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【恋愛エッセイ】なにモノ

 あれはなんだったのか。。。

そんな恋がある。

溢れているでしょう。恋人だと思っていたのにただの都合の良い相手だった。付き合うってなんだ?みたいな恋。

、、、


キャバクラで出会って指名もらって連絡先聞かれて、その日から毎日電話してきた。

それなりにタイプだからまんざらでもない。

お互い昼職終わりにちょうど時間が合って、職場も徒歩で行けるほど近かったからそのまま会う事に。知り合いのbarで飲んで、そのまま彼の家に帰って一夜を過ごす。

付き合おう。
なんて言葉はない。

やることやって、一緒にお風呂に入って、腕枕してもらって寝た。

次の日も朝から仕事だから、準備してマンションの下でバイバイ。


当分連絡こないだろうなー。なんて思いながらもどこか満ち溢れた心でフワフワしていた。

その日の夜に連絡がきて、明日会おう。なんて言うじゃないか。ハマったな、これ。

また2日前と同じパターンで会って、次の日の朝マンション下でバイバイしようとしたときだ。

「これ、持ってて?そしたら仕事終わり待たせる事もないし、出勤時間バラバラでも一緒に出る必要ないから。」と言って合鍵を渡してきた。

彼女確定ですか?ですよね?付き合おうとか言葉にしない主義なんでしょうか。私がメンヘラだったらどうするんですか?あなたがいないだろう時間に部屋入って物色しちゃいますよ。悪気もなく。あなたの服とか『こないだ勝手に借りちゃった〜』とか言って服何着か借りパクしますよ。

って私はそんなカッコ悪い事はしないけど。

とりあえず合鍵を渡された。


それから数ヶ月同じような流れで会う。知り合いのbarにも行ったりするが、彼女だと紹介された事はない。ただみんな優しくしてくれた。

夜に会う。
ただそれだけ。
昼に会ってデートした事は、、、ない。

うぜーな。でも自分から誘うのもだりーな。
でも好きだな。

そんな自分も嫌で誘いを断る事が増えた。

そしたら数日して昼間の職場に友達と一緒にやって来た。その友達が「こいつが〇〇ちゃんに会いたいって言うから来た笑」なんて言うから2人して顔真っ赤になったっけ。

なんだよ、あんたも私が好きかよ。そんな空笑いが出るほどベタなやりとりなのに、またその瞬間彼を好きになってしまった。

だけどなんも変わらない私たちの関係。夜しか会わない。昼間は会わない。休みも何してるか知らない。だけど合鍵は持っている。


そんな日々が半年ほど続いたのかな。

タイミングが合わず、頻繁に会わなくなった。連絡もこなくなった。

後にも先にもそういえば、私から一度も連絡した事がなかったなぁー。ってこの時気がついた。

合鍵は他の鍵のキーホルダーになってた。いらねーな。これ。返すタイミングねーな。


数ヶ月してから、彼からメールがきた。

"そういえば俺ん家の鍵持ってるっけ?"
'もってるよ'
"そーだったか笑 返してもらえる?"

嫌って言ったらどーすんだよ。そんで[笑]じゃねーよ。しょうもない。


想像通り

いつもの流れで夜に会って彼の家に帰って、やることやって一緒にお風呂入って腕枕で寝た。


朝起きて、仕事じゃないのに仕事だと言って先に家を出ようとした私。

かっこつけて

『鍵、ここ置いとくね』

なんて言って彼の顔も見ずに玄関でたっけな。

「おぉ、、またね、バイバイ」

何がまたねだよ。二度と会わねーよ。
またもなにもねーよ!!

エレベーターの中で

深いため息が出た。


いつも通っていた彼のマンションまで続く大きな橋を渡りながら人目も気にせず号泣した。


好きだった。


好きだから泣いたのか?



それともすでに女の気配がしたからか?


都合良いようにされた、、ようで

都合良いように恋愛ごっこしてたのはお互い様。


そんな恋愛がその辺にゴロゴロ転がってるよ。

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