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7_色彩センスの明暗を分けるのは補色?


「緑と紫はけっしてパレットの上でまぜるな」とドラクロアは警告したという。
 緑と紫は補色にちかい色彩だが、補色どうしの色を交ぜると、ねむい灰色調になってしまう。           ___志村ふくみ「色を奏でる」より抜粋

緑と紫は補色に近似する代表的な組み合わせのひとつです。
色みの種類をグルッと環状に配した色相環において、正反対の位置にある色どうしを「補色」というのですが、画像の緑と紫の場合、厳密にいうと緑がもう少し黄緑に寄るか紫がもう少し赤紫に寄るかでないと正確には補色と言いづらいですね。

全く対立的な色みである補色どうしを並べた場合は互いの色みを強め合い、特に鮮やかな色どうしであった場合は外連味というかインパクトを出しやすく(ただし、配分量によっては下品になる)、混色した場合は互いの色みを打ち消し合って無彩色に近い色になります。
確かに地味になりますがドラクロアが警告するほど悪い色ではないと思います。
補色どうしを互いに混ぜ合って無彩色に近づいていく過程である「中間色」別名「濁色」の渋みを含んだ微かな色みは絶妙なニュアンスを携え、余韻を持ちます。

そして、すべての色の中で最もボリュームを占める中間色を意識して使いこなせるかどうかが、色使いのセンスに明暗をつけるように思うのです。

photo_tomomi kohara
at_color planning studio VISION

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