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野良猫18: Miki

インドネシア・バンドン野良猫第18番目に登場はMiki(オス猫・去勢手術済)。もちろん命名は私。最初オスかメスか判断できず、どっちでも可能な名前にしようと思いこの名にした。Mikiは私の家族である。

 Mikiは子猫の時1人で私の住まいへやってきた。当時は体力も限界で弱っていた。加えてすでに片眼の視力がなく悲惨な状態だった。今でも私は覚えていることがある。Mikiへ初めてご飯をあげた時、『ムニャ!』と(おそらく「美味い!」と言ったのではないかと考える)言って貪りつくようにご飯を平げた。人生でこんなに美味い飯を食べたことがなかったのであろう、そのままここに居ついた。その頃の番長Shiro(野良猫1参照)はまだ寛容で新参者のMikiを歓迎した。

 Mikiは片眼が不自由だったから、私は簡易トイレを作りMikiが安心して排泄できるようにした。Mikiは誰に対しても公平にかつニュートラルに接する。敵対心や嫉妬が皆無で、Hetare(野良猫9)やMi(野良猫8)ともすぐに友達になった。

 私は当時すでに野良猫1匹を家猫にしていた。最後に登場予定のFuku(オス猫)だ。彼は時々屋上へ脱走して探すのが大変だった。Fukuが3回目の脱走をした時に私は、捜索途中にバルコニーのとたん屋根から落ちてしまい、あばらを打撲した。これには流石に自分の身が持たないと危惧し、なぜFukuは脱走するのかを深堀した。結論、Fukuは寂しかったのだ。私の部屋は三階で、Mikiたちは一階の扉でたむろしている。つまり数匹の野良猫がわちゃわちゃしている一方でFukuは、たった1匹で私の帰りを待つだけだったのだ。

 私はMikiを家猫第2号に迎え入れようと決意した。MikiならFukuともうまくやっていけると確信していた。しかし最初はそう簡単ではなかった。問題はFukuである。子猫時代から家猫になりすでに1年以上過ぎていた。猫の面識がなく加えて甘やかして育ててしまったので神経質だ。小さいMikiを威嚇し決して仲良くする気配はなかった。しかしながら、Mikiは「お兄ちゃん僕のことを好きになってください」と言わんばかりにFukuに辛抱強く寄り添った。

 オス同士だとテリトリー争いをするのではないかと懸念していたが、それも杞憂に終わった。ちゃんとMikiはFukuのプライドを立て、Fukuもまた次第に、ご飯の時はMikiが腹一杯食べるのを見届けてから、自分の分を食べるようになったのだ。しばしばプロレスをしてじゃれあっているが、最後は仲良くなる。今ではすっかり腹心の友である。これ以来、Fukuは一度も脱走したことがない。ありがとうMiki。君のおかげだ。

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*左側:Fuku 右側:Miki

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