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野良猫20: Fuku

  インドネシア・バンドン野良猫第20番目大トリを飾るのは、Fuku(オス猫・去勢手術済み)。命名はもちろん私。福がきますようにと願いを込めてつけた。彼とは2016年からの付き合いである。

 Fukuは私が人生で初めて「私の猫」として飼った猫である。Fukuは母親と一緒に私の住まいへやってきた。まるでシングルマザーと一人息子のような感じ。Fukuは子猫たちの中で、唯一親離れできず母親についてきたのだ。母親猫も仕方がないわねーといった様子だ。当時はShiro(野良猫1参照)も住み着いたばかりで、色んな野良猫がやってきた時期だ。

 Fukuは怖がりであるから、私はFukuと接触回数を増やし、徐々に仲良くなっていった。そんな中、隣のサロンのスタッフやお手伝いさんなどが、そこまで熱心に世話するなら飼えばいいじゃんと背中を押してくれて、私は3階にある自分の部屋を、猫が飼えるよう道具を揃えて、母親猫がいない時を見計らい私の部屋へ招き入れた。

 びっくりしたのは、母親猫である。散歩から戻ってきた時には、すでに我が子が居ないわけだ。母親猫は必死でFukuを探す。私は心苦しさを持ちながら彼女にご飯をあげる。そうだ!私が母親猫にしてあげれることをしようと避妊手術をさせ、加えて里親を探した。知人の友人が放飼いだが、たくさん猫を飼っているから、1匹ぐらいならいいと承諾してくれたので、まだ手術傷が残っていたが、この付近から離した方がいいと思い移動させた。

 ほぼ同時にFukuへ予防接種をさせた。その時は獣医に驚かれた。当時はこのようなメンテナンスをするのはブランド猫ぐらいで、ローカル猫に予防接種を施す人はいなかったのだ(今ではだいぶ浸透してきている)。

 Fukuは私の部屋でのびのびと暮らすようになった。彼は頭も良くて、日本語もインドネシアも理解できる。相変わらず怖がりで神経質、加えてワガママでもある。マイペースと言う言葉がぴったりなぐらい、人に合わせないのも魅力の一つだ。

 私は現在3匹家猫(Miki(野良猫18)とSari(野良猫19))を飼っている。この中で私が抱っこして一番フィットするのはFukuだ。むしろMikiやSariより抱っこ慣れしていると言ってもいいのかもしれない。Fukuを飼った当初は、我が子のように毎日写真をとり可愛がった。

 ここまで猫に愛着を示すのは何故なんだろうと私は考える。その答えは、そうか私は寂しかったのだと思う。インドネシア・バンドンに来て慣れない言葉に慣れない仕事、慣れない文化に必死に慣れようとしてきた。そんな中で私を支えてくれたのは、Fukuをはじめとする猫たちだった。彼らは何か私へアドバイスをくれるわけでもないし、ましてや餌を与えなければ生きていけない存在だ。つまり猫たちは私の側にいる。シンプルにそれだけである。それでも私は嬉しかったのだ。

 Fukuが好きすぎて自分で猫の首輪ブランド(Lucu Lucu)まで作った。LucuLucuのインスタ、フェイスブックを立ち上げて、今ではTikTokに、ほぼ毎日猫たちをアップするのが日課である。猫・ネコ・ねこ。私の人生猫なしでは考えれらないほど猫好きになった。本当にFukuには感謝している。彼を通していろんな経験をさせてもらっている。

 この野良猫日記も今回で最終回。まだまだニューキャラクターをご紹介できるのだが、一旦ここで締めようと思う。ここまで読んでいただいて本当にありがとうございました。またいつかnoteでお会いしましょう!

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Fukuのお母さん。私の部屋に飾っています。

インドネシアのバティックの生地を使って、猫の首輪を作って販売しています。6月末から日本で販売しますので、よかったら、私のお店のぞいて見てください。 https://luculucucat.base.shop/