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横手・平鹿地域の露地ギク栽培

秋田県内の花き生産量の約4割をキク類が占めており、その中でも最大の産地が横手・平鹿地域の「JA秋田ふるさと」です。

JA秋田ふるさとのキクは、色の鮮やかさと日持ちの良さが特徴で、露地栽培により大規模に生産されています。露地栽培は規模を拡大しやすい反面、天候に左右されやすく安定生産が難しい栽培方法ですが、キクの最大の需要期となる「旧盆」と「秋彼岸」に計画的・安定的な出荷を実現するため、「露地電照抑制栽培」を積極的に活用しています。

今回は、平鹿地域振興局の職員がキク生産農家の巡回・技術指導を行う中で見た生産現場の様子をご紹介します!



第1回 ほ場準備・定植

5月上旬からの露地ギクの定植に向け、ほ場の準備作業が開始されました。

こちらの農家では、排水性の改善のため耕起前にほ場の周囲に額縁排水溝を施し、さらに通気性と保水性確保のため全層心土破砕機「カットブレーカー」を施工し、筋状に心土を破砕しています。

4月28日 定植前の菊の様子

露地ギクの定植前の苗の様子です。

順調に生育が進んでいます。

5月8日 定植後の圃場の様子

平鹿地域では、5月初旬をピークに露地ギクの定植が行われました。

近寄って確認したところ、しっかり定植されています。


第2回 栽培管理

5月25日 側枝が発生しました

これまでは定植7~10日後に摘心して側枝を発生させていましたが、最近は定植前のプラグトレー内であらかじめ摘心しておき、その後定植する技術が広まっております。

そのため、従来より側枝発生のタイミングが早まり、順調に生長しています。

6月5日 側枝が伸長中

輪ギクの「精菱(せいびし)」は、順調に生育してます。

6月8日 電照抑制栽培の様子

菊は、日照時間が短くなると開花する性質があります。

そこで、花芽ができる前に電球を点灯し、人工的に日照時間を長くしたり、あるタイミングで消灯したりすることによって、開花時期を調節することができます。

この技術を駆使して、8月のお盆需要期に合わせて出荷できるよう栽培されています。

6月12日 整枝作業を実施

余分な側枝を除去して1株あたり4~5本仕立てにし、側枝の充実を図ります。

6月12日 JA秋田ふるさとキク部会現地研修会を開催

部会員が一同に会して、若手会員のほ場を視察し、現地研修会を行いました。ベテラン生産者からの指導を仰ぎ、情報交換や技術研鑽に努めています。

7月4日 蕾が確認されました

草丈も順調に伸長し、生育の良いほ場では100cm近くになっています。

近寄ってみたところ、蕾が確認できました。

ここから開花までおよそ1か月弱です。

7月5日 キク生産農家の全戸巡回を実施

毎年この時期になると、キク栽培の熟達者で構成されるキク部会役員が全戸を巡回し、需要期開花の早晩を見極め、生産者に指導しています。

JA職員も同行して得られた情報を関係市場に伝達し、有利販売に結びつけています。


第3回 収穫・出荷

7月19日 出荷直前の輪ギクの様子

本年も高品質な輪ギクが生産できました。

いよいよ出荷となります。

7月28日 農事組合法人M.F.Cの様子

出荷盛期を迎えつつある作業場の様子です。

水上げ、等級選別、切り戻し、箱詰め、出荷と大忙しです。

需要期出荷にバッチリ間に合いました。

8月1日 収穫期のほ場の様子

ほ場によっては収穫終了を迎えました。

まだまだこれからの出荷をひかえているほ場もあります。

高品質なキクの出荷は盆前まで続きます。


秋田県農林水産部公式ウェブサイト「こまちチャンネル」では、秋田県の農林水産業のフレッシュな情報を随時発信していますので、ぜひチェックしてみてください!


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