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DAO経営に第三者の声

皆様、こんにちは。
今日は久々にDAOの記事を

先日こんな記事をみかけました、、、

2024年5月13日日経新聞

こちらについて考察を交えて書いてみたいと思います。

投票権の預託制度は、DAO(分散型自律組織)における民主的な意思決定を実現するための重要な仕組みで、下記のようになっています。

  1. 小口投資家の発言力確保

    • 小口の投資家やユーザーは個人では発言力が小さいため、自身の投票権(トークン)を「代理人」に預託(集約)することができます。

    • これにより、個々の小口投資家の投票権が代理人に集まり、大口投資家と対等な発言力を持つことができます。

  2. 多様な意見の反映

    • 投票権を代理人に預託することで、小口投資家の意見が適切に組み入れられ、DAO全体の意思決定に反映されます。

    • 大口投資家だけでなく、多様なステークホルダーの意見を考慮した民主的な運営が可能になります。

  3. 発言力の分散

    • 投票権が一部の大口投資家に集中するのを防ぎ、発言力を分散させることができます。

    • これにより、特定の個人やグループが過度に影響力を持つリスクを軽減できます。

  4. 柔軟な運用

    • 投資家は自身の投票権をよりプロジェクトに精通している代理人に預託し運用することができます。

    • これにより、幅広いジャンルのプロジェクトに投資することができます。

日本経済新聞「DAO経営、第三者に投票権預託 大口出資者の対抗軸に」

このように、投票権の預託制度は、DAO内の意思決定プロセスにおける公平性と透明性を確保し、多様なステークホルダーの意見を反映させる重要な役割を果たしています。大口投資家の過度な影響力を抑え、より民主的なガバナンスを実現する仕組みとなっています。

プロジェクト規模が大きくなるとこのような仕組みが必要ですね。
しかし、その反面以下のようなデメリットも考えられます。

  1. 代理人への権限集中

    • 投票権が代理人に集中することで、代理人の影響力が過度に大きくなるリスクがあります。代理人の判断に依存せざるを得なくなり、本来の分散型ガバナンスの意義が損なわれる可能性があります。

  2. 代理の適切性

    • 代理人が本当に小口投資家の利益を適切に代表しているかどうかが不透明になる可能性があります。代理人と小口投資家の利害が完全に一致するとは限らず、エージェンシー問題が生じる恐れがあります。

  3. 投票権行使の複雑化

    • 投票権を預託する際の手続きや、預託を解除する際の手続きが複雑になり、小口投資家にとって投票権行使のハードルが高くなる可能性があります。

  4. 情報の非対称性

    • 代理人は組織運営に関する情報を多く持っているため、小口投資家との間で情報の非対称性が生じます。小口投資家が適切な判断を下すのが難しくなる恐れがあります。

  5. コストの発生

    • 代理人への報酬や、制度運用のためのシステム整備などにコストがかかります。このコストが過大になれば、DAOの効率性を損なう可能性があります。

以上のように投票権預託は、DAOにおける民主的な意思決定を実現する有望な手段ですが、同時に新たな課題も生じています。大口出資者の影響力を適切に抑えつつ、多様な参加者の意見を反映できるのがメリットです。

しかし、代理人への権限集中や中立性の確保が問題視されています。DAOの理念に沿った適切な制度設計が重要です。単に大口出資者への対抗軸を作るだけでなく、DAOの本質的な価値を実現する仕組みが求められます。投票権預託は、DAOのガバナンスの在り方を根本から見直す試みでもあります。今後の制度設計次第で、DAOの発展に大きな影響を与えるかもしれません。

この新しい動きを注視し、DAOの理念と実態のギャップを埋めるための建設的な議論を重ねる必要がありますね。

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