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自分の気持ちに合う開催を求めて。【ビブ人名鑑#13:佐藤慧さん】

ビブリオバトル普及委員会で活躍中の方へのインタビュー企画、「ビブ人名鑑」。

今回のゲストは、図書館職員としてビブリオバトルを開催し、その後個人の活動としてビブリオバトルを活用している、佐藤慧さんです!
図書館と個人のビブリオバトルはどう違うのか?
そして佐藤さんの目指すビブリオバトルの形をお聞きしました。

佐藤 慧(さとう けい)さん
ビブリオバトル普及委員会理事、兼九州地区副地区代表。福岡県小倉市在住。2018年まで図書館職員を務める。鴨居玲の絵画をこよなく愛している。

悔しさを抱いて初参加

ー 佐藤さんは、最近どのようにビブリオバトルと関わっていますか?

オンラインのビブリオバトルに参加したり開催したりする機会が増えました。

先日は小学生のオンライン・ビブリオバトルをお手伝いして、子どもたちがゲームにはまってくれる様子を目の当たりにしました。
これから、子どもたちと、すでに参加している大人たちが一緒になって遊べるビブリオバトルを開催できれば、と思っています。

ー 佐藤さんがビブリオバトルと出会ったきっかけを教えてください。

2013年の新聞の書評欄に、『ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム』(谷口忠大 著/文春新書)が載っていたことです。
その書評をきっかけに新書を読んでみて、これは当時勤めていた図書館のイベントとして、ぜひやってみたいと思いました。

ただ、初めて実際に参加したのは、2014年の2月に行われた一般のビブリオバトルでした。
図書館職員だったので呼ばれて出場させていただき、ありがたかったんですが、自分が最初に開催できなかったのがある意味悔しかったです(笑)

ー 悔しさを胸に初参加する人も珍しいですね(笑)出場してみていかがでしたか?

今ほど人前で喋るのが得意ではなく、その上「図書館職員」の看板というプレッシャーを背負っての出場だったので、緊張で声が震えてしまいました。

『三月は深き紅の淵を』(恩田陸 著/講談社)という本を紹介させてもらって、幸いなことにチャンプ本をいただくことができました。

ー 強い。

そこで楽しさに味を占め、2014年10月、いよいよ図書館のイベントとして立ち上げることになりました。

「このイベントの雰囲気は、あなた自身の雰囲気なのね」

ー ついに開催されたんですね!どのように運営したんですか?

いきなり公募しても、バトラーが集まらないだろうと思ったので、知り合いや読み聞かせのボランティアさん、商店街でお店をされている方などに直接声をかけて、出場していただきました。
観覧に来てくれた方が親近感を覚えて、「自分でもできそう」と思ってくださるように、図書館職員だけでなく、なるべく一般の様々な属性の方にバトラーになっていただくことを意識していましたね。

ー イベントを継続させるための戦略が見えますね。

はい(笑)

図書館の初回のビブリオバトルで、当時ビブリオバトル普及委員会九州地区の副地区代表をされていた赤峰稔朗さんとつながることができ、スタートアップを支援いただいて、他のビブリオバトル関係者との縁もつないでいただきました。

それから、読書週間のタイミングなどに合わせ、半年に一度くらいのペースでの開催が始まりました。
バトラーさんも途中から公募に切り変えて、図書館利用者さんが出場できるようにしました。

ー ビブリオバトルに関係した縁がつながっていきますね。ずっと佐藤さんがご担当されていたんですか?

はい、私の持ち込み企画ということで、図書館を退職した2018年まで、私が担当していました。
中でも特に忘れられないのが、ビブリオバトルに参加いただいた利用者さんが、

「このイベントの雰囲気は、あなた自身の雰囲気ですね。それが心地良いので毎回来ています」

と言ってくださったことです。
そこで初めて、「場を作る」という意識を持ちました。

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図書館を退職した後も、個人で開催するビブリオバトルに、図書館のときの参加者が来てくださるなど、できたつながりの強さを実感しています。

また、図書館でのビブリオバトルは、今でも有志のスタッフが開催してくれています。

図書館のビブリオバトル、個人のビブリオバトル

ー そんな言葉をかけてもらえたら嬉しいですね。図書館を退職された後は、どのようにビブリオバトルと関わっていくことになるんですか?

図書館では、どうしても公共施設としての制限があり、できないことも多かったので、個人として本をツールに人をつなぐ場を作りたいと思っていたんです。

在職中から、個人主催の様々な読書会に参加して、どんな人が参加されているのかや、個人でのイベント運営のノウハウを学ばせていただきました。
ここでもキーパーソンとなる方との出会いがあり、世界を広げていただきました。
その後、個人開催したビブリオバトルには、読書会で知り合った方がたくさんご参加いただけて、そこでもご縁のありがたさを感じましたね。

個人開催は私の気まぐれで、二ヶ月〜半年に一度くらいの頻度でした。
場所もその都度変わって、コワーキングスペースや、友人が経営しているバーを借り切って行っていました。

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ー 個人開催になって、変化はありましたか?

開催スタイルが、図書館でのイベント型から、個人でのコミュニティ型に変わって、参加者さんとの距離感がぐっと近づいたように感じます。
ただ個人開催では主催者としての責任が増した気がして、最初のうちは肩に力が入っていましたね。
最近は参加者さんが私の未熟なところに慣れてくださって(笑)、気楽にできるようになりました。

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また、ビブリオバトルに関する講演やスタートアップの支援も、その頃から始めました。
図書館職員時代から、福岡県内で開催されるビブリオバトルを覗かせていただいたり、赤峰さんの講演の補助をさせてもらったりしていたので、そのときの活動がベースになっています。

ー 佐藤さんはビブリオバトル普及委員会の理事として、ビブリオバトル普及委員になるための試験問題(知識の要件)の作成を担当されていましたが、その中で気づきなどありましたか?

ビブリオバトル普及委員会も一つの組織として、規模が拡大したり、ビブリオバトルの普及が進んだりする中でさまざまなターニングポイントがあり、知識の要件もその一つだったんだと思っています。
そういう大任を担当させてもらったことは光栄ですね。

私自身が他の会員さんに知識やノウハウを発信できるように、これからも経験や学びを積み重ねていきたいと思います。

ビブリオバトラーはBARにいる

ー 佐藤さんにとって、特に印象に残っているビブリオバトルはありますか?

イベントの立て方として面白かったのは、2018年2月にバーを借り切って行ったビブリオバトルですね。
私は一人でお酒を嗜む趣味があるんですが(笑)、バーでマスターにビブリオバトルの話をしていたら興味を持ってくれて、バーで開催させてもらえることになりました。

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バーが少し分かりづらい立地だったことを逆手に取って、「ビブリオバトル in 秘密のバー」という切り口の宣伝にしたら、予想以上の人数に参加していただけました。

一歩を踏み出す勇気

ー 佐藤さんがこれからビブリオバトルを通してやりたいことを教えてください。

私の中で、「常に変化していたい」という思いがあって、これからも一つの形式にこだわらず、その時の自分の気持ちと、その時にできたご縁を大事にしていきたいなと思っています。

本って、世界のあらゆるジャンルのものがあるじゃないですか。
逆に言えば、本をうまく使えたら、どんな分野の方とでもつながれると思うんです。

本を活用して、人がつながり、そして「楽しい」「落ち着く」と感じられる場を作りたい、と考えています。

それから、近々ではビブリオバトル・シンポジウム2020に登壇させていただくので、自分の経験談がどなたかのお役に立てたら嬉しいです。
他の地域のビブリオバトル関係の知り合いが少ないので、この機会にお友達を増やせたら…とも思ってます(笑)

ー ビブリオバトル・シンポジウム2020はどんな方に見ていただきたいですか?

何かに挑戦したいけど、一歩を踏み出せない、と感じている人に見ていただきたいです。
私自身、個人開催を始めた時など、一歩を踏み出す勇気をくれた出会いがありました。
私の他にも様々なご経験をされている方が揃っているので、最初の一歩の支えになるシンポジウムになると思います。

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↑ ビブリオバトル・シンポジウム2020は、2020年11月21日にYouTubeで配信されます。
ぜひご視聴ください!

ー 佐藤さんにとって、ビブリオバトルとはなんでしょうか?

私の人生の、ターニングポイントだったんだと思っています。

本を読むって、もともとすごく孤独な作業で、その感覚をシェアするって難しい営みだと思います。
ビブリオバトルは、それをうまく行うことができるツールなので、コミュニケーションゲームとして色んな人同士をつなげていきたいと思います。

ー ありがとうございました!

ありがとうございました。


「ビブ人名鑑」シリーズでは、ビブリオバトル普及委員会で活躍されている方々のインタビュー記事を不定期に掲載していきます。

どうぞお楽しみに!

お読みいただきありがとうございました。

インタビュー・執筆:益井博史
取材日・場所:2020年10月13日(火)Zoomにて


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