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何歳になっても、読書の幅を広げるために。【ビブ人名鑑#20:中山岳彦さん】

ビブリオバトル普及委員会で活躍中の方(ビブ人)へのインタビュー企画、「ビブ人名鑑」

今回のゲストは、栃木県日光市の小学校にお勤めで、栃木県内のビブリオバトルの補助に携わっている、中山岳彦さんです。
定年退職後もビブリオバトルの普及に携わりたいと語る中山さんに、ビブリオバトルの魅力や今後の野望についてお伺いしました。

中山 岳彦(なかやま たけひこ)さん
ビブリオバトル普及委員会 会員。栃木県日光市立三衣小学校教員。2014年に入会し、主に栃木県を中心に活動している。Bib-1グランプリ2021(中堅戦|対決コンセプト:子どもにすすめたい本)に出場。

ー 中山さんは、現在どのようにビブリオバトルに関わっていらっしゃいますか?

昨年までは中学校に勤めていて、主に学校の中でビブリオバトルの運営をしていました。
今年度から小学校に移り、そちらでも開催を目指しています。

また、仕事の都合で最近はあまり行けていませんが、栃木県宇都宮南図書館のビブリオバトルにはときどき運営や出場をしています。
栃木県内のビブリオバトルのお手伝いをすることも多いですね。

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地元の日光市の図書館でも開催したいと思っているのですが、コロナの影響があり中断している状況です。
そのため、オンラインで他地域のビブリオバトルにも参加するようになりました。

ー ビブリオバトルに参加しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

もともと読書が好きだったのですが、ビブリオバトルの存在は2014年に雑誌だったかインターネットラジオだったかで知りました。
それで考案者の谷口忠大さんの著書『ビブリオバトル』を手に取り、「これは面白い」と感じて、その後東京国際ブックフェアでビブリオバトルに関する講演と体験会に参加したのが最初ですね。

そのとき会場にいた普及委員会の方とつながって、後日入会することにしました。

ー ビブリオバトルは中山さんのフィーリングに合っていたんですね。

そうですね(笑)
その頃、ちょうど中学生の関東大会があったこともあって、学校の中でビブリオバトルを開催しました。

また、その頃から宇都宮南図書館でもビブリオバトルが始まったので参加したり、図書館ボランティアのようなサークルを作って、月に一度くらいの頻度で定期的にビブリオバトルを行うようにもなりました。

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ー 精力的に活動されていたんですね!最も印象深いビブリオバトルはどんなものですか?

一つにはなかなか絞れないんですが、谷口忠大さんの講演会をきっかけに品川で行われた、お酒を飲みながらのビブリオバトルが印象深いです。
皆さん色んな本を紹介されていて、何ゲームも続けて行った記憶があります。
あれは楽しかったなあ。

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あとは、当時高校生だった娘と二人でバトラーとして参加したときもありました。
確か江戸川区の図書館で行われたもので、そのときチャンプ本になった『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』を新宿の紀伊國屋書店で買って帰ったのをよく覚えています。

ー 栃木県からの参加となると、ちょっとした小旅行ですよね。

そうです(笑)
始発で出て、終電で帰るみたいな。

観戦の方が50名くらいの大きな会だったので、そんな場に娘と参加する、というのは新鮮で楽しい経験でした。

ー 中山さんはBibliobattle of the Year 2016で新人賞を獲得されていますが、受賞を知ったときはどのようなお気持ちでしたか?

【編注】
Bibliobattle of the Year:全国各地のビブリオバトルに関する取り組みを発見し、活動をさらに盛り上げるために、ビブリオバトル普及委員会が2016年に創設した表彰制度。毎年、優秀賞、特別賞、新人賞、大賞(優秀賞受賞者の中から投票で決定)の4種類の賞を発表している。
Bibliobattle of the Year 2016 受賞者

びっくりしました。
同時に新人賞を取られていた方々は有名な方ばかりだったので、「自分はそんな大それた活動していないのに…」というもったいないような気持ちになりました。

でも、この受賞をきっかけとして、新しくビブリオバトルに関心を持ってくださる方が少しでも増えていたらありがたいと思いますね。

ー 中山さんの、これからの野望はどんなものでしょうか?

まずは日光市の図書館のビブリオバトルがうまく回ってくれたらいいな、と思っています。
企画したものの参加者が集まらなかったことがあったようなので、できれば企画段階から関わって、広げていきたいですね。

栃木県には高校生読書コンシェルジュという図書ボランティア制度があるのでそことうまくタイアップしたり、高校を周ったりと、色々考えられることはあると思います。
小規模な開催で裾野を広げていき、イベント型の開催に結びつけよう、といった話を図書館の方々と話し合っています。

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また、これまで中学校でビブリオバトルをしていたんですが、今は小学校に勤めているので、子どもたちとやっていきたい気持ちがあります。
うちの小学校は、小学3年生から6年生までの児童を合わせて5人しかいないので、彼らとミニ・ビブリオバトルから始めていきたいです。

定年退職まであと3年ほどなので、その後さらに栃木県内のビブリオバトルのサポートができるようになったら嬉しいですね(笑)

ー 中山さんのこれからがとても楽しみです!ところで、中山さんはBib-1グランプリ2021にもご出場されるとのことですが、意気込みを伺ってもよいでしょうか?

【編注】
Bib-1グランプリ2021:本を愛するビブリオバトル普及委員会会員が全国からWeb上で集結し、ビブリオバトルを行う本の祭典。2021年11月に実施されました。
Bib-1グランプリ2021特設サイト

ビブリオバトル普及委員会に入っていても、ふだんはなかなか他の地域の方と交流できないので、いい機会だなと思い参加しました。
小学校に勤めていることもあるので、子どもたちにおすすめしたい本を紹介したいと思っています。
若い方々に負けないぞ!(笑)

編注:Bib-1グランプリ2021での中山さんのご活躍はこちらから!

ー 最後に、中山さんにとってビブリオバトルとはどういうものでしょうか?

面白い本に出会う、とてもいい機会だと思っています。
ビブリオバトルでは自分が普段は読まない本に出会えるので、読書の幅をすごく広げてくれていると感じています。

ー ありがとうございました!


「ビブ人名鑑」シリーズでは、ビブリオバトル普及委員会で活躍されている方(ビブ人)のインタビュー記事を不定期に掲載していきます。

どうぞお楽しみに!

お読みいただきありがとうございました。

インタビュー:高橋一彰
取材日・場所:2021年10月5日 Zoomにて
執筆:益井博史

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