大谷翔平の魅力

いつかこのテーマについて書こうと思ってから数ヶ月、ようやく重い腰を上げる事にしました。内容は表題の通り、野球のことはまったく分からないよって方にも伝わるように書くつもりでいます。また、今後これ以上気合いの入った記事を書くことはないと思います、ぜひ最後まで目を通してみてください。

みなさん「大谷翔平」という野球選手をご存知ですかね?野球経験者は勿論、普段スポーツに縁のない方でも「名前くらいは...」くらいの認知度にはなってきたと思います。

あえて「なってきた」と表現しました。まさに進行形、今年の彼の活躍ぶり、残している成績は100年以上あるプロ野球の歴史の中でも突出しているものであり、試合に出る度に我々野球ファンを驚かせ、熱狂させてくれています。メディアのボルテージも日に日に上がっているのを実感します、彼がホームランを打つ度に速報が入るようになり、そのニュースの最中に「この次の打席にもホームランを打ったようです」なんて速報が入る始末。こういった注目度の上がり方が、一般の方への認知度にも繋がっているのだと思います。そして野球ファンは誰もが彼のデビューから注目していたはず、その選手がこうやって圧倒的なパフォーマンスで野球界を盛り上げ、一般の方にも認知されてきている、毎日毎日楽しくてしょうがないはずです、そして僕もその内のひとり。

あまりにも書きたい事があるので各項目でまとめてみたいと思います。フォロワーのnicontoさんが目次の作り方を教えてくれました、ありがとうございます!あくまで自己満足の記事ということをご了承ください。

■大谷翔平の凄さとは?

・「二刀流」を実現した点。

では彼の何が凄いのか?正直なところ書き出すとキリがない程挙げられるのですが、野球の知識がない方にも分かりやすく説明すると「まったく異なるポジション2つの役割をひとりで、それも圧倒的な成績でこなしている」という点です。さらに補足すると、「野球という競技における、世界最高峰の舞台」とも言われているアメリカのプロ野球、通称メジャーリーグというステージで「投手」と「打者」の両立、この離れ業をひとりの日本人がいとも簡単にこなしています。

「二刀流」、ずいぶん馴染みのあるフレーズになってきた気がします。それでもピンと来ない方に説明すると...サッカーあまり詳しくないですけどもw最高峰、プレミアリーグ?そこでGKとFWを同時にこなしてる日本人がいるみたいな、和食屋と洋食屋を同時に経営してどちらでもミシュランで三つ星を獲得するみたいな、そんな感じです。

その道のプロやファンの方はこの表現で憤りを覚えるかもしれません、「そんな事ありえない!バカにするな!」と。その気持ちは痛い程分かります、そのジャンルひとつに命を懸けている人程そう感じるはずです。難易度とかそんな次元の話ではなく、誰も想像しなかったんです。野球ファンも最初は皆そうでした、日本のプロ野球すら経験していない18歳の青年が「メジャーリーグで殿堂入りしたい」と言い始めた時、紆余曲折あって日本のプロ球団に入団し「ピッチャーとバッターの二刀流を実現したい」と言い始めた時、多くのファンは否定的であり、プロ野球界のレジェンド達は「そんなものは実現出来ない、プロ野球を舐めるな」と一刀両断した事を今でも覚えています。あれから数年、彼は今、その空想上の物語をメジャーリーグで描き続けている最中だということを知ってもらいたいのです。

・去年までの実績。

少し専門的なワードが増えるかもしれません。

前述した「二刀流」、正直試合に出るだけなら難易度は大したことありません。ただ、プロの世界なのでやはり勝つ事が宿命であり、その為に各ポジションのベストメンバーで臨まなきゃいけないわけです。メジャーリーグというハイレベルな場で、それぞれの役割のプロがいる中、彼は「投手」と「打者」どちらの役割でもトップクラスの成績を残しています。

去年までの印象ではどちらかというと「投手」のイメージが強いと思います。初めて高校生で160km/hというプロでも出せないような速い球を投げ、プロ入り後日本最速の165km/hを記録し、日本ハムのエースとして優勝にも貢献したのが彼だったので。

ただ、その中でも打者としての評価、成績も入団直後から圧倒的なものでした。プロ野球というのは一般的には投手の方が早い年齢で実績を残す傾向があり、打者は早くても4、5年程かかると思います。しかし大谷は、プロ入り後すぐに打者としても結果を残し、その度に「打者大谷派」を生み出していました。

歴代5位となるプロ通算525本塁打を記録したレジェンド、清原和博の興味深いコメントがあるので引用します。入団後すぐに打者として結果を残しながら、元々期待されていた投手としてのデビューを間近に控えた際のものです。

明日が楽しみだな。大谷が投手として1軍デビューする。俺はこの登板で二刀流にケリをつけるべき決断の登板にすべきだと思っている。 当初、大谷には興味がなかった。二刀流なんて球団の話題作りに過ぎない。そんなのが通用するほどプロは甘くないし、中途半端なまま球界を去るのだろうぐらいに思っていた。

だけど開幕してから2ヶ月。彼の打撃を見ていて考えが変わった。あいつは客寄せパンダで終わらせていい選手じゃない。 もし1年間打者に専念したら…俺がプロ1年目に残した成績を超すことが出来る。その可能性を秘めた選手だ。


中田翔が入団した時はリップサービスで大谷と同じようなことを言った。アイツ、俺に風貌が似ていてかわいいからな。でも実のところ「無理だろう」と思っていた。 あいつの入団時の打ち方は金属バットの打ち方。芯でとらえなくてもパワーでヒットにできる金属打ちが完全に身についてしまっていた。 今年入った阪神の北條も同じ。そうとう苦労すると思った。

だが、大谷は彼らと違うのは「対応力」。

大谷は開幕直後からプロの投手の球に対応できている。150キロ近い内角球を肘を畳んで打ち返し、外へ逃げていく球も逆らわずに強打している。 身長が高い打者にありがちなタカ目を苦手にする欠点も見えない。とてもじゃないが高卒ルーキーの打撃ではない。


あいつは本物の天才。


もしも、明日の投球で、野茂や松坂のようにルーキーでもストレートで三振を奪える球を武器として身に着けているなら投手一本で行け。 それは天性の素質。畠山やバレンティン相手に向かっていってほしい。きっとメジャーでも通用する。 だが、変化球で交わす投球を主体にしなければ抑えられないと感じたなら、思い切って打者一本にすることを俺は勧めたい。

「一流の投手」にはなれると思うが、野茂・松坂クラスの「怪物」には及ばないと思ってもらいたい。 だったら、打者に専念してほしい。

もう一度言うが、大谷は打撃の天才。
打者一本に専念すれば、世界の大打者になれる素質を備えている。


俺がこれほどまで魅了され褒めぬいたルーキーは大谷だけだ。

清原がこんなに言うのか?と思った記憶があります、確かに打者としてもとんでもない才能があるのは既に分かってはいましたが、高校生で160km\h投げるんだぞ?そんな奴今までいないぞ?と。

結論から言うと、「ストレート1本で強打者を抑える能力を持ちながら、世界の大打者になりつつある」、つまり大袈裟だと思われた清原の意見を更に上回る、正真正銘のスーパースターでした。今でも定期的に「どちらかに専念するべきでは?」という意見を見かけます、この「大谷翔平投手・打者論争」は彼が引退するまで、いや、引退した後も続くことでしょう。

デビューから数年後、彼は投手としてタイトルをいくつも獲得し、打者として規格外の飛距離のホームランを何本もかっ飛ばします。そして思い出されるのは、彼が入団前から宣言していた「メジャーリーグへの移籍」。今では「歴史上こんな選手はいなかった」と誰もが口にします、最初は全ての人が懐疑的に見ていたものが「この選手はもしかしたら、世界一の舞台で世界一の選手になれるかもしれない」という雰囲気に変わっていきました、日本時代の圧倒的なパフォーマンスによって。

自分で読み返してみて結局どっちやねん!と思ったので読んでくれた方もそう感じる方が多いかもしれません、要するにどっちも凄いんですw

日本最速165km\hの瞬間。
リーグ優勝を賭けた試合中でも味方が笑うレベル。

メジャー移籍1年目でのHR集。
打った次の日に投手として160km\h連発します。

■今年の大谷翔平に何が起きているのか?

ここまでの長ったらしい文章に補足を入れると、彼は数年間の中で何度か故障を経験しています。投手として致命的な「肘」の手術であったり、「膝」であったり...実戦から離れがちだった不安要素はあったものの、そういった怪我を乗り越え本人も「ようやくフルパワーで野球が出来る」と言って迎えたのが今シーズンでした。

シーズン前の調整期間、所謂練習試合的なものですかね、調整段階にも関わらずホームランを連発する姿、渡米直後とは比べ物にならない程大きくなった身体を観て「今年は絶対にやってくれる!」と確信しました。更にオカルトチックな要素ではありますが、去年メジャーリーグはコロナウイルスの影響で全て「無観客試合」を実施していました。今年は多くの歓声を浴びながらプレー出来る、大谷に限らず全ての選手に良い影響を与えると思ったのも成功を確信した要素のひとつです。

そしてシーズン開幕から3、4ヶ月程、試合数で言うと約半分、大谷は現在打者として全選手の中でホームラン数トップを走っています。ニュースで流れる大谷の情報や、野球ファンが毎日「また大谷がやってくれた!」とSNSで言っている情報は9割これです。まったく興味のない方は毎日うるせーなと思うかもしれませんが本当に毎日打ってるんです、とんでもない打球速度と飛距離で。

そしてもう一点、忘れてはいけないのが「彼は投手でもある」ということ。ここまでの文章では少し誇張した表現をしていましたが、メジャーリーグに渡ってから彼は「投手と打者を一試合にこなす」という事をしていませんでした。とは言っても日本に在籍した頃は何度も経験していて、ホームランをかっ飛ばした後にマウンドから豪速球を投げ込んでいたので時間の問題ではあったのですが。「リアル二刀流」とも言われていますね。

そんな「リアル二刀流」を遂に解禁したのが今年から。打者としての実績...例えば7/5現在31本のホームランを打っていますが、このペースはメジャーリーグ100年以上の歴史でも上位に入るペースです、そのような目立った数字が取り上げられがちですが、同時に投手としてもチームになくてはならない存在なのです。

凄さを実感するニュースが丁度今朝入ってきました。下記にリンクを貼っておきます。

「オールスターゲーム」とも呼ばれる、年に一度、素晴らしい実績を残した選手達がファン投票や選手間の投票によって選ばれ、2つのリーグ対抗で戦うイベントがあります。大谷は今年「ファン投票で打者として」「選手間投票で投手として」このビッグイベントに出場する事が決定しました。当然といえば当然なのですが史上初の快挙、注目されている「打者」としてだけでなく投手として、そして「二刀流」としてスタープレイヤー達に認められている何よりの証拠だと思います。

最高峰のリーグで活躍する事自体凄いのですが、「ホームラン数トップ」、これが実はとんでもない事なんです。今までメジャーで活躍した打者として広く認知されているのは「イチロー」「松井秀喜」の2人ですかね。勿論この2人の実績も素晴らしいです、僕も大ファンです。ただ、簡単に説明すると、イチローは「パワーで劣る海外の選手相手に、細身の身体で様々な技術を磨いて実績を残した選手」、松井秀喜は「日本時代は圧倒的な長距離型=ホームランを多く打つタイプだったが、海外の選手と比較した結果、ホームランよりも安定してヒットを打つタイプに変えた選手」、要するに今まで海外の圧倒的なパワーに真正面から対抗した日本人の打者はいなかったんです。

松井秀喜は日本の歴史でも有数のホームランバッターであり、メジャーでもシーズン31本塁打を記録しています。この記録は今まで日本人最多でした、しかし前述したように、大谷が今シーズン記録した本塁打は31、まだシーズンの半分を残しながら歴代最強クラスの日本人打者の数字に追いついちゃってるんです。毎朝我々野球ファンは、今までパワーで劣ると言われていたメジャーリーガー相手に豪快なホームランを放つ大谷を楽しみにして、ここで打ったらバケモンだな...みたいな局面で本当に打ってくれるんです、もう毎日ワクワクします。ぜひ注目してみてください、一日元気出ますよw

今シーズンのホームラン集。
もはや打ちすぎて更新が追いついてないです。

■まとめ・個人的な大谷翔平への想い

だいぶ長くなってしまいました。野球の知識がある人からすると目新しい情報はなかったと思いますが許してください。ここからは個人的な意見です。

こいつ大谷好きすぎだろwって思われたかもしれないですけど本当にその通りなんですよ、前述したように高校生の頃からずっと注目してて、正直二刀流とか舐めとんか...と思いながらも少しずつ「これ本当にとんでもない選手かもしれない」って。フォロワーの方とかご存知かもしれないですが僕も高校生まで野球やってて、やっぱり贔屓の球団とかあるじゃないですか。僕は阪神ファンだったんですけど気付いたらそういう概念がなくなっていた気がします、だって大谷しか観れないですもん、今。

あれだけの選手が不振や故障に苦しんでるのを見て、勝手に自分も苦しくて悔しくなってた時期もありました。イチローが引退会見で言ってた「彼は世界一の選手にならないといけない」、本当にそう思います。割と野球詳しい方だと自負してますが、何度も言いますが、あれ程の選手は歴史上存在しません、断言出来ます。

彼の凄いところがもう一点。「あれ程の選手はいない」、先程そう表現し、多くの人もそう断言します。ただ彼の最大の功績は「今後彼を超えてくれる選手が出てくる可能性が生まれた事」これに尽きると思います。

投手と打者を両立して、メジャーで活躍したいと思い、想像を絶する程の努力をした野球選手が今までいたでしょうか?日本だけでなく、世界を見渡してもいないと思います。そんな事不可能だったから。それを大谷が実現してくれた、「俺もいつかああなりたい!」そう思ってくれる少年がいたら...もしかしたら「女の子」でも可能かもしれない、様々な夢を大谷が見せてくれた訳です。0を1にするのって簡単じゃないんですよ本当に、歴史が長ければ長い程。

素晴らしい身体能力、それを最大限活かす努力、誰からも好かれる人格。本当に楽しそうにプレーしてますよね、言語は勿論育った環境や考え方も違う選手に囲まれてるのに。「松井さんの記録なんて大した事ないですよw」くらいの発言してもお釣りが出ちゃうくらいの活躍なのに、彼の謙虚な態度を見てると涙が出てきそうになります。

勝手な想いですが、とにかく怪我だけは気をつけて欲しい。「記録よりも記憶に」とは言いますが、その二刀流も十分可能でしょう、投げる、打つ、走る、守る、全て全力プレーの大谷を観てると時折心配で見てられなくなる瞬間があります、それも魅力なんですけどね。世界一の才能が潰れてしまうのはとても悲しい事です。

だいぶ長くなってしまいましたが以上です。何度も言いますがシーズンはまだ半分、既に記録的な年を迎えています。それでも野球は興味ないわ...って方も、歴史のある競技でとんでもない事が起こっている事を知っていただければ幸いです。そして全国の野球ファン、これからも一緒に見届けましょう。僕たちが今観ているのは今後何年も語り継がれる「歴史」の1ページです。

※追記
勢いと熱に任せて書き殴りましたが見返してみるともっと書きたかった事が...。大谷が日本の球団を選んだ経緯、メジャーデビューから1年目でのタイトル獲得、「野球の神様」ベーブ・ルースとの関係、プロ野球OBらの「投手・打者論争」などここでは伝えられなかった魅力がたくさんあります。ってほとんどWikipediaに書いてあるので...興味を持った方はぜひ目を通してみてください。

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