48_紅梅白梅に秘められた色の意味

画像1 春に咲く花の先陣を切って咲く梅の花。梅は冬の間に日光を浴びることで得た多くの栄養を枝に溜め込み、春がくるとその栄養を一気に使って花が咲き始めます。なので散らんばかりの満開を花の見頃という桜に対して、梅の花は咲き始めが本当の見頃だそうです。地域によるかと思いますが、神戸市の海沿いエリアは梅シーズン後半といったところでしょうか。
画像2 以前お稽古に通っていた華道教室の先生に教えて頂いた言葉で「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」というのがあります。これは「桜は切ってしまうとそこから弱ってしまうけど、梅は切ることでそこから新しい枝が伸びていく」という意味です。なるほど、だから梅の木はゴツゴツしているのですね。奔放な方が育つ桜と鍛えた方が育つ梅、これは人のタイプにも当てはまるような・・・。
画像3 紅梅と白梅は、よく対で考えられます。 梅に限らず慶事にはよく紅白の色を使いますが、陽光をイメージさせる晴れやかな色の組み合わせが縁起の良さに繋がるのかもしれません。
画像4 また、様々な解釈がある尾形光琳の『紅白梅図屏風』は左の白梅が老木であり右の紅梅は勢いのある若木です。つまり「生命の盛衰」を表しているという解釈もあるそうです。よく神社仏閣にある紅梅白梅は「人は赤ちゃんとして生まれ、白い骨となって土に還る」という『死生観』がベースになっているのだとか。梅もなかなか深いです。
画像5 2年前の春に拝観した桂離宮にも紅梅白梅がありました。
画像6 紅梅白梅どちらも好きですが、どちらかというと白梅が好きですね。

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