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他の作品を参考にしよう シナリオの書き方 ~基礎編~ Part3

今回は他の作品を参考にシナリオを書く方法をご紹介したいと思います。
「え? それってパクリなんじゃないの」という声もあるかと思いますが、パクリではなく「アイデアをいただく」わけです。もちろん、内容を変えずほとんどそのままではパクリですが、要素を抜き出して自分の色を付けることによってオリジナリティが生まれるわけです。

好きなホラー作品を参考にする

まず真っ先に思いつくのが、ホラー映画やコンピューターゲームのホラー作品から着想を得る方法だ。本来クトゥルフ神話とは関係のないシナリオでも、ちょっとした改変で利用することができるだろう。極端な話、ホラー映画の怪物をクトゥルフ神話のクリーチャーに置き換えるだけでも、成立はする。あるいは、別のホラーTRPGのシナリオを『新クトゥルフ神話TRPG』に置き換えても面白いかも知れない。
この方法の弱点としては、元になった作品をプレイヤーが知っていた場合、すぐに展開がバレてしまうことだ。もちろん、「お約束」として軽率に行動する楽しみ方もあるが、シナリオのトーンはB級ホラー風になるかもしれ ない。

ホラー以外の作品を参考にする場合

ホラー以外の作品をベースにシナリオを作ればそれだけで元ネタがバレにくくなる。また、印象に残る小道具や雰囲気を変えてしまえば。かなり印象の変わったシナリオになる。
例として、「ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版・第3.5版・d20モダン日本語版公式ホームページ 」にて公開されているD&D第3版用シナリオ「からくり館の御曹司」を題材にCoCのシナリオを作ってみる。

※注意
ここから先、「からくり館の御曹司」のネタバレを含む。

導入は探索者たちが商人から、からくり技師に貸し付けた借金の取り立てを頼まれるところから始まる。この部分はそのままでも大丈夫そうだが、依頼という形式が唐突に感じるのであれば以下のような改変方法があるだろう。

1. 初めから商人の部下としてキャラクターを作ってもらう。
2. からくり技師にからくりを作成してもらうことを期待しているキャラクターを作ってもらう。
3. 強引に巻き込む(ドライブを楽しんでいた探索者は山の途中でガソリンが無くなり、館の人間に助けを求めるなど)

借金を滞納しているギアークラムはそのまま魔術師、あるいはミ=ゴに操られた人間などにするのが良い。ミ=ゴの技術を利用した機械技師であれば、館内のトラップの技術にも説明がつく。アイザークはミ=ゴやニャルラトテップなどの神話生物にして探索者を脅かす存在として登場させるか、いっそのこと居ないことにしてしまおう。
また、冒頭襲ってくるオークは借金を徴収しに来た街のギャングに置き換える。ただし、CoCは戦闘メインのシステムではないから、対人関係の技能や金銭などで解決できるようにするべきだろう。彼らは探索者に情報を与えたり、あるいは探索者と同行して屋敷の罠にかかり屋敷の異常さを際立たせたりなど、様々な利用法が考えられる。
部屋に用意された数々のからくり罠はいくつか取り除いてしまっても良いが、家具類が襲いかかってくるシーンは印象的なので残したほうが良いだろう。
あとは細々とした恐怖のシーンを付け加える。屋敷の周囲でミ=ゴの怪しいシルエットを見かけるとか、探索者が館に入るといきなり灯りがつくとか、ちょっとしたものだ。

これで、シナリオの作成は終了だ。D&Dのようなダンジョン探索がメインのシステムは、意外とCoCのシナリオに作り変えやすい。今回は館で起きる事件であったが他の場所に変更するというのも面白い。例えば洞窟で起きている事件を高層ビルで起きていることに変更するのも良い。洞窟の分かれ道をそのままビルの小部屋にしてしまえば簡単だ。

今回はちょっと短いですが、ここまで。

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