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メントスコーヒー。何も起こらず。

7月に読んだクソ漫画1件と割と良かった漫画1件について。

〇デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション

11巻までは神漫画だと信じ切っていただけに、最終巻は通り魔に遭ったかのような最低さだった。最終ページを見た瞬間にクソ漫画!と叫んで、Amazonやまとめサイトで低評価を探す旅に出た。こういうことがあると本当に海賊版はNOと言って購入前に中身のわからないものに1巻800円も出させる構造は無理がある気がする。
確かに、浅野いにおの時点で、タイムリーパーとか言い出した時点で気づけと、漫画力アピールにしか見えない寒いドラえもんパロディやパロディ扉絵の連続、遅くても結局セカイ系かよでしかない過去編の時点で撤退すべきだった話を、適度に不穏な空気感や会話、過去編前門出・ひろしなどのキャラ立て、時事ネタなんかで引き込まれすぎていた。最終巻にきてそれ全部軽薄で無意味だったなという虚無しか残らなかった。安っぽいベタベタのカタストロフィーからの安直なロボネタとかもう笑うしかない。
元々浅野いにおの漫画はおやすみプンプンの最終巻と連載中のMUJINA INTO THE DEEPしか読んだことがなく、おやすみプンプンはあんまり好きになれなさそうだけどMUJINA超面白いしよく考えればおやすみプンプンだって『今年も来年も天の川は見れなくて、この先ずっと七夕は永遠に曇り空で』に感動しなかったといえば噓になるし、というのがあって標記の漫画を読み始めた。騎士4号で一気に面白さへの信頼が高まり、女子高生の会話も自然体で心地良く、過去編前くらいまでは本当に神懸かってるという感じで、これもしかしたら自分の描きたかったものの理想形に近いかもしれないと思わせるような洗練感があった。絵柄はそんなに好みじゃないからつくみず作画で見てみたいなとか思ったし、サイカノにめちゃくちゃ似てるなと思ったら高橋しんのアシスタントだったらしいことが分かって余計に信用してしまったのもある。過去編もなんか思ってたのと違うなとはいえ小学生女子の体つきの描き方がロリコン臭くて微妙に好感を持ってしまったし、主役2人が通学路を歩く見開きは名画といって差し支えなかった。

最終兵器彼女は神漫画です。

くだらない百合風味でお茶を濁しただけの結末との比較でそんなことを実感したくもなかったわけですが。SFでオチをつけるのが難しいといっても8年も連載してきて責任の取り方っていうのはあるはずだ。標記の漫画と比べると最終兵器彼女がどれだけ真摯に終末に・主人公の選択に向き合っていたかというのは明らか。外伝集の『世界の果てには君と二人で』の東京が燃えてる演出とかは本当に怖くて素晴らしかった。
相対性の演出で出したのだろう侵略者目線などは終盤になるとぬるっと消え去り、母艦から熱が出てるというならその周辺の地区は灼熱地獄になるなんてこともなかったし、11巻分書いてきた世界線をこれまでの無常な終末演出と裏腹に都合よく主要キャラばかり適当に生き残り、都合よく前向きな雰囲気でセーフな感じになり、その割に一番の良キャラのひろしは雑に殺し、主人公の選択の責任がテーマだったはずなのに主役2人の現在は一切描写せず、唐突にラストでほぼ無関係な別の幸せな世界線を見せてハッピーエンドですと言わんばかりの終わり。物語として成立していない。ガンスリンガーガールも少女終末旅行も、そこまで好きな結末というわけではなかったが、どれだけまともだったかというのが分かってしまった。

映画版では結末を変えたということで、作者自身失敗したという感覚もあるという話を見たが、だから何だよって話でいくら変えたといっても元が結局これなんだよなあと思うとあえて観ようという気も起きない。ムジナも現時点では面白いとはいえ、少なくとも結末には期待できなくなってしまったし。
浅野作品で最後に気になっている虹ヶ原ホログラフはまだ買えていないが、短編だからさすがに本作のようなことはないと思いたい。人間が蝶の群れに食われるシーンを早く見たい。

〇ホーリーランド
7月は15巻まで読む予定だったけど、15巻の引きがここで止まれるような終わりではなかったので最終巻まで一気に読んだ。ここまで読ませてもらってありがとうございました。
結局薬が出回って半グレ締めて終わりっていうのはさすがに昔の漫画だなって感じだったし、最後感動したかといえばそこまででもないけど、テーマの一貫性はあったしある程度全キャラ落ち着く所に落ち着いて無難に終わったので上等だった。『それはあなただという思いを込めてユウと名付けた』とは言うけど、序盤の身の丈で戦って友達作りしてるだけの神代ユウはまだしも、終盤の『彼女連れて街従えて格闘技の表舞台に誘われてて監視の目光らせてる街の王の神代ユウ』に感情移入はいくらなんでも無理があるだろうという話だったので、最後に無関係のなんでもないいじめられっ子に刺されて隠居して街の影のヒーロー的な立ち位置に収まったのは良かった。
特に好きだった回は序盤の神代ユウの闇落ち、小原ヨシト戦×2、山崎先輩との特訓、伊沢さんの過去(途中唐突にベルセルクみたいな世界観になってた)、ショウゴとの関係修復、ラストバトルのユウ伊沢戦。本文のストリートファイト、格闘技の解説ももっと読み込んで勉強したいし、自殺島も読みたい。良作。

余談
・2年間進捗ゼロの構想作の主人公(拗らせ陰キャ女子高生の理想のアバター)のビジュアルがブルアカのホシノとほぼ同一だったことに気付いてやっぱりホシノってそういうキャラなんだなあと思った。
・呪術って漫画そのものが悪いわけではないけど、前から分かっていたこととはいえ伏黒恵の才能もなく何の意味もない無駄な努力(虎杖に勝ってる所がついに一個もなくなった)で割と傷付いた。

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