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URISのSOUND BOX


URIS Outdoor gears

飛騨にURIS Outdoor gears というブランドがある。
僕も所属している「飛騨ガレージブランド連合」のメンバーで、パッケージデザインやイメージ構成などのシゴトを受けたりしているから、普通の人よりちょっとだけ詳しい。
ココは高い木工技術を生かした木工品や知育玩具などを手がけている白百合工房のアウトドア向けのブランドで、あぐら専用のURISチェアを筆頭にキャンパー魂をくすぐるプロダクトを作っているのだけれど、何がくすぐるかって、すべてのプロダクトに一貫しているコンセプトがステキなのだ。

コンセプトは「会話がはじまるギア」

URISのショップカード

「会話がはじまるギア」
これがすべてのプロダクトに一貫しているコンセプト。

URISの社長(以下望さん)とはアウトドア系のイベントではよく行動を共にしていて、たいていブースもお隣さんなので、傍目にこの会話がはじまる瞬間をよく目にする。
普通「会話がはじまるギア」なんて言われたら、釣られて会話を生まなくちゃなんて思ってしまうのが常だけど、実はこのコンセプト、店頭ではショップカード以外には書かれていない。ショップカード自体も7.5cm角の小さなもので、商品自体に魅力があるからほとんどのお客さんの目に最初に入るものではない。
お客さんは不思議そうな顔をして商品に触れたり、考えたり、するんだけれど、気がつくとお客さん同士や友人同士で話が弾んでいる。

望さんの接客を見ていると種明かしはいつも最後。
「これショップカード持っていってよ」って言ってカードを渡す。
”会話がはじまるギア”って書いてある。
これを見て「ほんとそうじゃん」ってなる。

望さんの「会話」

こんな感じでどの商品についても会話がはじまる仕掛けがある。
会話って言っても表面的な会話がはじまるんじゃない。
この現場に立会うと、望さんの「どんな会話がはじまって欲しいのか?」がなんとなくわかる。

映画「ラストサムライ」の1シーン

映画ラストサムライで渡辺謙が演じる「勝元盛次」が言うところの「Good conversation」に通ずるものでもある気がする。

会話って「それでは今から会話してください」ってはじまるものじゃなくて、またただ自然に生まれるものでもない。何かをきっかけに「会話をはじめる」意思が働いてそこから少しずつ大きくなっていく。
何かを伝えたかったり、訊ねたかったり。
キャッチボールの距離が少しずつ離れてだんだんと大きな軌道の球をやり取りするように、相手の思いを汲みながら会話を育てていく。
そんな仕掛けがURISのプロダクトには詰まっている。

URISのSound Box

URISのプロダクトはそうたくさんあるわけではないけれど、前述の通りそれぞれにいちいち「会話がはじまる」仕掛けが詰まっている。
おそらく社長の望さん的には「すべてがフラッグシップ」と言っても良いくらい愛着のある子たちなんだろうけれど、いちばんわかりやすく盛り上がるのが「Sound Box」だと思う。

リニューアルしたSound Box

URIS Sound Boxとは飛騨産のカエデ材で作られたキューブ型のスマホ用電源不要型スピーカーのこと。
「なんだよくあるヤツね…」という人もいるかもしれないけれど、違うんだな〜コレが…

いわゆるスマホ用電源不要型スピーカーは反響させながら音を増幅させる構造のもので、どちらかというと「どれだけ音が大きくなるか?」というところにフォーカスされやすい気がする。
実際にURISのイベント売り場でも
「あ、音はそんなに大きくならないんですね〜」とか
「ん…?」と首をかしげる人も少なくない。
BGMが流れていたり、いろんな音が響いているイベント会場では伝わりにくいというのもあるけれど、まぁ音量という部分にフォーカスしていたらそうなるだろうな…と思う。

でも、音質という部分にフォーカスした時
「なるほど、これはスピーカーというよりもSound Boxですよ!」ってなる。お客さんの表情からそんな反応が面白いように見て取れる。

Sound Box の構造はとてもシンプル。アコースティックギターのサウンドホールの構造に近い。たくさんの反響板を駆使して音を増幅するのではなく、いかに音圧や音の色気を保ちながら素直に抜けを良く音を響かせるかということに重きを置いている。
カエデ材を選んだのはいくつかの樹種で試した結果いちばん響きが良かったのだという。見た目的にも国産のカエデ材は表情のある白さで杢の個性も楽しめるし、組み上げ方にも伝統技術が使われていて完成品の見た目は手で触れることをためらうぐらい美しい。

スマホで音楽をかけながらSoud Box上部の溝に差すと音質が変わっていくのがよくわかる。
なんていうんだろう、音が色っぽくなるというか、本当にハマる曲は鳥肌が立つくらい響きがよくなる。

シングルとダブル

Sound Boxにはシングルとダブルの2種類がある。
シングルとダブル…なんて、作った人はよほどのウィスキー好きのオッサンか?なんて思った人「アナタ、それ大正解です!」
望さんはシングルモルトが大好きな50歳過ぎのオッサンです。

Sound Box SINGLE
Sound Box DOUBLE
Sound Boxにはウイスキーが似合う

Sound Boxの面白いところは、シングルとダブルそれぞれに合う音が違うというところ。音数の少ないアンプラグドな音楽を楽しむならシングルだし、音数が多くなって音の高低差やビートが強い曲ならダブルだし。
またボーカルの声質によっても、このボーカルはシングルが良い、あのボーカルはダブルが良い…なんてこともある。
大が小を兼ねるわけでもなく、それぞれにぴったりとハマる曲があるっていうのが面白い。
「この曲はシングルの方が合うね」って曲を、自分はダブルを持っているからダブルで聞く。確かにシングルの方が合うんだけど、それをダブルで聞いている状況も愛おしい。「この間奏のベースソロはダブルの方が良い!」とか耳が勝手に探していく。

だから、自分の持っているSound Boxにピタッと合った曲が見つかると、なにがなんでも望さんに聞かせたくなる。
そう、ここにも新しい会話が始まる瞬間がある。
きっとSound Boxのユーザーは皆こんなことを思うんだろうなぁ。

コレをキャンプで使うとBluetoothスピーカーと違って、自然の音を遮ることなく、高音質で風のように響いてくる音色が楽しめる。
遠くまで音を届かせる必要なんてなくて、焚火で薪の爆ぜる音を聞きながら自分たちだけの小さなコンサートホールにウィスキーのカップを傾ける…そんなオトナな雰囲気が味わえる。

でも、フタを明けるとそこにはしっとりというよりも学生時代のようなアツイ盛り上がりがあった。

自然の中で音楽を共有する

会話がはじまるURISの商品の中で、いちばんわかりやすく楽しさを共有できるのがこのSound Box。URISチェアもホント素敵すぎるんだけれど、Sound Boxの場合は1台あれみんなで音を楽しめるというのは無敵である。

望さんと良く焚火キャンプをするのだけれど、気がつけばウィスキー片手にSound Boxに合う曲合戦が始まる。大学生のカラオケみたいに「ずりぃぞ、次は俺の番だぞ!」なんて言いながら、自分が見つけてその日のために温めておいた曲をSound Boxでかける。

「ここの歌詞が好きなんだよ〜」
なんて言われると、高性能なイヤホンで聴くよりも何故か胸に沁みたりする。
間奏で焚火台の薪の爆ぜる音が聞こえて、火の粉が空にのぼっていく。

会話がはじまって、思いが伝わって、共感を生む。そんな瞬間がSound Boxを通して味わえる。

普段は2〜3人で盛り上がる時が多いけれど、昨年の11月には5人で焚火を囲んだ盛り上がった。それぞれが順番に思い出の曲をSound Boxで流しながら、思い出を語る。
焚火が暖かい。
誰かが曲をかけていると、誰かはスマホで次の曲を探す。
「聞いてねぇだろww」なんて言いながら探す時間も楽しい。もうこの流れはカラオケボックス。
そんな順繰りが4周くらいする。
5人だから20曲。
夜がどんどん深くなっていく。

僕はURISのファンとしてこんな風にSound Boxをキャンプで楽しんだもらいたいと思う。

もし父が生きていて、焚火を囲みながら父のお気に入りの曲をかけてくれたりしたらなんてステキな時間だろうと思う。そうやって親から子供に音楽が繋がれていく。
きっとファミリーキャンプでは、お父さんはこのSound Boxを通して娘のお気に入りの曲を知るのかもしれない。娘は両親が出会った頃の曲を知って、20年も前の曲を好きになるのかもしれない。

もう、これは「会話がはじまる」どころの騒ぎではない。

URIS Sound Boxはコチラから

リニューアル

その僕一押しのアイテム、Sound Boxが最近リニューアルされた。

右がリニューアル後。ロゴが小さくなって上品に。
右がリニューアル後。サウンドホールが改良された。
右がリニューアル後。上部に反響板が入った

望さんがリニューアルされた音を聴かせてくれた時、大袈裟じゃなく鳥肌が立った。
確かRADWIMPSの曲だった。
せっかく買った車が半年後にマイナーチェンジして少し型落ちになったような微妙な気分。

でもその後のイベントで新旧それぞれに聴き比べをしてみると、それぞれに合う曲が違う。
なるほど、これはこれで面白いし旧モデルの方が合う曲もあるから、そういう意味では逆にもう手に入らない旧モデルはとても貴重。

僕の好きなthe BoomのMIYAの声なんかは
これには個人差があるんだろうけれど、旧タイプの方が圧倒的に良かったりする。
そういえば昨年秋のキャンプで望さんもthe Boomのファンであることを知り、それ以来キャンプの度にSound Box合戦がthe Boom縛りになったりするww…この流れはほぼカラオケ…

結局のところ、シングルでもダブルでも、リニューアル後の両モデルでも、それぞれに合う曲があるから、型落ち感なんて必要ないのだ。
きっと車だってなんだってそう。むしろ前の型の方がステキだったり、エイジングしたものの方が魅力的だったりする。

なので、アナタが手にするSound Boxには、必ずそれにピッタリ合う音楽があるのです。
その曲を見つけられた時の感動をぜひ仲間と共有してもらいたい。

何度もしつこいけれど、URIS Sound Boxが気になった方は下の画像をタップしてください。ショップページに飛べます。現時点では写真はまだリニューアルされていませんが…

URIS Sound Box ショップページはこちらから

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