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#001_いつか猫のいた道

道には3通りある。
猫のいる道、猫のいた道、そして猫を待つ道だ。

猫のいる道は言わずもがなだが、猫のいた道は時に猫がいた記憶を当時より鮮やかに語ってくれる。

いかにも猫がいそうなのに見たことがない道というのがたくさんある。

寿司屋の脇の小道、住宅街の細道、駐車場に続く道。

しかしそのどれにも猫はいない。
なぜなら、猫がそこにいないからだ。

あたりまえの話だが、猫にこちらの都合など関係ない。
彼らが空腹のときにさかなの刺身を持った私がいないように、猫には猫の日常があるのだ。

猫は気ままでいいなどと言う人がいる。本当にそうだろうか。
我々は今日も都合よく猫を見る。

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