火星がうお座に入ったせいで・・

今日は、1週間ぶりに大学に行った。私は学生の就職の相談員で、対面での相談がある日だったのだ。家を出るのがやや遅れ、いつもより1本遅い電車に乗った。その電車でも、乗り換えの電車にはギリギリ間に合うはずなので、まぁいいかと思いながら、念のため乗換案内を確認すると、あら!?、乗れないことになっている。
春でダイヤ変更があったのかなと勝手に推測しつつ、でも遅刻するわけじゃないからいいや、と、普段より5分ほど遅れて大学に着いた。

そうしたら、「休憩に奥のスペースを使ってもらっていいですよ」、と事務の人に言われた。普段そんなこと言われないのに、なんだろか?と思いながらお言葉に甘えて奥の小部屋に入り、そこにあった置時計を見る。
ん・・?、違和感があたまをよぎる。
さらに、自分の腕時計を見る。
・・・・ん?時計狂ってる??
いや、置時計と同じ時刻だ。そこで初めて、1時間、早く来すぎたことに気づいた。だからあんなに焦って家を出る羽目になったのか!(ぽんっ←手のひらでこぶしを叩く音)

事務の人は、よく驚きもせずに、私を迎え入れてくれたなぁと感心する。私の体面を一切、傷つけない、おとなの対応である。

これは、やはりトランジット魚座火星の力であろうか。先日の、トランジット火星がうお座に入った時刻には、私は学生の対応中で、ものすごいトンチンカンな受け答えをしつづけて、学生を困惑させてしまった。
一方、今日のt火星は、私のネイタル火星にピッタリ120度だった。加えて、ネイタル月と火星にどんどんアプローチしつつあり、ほとんどコンジャンクションに近い。個人天体が、うお座のへなちょこフィールドにすっかり取り囲まれてしまっているのだ。
まぁその分、勘が冴えわたったらしく、とある学生向けに、これいいかも?と思ってお勧めした会社は、ずばり学生が探していた分野だった。

なんだか、前置きが長くなってしまったけれど、今日感じて書き残したいと思ったことは、遅刻の話ではない。
今日は、無事に進路が決まった学生が報告に来てくれた。ちょっと心配していて、うまくいくといいなぁと密かにお祈りをしていた学生だった(いわゆる”お祈りメール”みたいな、お祈りではなく、真剣に、深く祈っていたのだ)。首尾よく結果が出て非常に喜ばしいことだった。

勤務時間の少し前に、彼はやってきて、5分ほど立ち話をしてから、思いついたようにお礼の品をくれた。百貨店で購入したというその品には、何やら説明書きの冊子までついていて、丁寧にそれを開いて見せてくれた。
けれど、そういったお礼をされたりするのが私はあまり得意ではない。冊子の美味しそうな写真もチラ見程度で、なんだか慌ててしまい、型通りの遠慮や、大袈裟な感謝やらを表すので精いっぱいだった。

そして家に帰り、改めて、彼がくれた品を手にしてじっくりと眺めた。それは、凝った風味付けがされた調味料で、一瞬のうちに、わざわざ百貨店に出向いた彼が、熱心に商品を選ぶ姿が浮かんだ。
ろくに商品を見もしなかった自分を後悔した。あれでは、単に嬉しいフリをしただけみたいだ。もっとちゃんと、彼が、感謝を込めて私に捧げてくれた贈り物を、時間を、一緒に見つめて味わうべきだったのに。何度も、ありがとうとは言ったけれど、本当の、心からのありがとうを、私は伝えそこなった気がする。

たぶん、もう彼に会うことはない。もちろん、生きていればどこかで出会うこともあるはずだけれど、きっと出会わない。私は、”相談”というちょっと特殊な時間のあいだだけ話を聴く人であって、その人の生活の表舞台に登場する人ではないのだ。

だから、伝えそこなったことが、とても残念に思う。彼の優しさが宙に浮かんだままにならず、ちゃんと届いて胸を打った、そのことを教えたい。
誰かの”心からのありがとう”を、自分が作り出したことを知っていてくれますように。そして、その光が、君の行く道を照らしてくれますように。

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