見出し画像

ゲムマ2023秋新作の「新箱」を作った話。

またかよ、と思った方、いつも読んでいただき、ありがとうございます。
春のトランプ箱に続き、2デックサイズの箱を今回新たに作ってみました。
サイズや形状の話などをします。よければ見てってください。(直球
現物を見たい場合は、ぜひ購入を検討いただけると嬉しいです。(ダイマ


1.作ろう、っていう段階

作ることを決めた超苦節的な原因のは、「物価の高騰」です。マジ、ぱねぇ。

だって、聞いてくださいよ、奥さん。ゲムマ2023春が終わって、また印刷費上がったー、って思ってたらさらにゲムマ春前に上がったー、ってなってまして。(春分までは影響なしなんですが、それからが……

さらに食費が上がってて、大体20%アップ、物によっては50%~100%もアップしてて、私の人件費が上がったっていうね。
法律周りからの影響もたくさんありますけど、メインはほんと上の2つです。送料も上がったんよねぇ。そういえば。法律側は事務作業の手間が純粋めっちゃ増えて、「なんでなん?」としかならないんすよ。

ってなわけで、現状のラインナップの見直しを永遠とやってた中で、「2デックサイズ」の箱が欲しいな、ってなりました。
はじまり、はじまり。


2.サイズ

実は2デックサイズというのは、最初は決まってませんでした。
っていうか、流れで言うと3種類目でようやく2デックサイズになった、というのが経緯です。
という訳で、順に見て行きましょう。

1種類目は、レターパックのような形状でした。
過去には、カタンのクラブパックっていう拡張パックがあったんですが、そこで採用されているぐらいしか知りません。

形状的にも割と強度のある形で作れたんですが、中に立体物を入れると、どうしても、中身、そして箱が破損する可能性が多いのと、店舗でのディスプレイが難しいって話になってやめることになりました。

2種類目は、縦長のキャラメル箱です。
近い形だと、化粧品の箱みたいな感じでしょうか。あんま知らんけど。
先のやつもそうだけど、実際にモック作って、あれやこれや見ながらやってたんですが、今回の箱を手伝ってくれてるイラストレーターさんとの話の中でなくなりました。
イラストレーターさんはHAL10WEENさん @HAL10WEEN で、デザインはメインではないんですが、故あってお願いしてます。
理由は話し合いの中でいろいろあったように思いますが、やっぱ一般的なサイズに近い方がいい、という考えがあったように思います。

そんな訳で、今回のサイズになっている2デックサイズの登場です。
ところで、2デックサイズの箱って何ミリでしょう?
2デックサイズっていうのは、カードの山札を2つ並べたものが入るサイズなんですが、入れるカードのサイズは何㎜がいいでしょう? それに合わせたギリギリのサイズの箱でいいでしょうか? 多少余裕を持ってサイコロとか入れられた方がいいでしょうか? 別のカードサイズが入ったりしないでしょうか? この辺りも決めなくてはいけません。


3.サイズ その2

2デックサイズに決まってからも、先ほどの想定されるカードサイズ、そして箱の厚みを決めなくてはいけません。
別の会社の箱を参考にそのまま作ることもできますが、同じものを入れる訳ではないので、うちではそういうのは採用しません。
というか、自分で作った方が面白いからってのがありますが。w

最初に厚みを決めましょう。
これは、カードを実際何枚入れるのか、から逆算できます。
もちろん、その際にルールをどのように入れるのか、ルールの紙の厚さはどれくらいなのか。ということを考えて、20mmになりました。18mmから1mm単位で想定しつつ、22mmぐらいまでチェックして、最終的に20㎜としました。
実際やってみると分かりますが、1mmって割と分厚いです。

次に高さです。これと幅のサイズによって、縦長か横長かが決まります。今回はほかの2デックサイズに倣って、縦長にしました。

さて、TCGサイズのカードは63x88です。ブリッジサイズで、58x89です。
TCGサイズに合わせるなら、127x90ぐらい、ブリッジサイズなら、120x92ぐらいです。
多少余裕があるのは、箱自体の紙の折り目とか、入れるときの入れやすさを想定しています。
カードの生産方法や、他社で出版されているカードサイズなどを参考にした結果、作る予定の物からも考えて、ブリッジサイズになりました。

余談ですが、このカードサイズ、「手札に何枚持つことを想定するか」からの逆算です。手の大きい男性には分からないことですが、手の小さい人がたくさんの手札を持たされた時に遊びにくさは、思った以上にめんどくさいものです。
手の大きい人向けに言うと、ポストカードサイズの手札を持たされているイメージです。

そんな訳で、120x92x20mmとなりました。


4.サイズ その3

なりませんでした。w
夏ごろに、これまでにイラストをお願いしたことがあったイラストレーターの猫屋芳樹堂様から連絡が来て、「オラクルカードを作りたいんだけど、ゲームのルールをお願いできますか?」という話でした。
そこからいろいろあって、うちでも出すことになって、とか別の話があったんですけれども、そこで「カードサイズは80x120mmがいいです!」って話になりまして。

箱、ぎりぎりで入らないんじゃない?
ってことで、さっきの箱のサンプルに、手製のカードを入れたんですが、「ギリ、入らない」という結論になって、再度サイズを変えました。対応してくれた箱屋さん、ほんま助かります。毎回助かってます。
生産してなくて、ほんとよかった。

ってなわけで、最終が121x92x21mmになりました。ちょっと分厚くなったのは、カードも分厚かったからです。
何の話かっていうと、「ミャオ・オラクル」の話なんですが。


5.形状

時系列的には「サイズ その2」ぐらいなんですが、トランプ箱の時と同じ形状にしようかなと思いました。
割と気に入ってるんですよね、返しの無い蓋の形状。
ただ、手で作ると、どうしても跳ね返りが強くなってしまって、蓋が空きがちになるんですが、ここはさすが箱屋さんですね。
紙の厚みなどを工夫して、パチッと閉まるようにしてくれました。
そんな訳で、いったん完成です。
どうやって「パチ」っと閉めてるかはトランプ箱の時の話をどぞ。


6.デザイン

完成、なんてことはないよね。まだまだ。
今回はせっかくしばらくこの形の箱を使いたいな、と思ったので、デザインをお願いすることにしました。
という訳で、先に書いたようにHAL10WEENさまにお願いしました。基本部分だけではなく、最初の1個なので全体的にやっていただきました。

頂いた話から、新箱の特徴として、「箱が小さいので、タイトルを大きめに配置した」のと、うちのデザインの踏襲として、「ラインを継続して入れた」ということでした。
試しに作った印刷イメージからも大体わかってましたが、かっこよくできたと思ってます。ほんと、HAL10WEENさま、ありがとうー!
サイズの小ささの割りにタイトルもしっかり見れて、片手で開けることができるのでいい感じです。
もちろん、ちゃんとホールドしてくれているので希望通りです。


7.そんなこんなで

箱が完成しました。
手元にもあるんですが、やっぱり新しく1から作るとうれしいやね。
とりあえず、しばらくは新しい箱を作ることはないと思うんだけど、作ったおかげで出せるゲームがたくさんできた気がします。
気軽に出せる枠というか。
ここにきてようやくではあるけど、箱屋さんもありがとー。いろいろ無茶も聞いてもらえました。こんな箱、作れるんだなぁ、っていうのが正直な感想です。

今回はちょっと技術的な話はあんまりなかったんだけど、もし新しい箱を作るぜー、ってなったら前のと合わせて参考にさせてもらえれば。(そんな機会、そうそうないけど)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?