主義に戻っているのではないかと感じてしまいます。
 働けるなら死ぬまで働け。そして、死ぬまで税金を納めろ。納めた税金は(主にお年寄りの)社会福祉に回す。お年寄りは大切に。教育には金をかけない。全ては「現行の制度を維持するために!」みたいな。宗教みたいですね(笑)
 といった感じで、今の日本の資本主義をまとめてみましたが、よーく考えてみてください。これって社会主義??

 でも、資本主義社会につきものの格差はあるんですよね。他国ほどではないけれど、富が一部の人に集中しています。それは、脈々と受け継がれてきた半ば世襲的な大企業(の家系)だったり、新しい事業でいち早く成功した人だったりします。まぁ、資本主義は「いかにして効率よく資本を集めるか」なので、効率次第で格差が生まれるのは当たり前ですけどね。

 話を戻しましょう。岸田内閣の考える「新しい資本主義」はどうやら当てにならないようです。だからと言って、批判・非難ばかり繰り返しても、私たちには何の得にもなりません。心が荒むだけです。
 まず、私たちが考える「新しい資本主義」を考えてみましょう。それをイメージしてから、国の政策に意見するほうが建設的です。
 では、ここから経済素人の「オレが考える『新しい資本主義』」を、つらつらと書いてみますね。

 まずは、これまでと今までの確認です。日本は資源の乏しい国です。だから、戦後日本はものの生産・加工・販売で経済成長してきました。そこでの基本的な考え方は、「労働だけがお金になる」というものです。戦後から昭和の「働け働け思想」は、当時は至極全うなものでした。
 そして、社会の中の集団(政府・自治体・企業など)は、集団の利益を賃金にしたり、設備や研究に投資したりして、その経済的な力を強化してきました。
 個人は賃金を得るために働き、集団は経済的な力を増す。国を挙げてそれを行った結果として、日本は高度経済成長を経て、世界屈指の経済大国となりました。

 しかし、成長が頭打ちになるにつれ、集団の方向性がマチマチになっていきます。先細りを見込んで、分配を減らそうとする集団(政府)。利益を賃金として払わずに蓄えようとする集団(企業)。どちらにしろ、個人の頑張りが、集団に吸収される構図になっていきました。これが、格差が固定化された今の日本です。
 本当であれば、昭和の終わりから平成の時代に、適切な富の分配システムが構築されるべきだったと思います。

 では、これから個人も集団も豊かになるにはどうすればよいか。ここでいう「豊か」とは、人間の際限ない欲を満たす「豊か」ではなく、時間をお金に奪われない「豊か」です。

 まず、これまでの「労働だけがお金になる」という考えを変えましょう。これからの時代、お金を手にする方法は多様です。Youtubeだけでも稼げる時代です。ICTの発達やAI技術の向上などに伴って、労働の概念は大きく変化しています。具体的には、これまで労働=時間(と労力)だったものが、労働=成果になっています。

 そして、お金を沢山手に入れること=「豊か」でもないようです。お金を手に入れることは、あくまで手段であって、目的は別です。目的は「自分に与えられた時間を、自分の意志で、自分にとって(出来れば他人にとっても)有意義に使える人生を送る」ことです。
何で働くの?何のために生きてるの?その問いに対するオレの答えはこれです。

 さて。では、労働(という時間の縛り)に縛られずにお金を手に入れる手段を考えてみましょう。先に述べた通り、Youtubeやブログ、プログラミングやデータ入力など、今副業と呼ばれている方法も、手段の一つです。しかし、これでもやはり時間は縛られます。それならば、自分の時間を割かずにお金を手に入れる方法はないのでしょうか?

 日本では、これまで貯蓄がお金を守り、増やすと考えられてきました。しかし、低金利がこれだけ続くと、お金を守ることはできても、増やすことは難しそうです。賃金以上のお金は望めません。インフレ率2~3%を目指す社会で、賃金は上がらないわけですから、ジリ貧になるのは当然です。

 では、貯蓄に代わる「お金を増やす方法」はないのでしょうか?リスクは伴いますが、あります。「投資」です。
 前述した通り、そもそも「資本主義」とは、如何に効率よく資本を集めるかが重要です。そして、集めた資本を上手に運用して利益を生み出します。でも、個人で資本を集めて運用するのは大変です。だから、社会の中の集団(国や自治体、企業)に運用を任せて、個人としては「資本集めに協力する」というスタンスで関わるのはどうでしょう。これならハードルは低くなるのではないでしょうか。


 今、貯蓄として止まっているお金を市場に出す。具体的には、株式を買うのです。出されたお金を資本として、企業は利益活動に注力します。生まれた利益は、資本を出してくれた出資者(株主)に還元されます。本当なら賃金にも還元されればいいんでしょうけどね(笑)
 もちろん損失が出れば還元はされません。ですが、人間の欲には際限がない=経済は成長するものだ、という前提にたてば、短期的には損失でも、長期的にはトントンか、プラスになるはずです。

 株式のリスクが怖いのであれば、債権(国債や社債)はどうでしょう。少なくとも、今の貯蓄利率よりはお金が増えます。株式と債権の合わせ技もありです。
 
自分が労働している間に、自分が出資したお金を企業や国、自治体に動かしてもらって、生まれた利益を受けとる。これなら、お金に関わる時間的な拘束から自由になれます。

 労働・貯蓄から金融へ。この大転換を果たすには、金融リテラシー教育が欠かせません。今の日本では、そういった知識を持つ人は一握りです。本当であれば、義務教育段階から、人生について、お金について、資本主義についてしっかりと学ぶべきなのです。そのためのお金を惜しむ国では、未来はないでしょう。何なら、コロナ対策なのか、経済対策なのか分からない給付金(10万円)を、国民の金融資産の入り口として配布したらどうでしょう?
 余談ですが、岸田内閣のいう「金融所得課税の一律引き上げ」は、愚策中の愚策だと私は考えます。配った10万円を1年かけて一生懸命動かす子どもたちと、領収書なしで毎月もらえる100万円を動かす国会議員が、同じ税率でいいはずがありません。

 また、社会福祉についても考えなければいけません。日本の貯蓄文化は、国が未来を保障してくれないからこれほど強固なものになりました。「労働できなくなっても、金融で失敗しても成功しても、老後には富の再分配を行い、あらゆる人が一定程度の「年金」が配られることは保障する。」そんな一言が、この国の「新しい資本主義」を作ると思います。

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

#お金について考えていること


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