第38巻 東京昔と今 Ⅰ

第38巻  「東京昔と今 Ⅰ」
宮尾しげを著 1963年刊行

東京オリンピックによる開発で古き良き東京、江戸の面影を残す貴重な街並みや建物の破壊を嘆く著者が広重の「江戸百景」に描かれた江戸の現在(1963年当時)と比較して時代を検証します。

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「今」として登場する東京の風景が、奇しくも二度目のオリンピックの破壊に晒されている2020年の現在からみれば充分に古き良き東京なのです。

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安藤広重は江戸時代の浮世絵師の中でもとりわけ風景画で人気を博し、江戸百景と言ってもその実、百十八景描いている多作であります。
官庁街で有名な霞ヶ関の今昔は海浜の鄙びた風景と日本の中枢を担う官庁街へと成長した風景ではあまりの違いに驚くばかりです。

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筆者が描いたのか明記されていないのですが、後文に掲載されている小さなスケッチや図面のメモが可愛らしく、これが結構楽しいのです。

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