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生きるのは最高だったよね?

宿儺は死んだし、伏黒恵は自分の思っていたような人間ではなかった(あなたはクソだ)。だからあと3話あっても自分にとっても呪術廻戦は昨日で終わりだ。これからは否応なしに現実に戻らなければいけない。休みの日の昼下がりに音楽を流さずにあまり光の通らないカーテンがかかった部屋の中で蹲っている時の冷蔵庫と扇風機と換気扇とPCの音だけがする何の希望もない現実の、無限に陰鬱な不安感に向き合うこと。今蠅飛んでたな……。

『わたしひとりの部屋』も『少女終末旅行』も、色々考えてたら前より言わんとすることを理解できるようになってきた(気がする)為に不快感はもうほとんど無い。

働いて暮らしをちゃんとして詩を書いて創作をなんとかしてnoteも時間守って書いて素晴らしき日々もサクラノ詩もナルキッソスも少女琥珀もつきうみもちゃんとやるんだ。よく考えたらホラー無理だから素晴らしき日々なんてできる訳ないんだ。高島ざくろ怖いんだ。

ただまあ期待してなかった分、宿儺ってキャラクターの最期は正直めちゃくちゃ良かった。無敵だった頃より最終的には好きになった。「ありゃー…すっくんとうとう死んじゃったのか…」くらいのテンションで終わるかと思ってたのに普通に真正面から傷付いた。普通にシビアで、救いもクソもなくて、人生ってそんなもんなんだなって感じで落ち込んだ。ごめんなさい。あたりまえに 苦しくって、痛くって、つらい、終わりかたです。あんたが全部あたしのものにならないなら、あたし何もいらない。残念でした~キミがリア充になれることは一生ありませ~ん。それでも自分で選んで決めた人生を肯定すること。キャラメイクを読者の想像に任せすぎだとはいえ、読者を傷付けながら納得させる話を描ける作者はハガレンのパクリといえどもどうであれ凄いと思う。散々引用した一節だけど、結局はこの言葉で終わらせたい。

人間はさ。俺たちはさ。うまくいってない時、すべてがデタラメな時に、鬱になって、酒飲んで、ゲロ吐いて。血吐いて。一番うまくいってない時、一番クソな時が、一番生きてる時なんだよ。いいや、言い方がまずいな。それだと……。うまくいってないわけじゃない。ダメなわけじゃない。ダメだったら、苦しむわけがない。全然ダメじゃないから、俺たちは苦しむんだ。イケてるから苦しむんだよ。
最高は最悪で、最悪は最高。すべての最高には、最悪がべっとりとはりついている。もちろん逆も然り。最高は最悪で、最悪は最高なんだ……。他人からみたらクソみたいな人生で、クソみたいにどうでもいい時、たぶん、俺たちは一番生きているんだよ。楽しんでいるんだよ。俺は、そう思うんだ。だからさ、それが無くなったら終わりだ。苦しみは大事だ。悔しさは大事だ。世の中のクソみたいなものは大事だ。それが感じていられるのなら、それは最高の生き方だ。何も感じる事が出来ないなら、生きているのか死んでいるのかわからない。苦しみを感じられれば、それだけでも生きていける。
生きていこうとするから、苦しい。身体が生きたいから、苦しい。そういえば、親父は死ぬ前にそんな事を言っていた。苦しいことは正しい。抗っているのだから。消滅から抗っているから。だから苦しい。身体の痛みを受け入れろよ。それが生きるって事だ。今だと、親父の言葉がよく分かる。輝く時だけが生きている時じゃない。うまくいっている時だけが、生きている時じゃない。
酒飲みすぎてさ……ゲロ吐いて、吐いて、吐きまくって。吐きすぎて食道が破けて血がまざっても、それでも吐き続ける。吐いて、吐いて、吐いて、苦しい。でもさ、それって当たり前の事でさ、酒を飲みすぎたんだから、そりゃ苦しいよ。
『くすくす、そうだな、酒を飲み過ぎたのなら、当たり前だ。』

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