58_ストライプによる課題「甘いお菓子」[color shcheme storage]〜配色の貯蔵庫(6)

画像1 街中でこんなお菓子を見かけると「わっ、かわいい!」って思わずカメラを向けてしまうことあるあるです。ファンシー(久しぶりに聞く言葉?!)でいかにも甘そうなお菓子・・・。主観ではありますが「かわいい」と「甘い」はリンクしているように思います。さらに「安さ」「品の悪さ」と「かわいらしさ」「品の良さ」は実は紙一重で、色合いとしても難しい選択を迫られるような気がします。
画像2 で、今回も前回までの続きのカラーストライプによる課題例を紹介します。テーマは「甘いお菓子」。教材は同じく日本色研製トーナルカラー93を使用し、W:100mm×H:30mmの画面にバーコード状にストライプを作っていきます。いつもどおり学生作品を元にカラーイメージの表現について紐解いてみましょう。
画像3 左:学生作品。コンセプトは「甘くフルーティーなキャンディ」。なるほど、フルーツを想起させるような色を選んでバランスよく配置しています。右:講師提案。分割バランスや色はそのままで少量の白を加えて変化をつけることで各色を際立たせてカラフルさを強調してみました。
画像4 左:学生作品。コンセプトは「高級なチョコレート」。フランスの有名な高級菓子「ピエール・エルメ」を彷彿させるようなカラーリングで(私の勝手なイメージですが)、程よい大人っぽさが素敵な配色だと思います。右:講師提案。学生がいい感じの色を選んでいたので、色はそのまま面積バランスを変えてみました。白を含んだ明るいピンクの量を増やすことで「甘さ」を増加させました。このような白を含んだ色や白色は「砂糖」をイメージさせるのか「甘い」イメージに近づきやすくなる傾向があります。
画像5 左:学生作品。コンセプトは「ストロベリークリームを挟んだチョコレートが好き」。材料そのままストレートな色を選んでいます。そうか、好きなら仕方ないな。右:講師提案。まあせっかく好きなテイストの色そのままを選んで並べたい気持ちもわかるので(?)これも色をそのまま面積バランスを変えて強弱をつけました。同じ間隔で続けていくと画面の中で収束せずに延々と続いていくようなイメージに捉えられかねないと思います。
画像6 左:学生作品。コンセプトは「クリーム系の色でチョコレートやクリームをイメージした」。モチーフの色はストレートにイメージを表現し、分割バランスに変化を加えようとする工夫が感じられます。右:講師提案。学生が選んだ色と同じ色を使って面積バランスを変えてみました。順序よく並んでいた色の配置の規則性のようなものを外し、「何色と何色を使っている」と一瞬でわかるような単調さに複雑さを+。それによって印象が強くなります。
画像7 いかがでしたか?色彩の持つ心理的な効果はの人の五感とリンクします。この配色を見て「辛い」や「渋い」という味覚の記憶にはなかなか繋がらないと思います。まずは「大多数の人が共感しやすいイメージ」を意識することも大切なことですね。それができて初めて「既存するイメージを裏切るような素敵さ」が生まれるのではないでしょうか。

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