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Colere Handbook - 日本語版作成の道のり-

こんにちは!コレルで現在インターンとして働いているMaoと申します。実は昨年の夏休みにインターンをさせていただいてから、学業中は一旦コレルフレンズに移行、そしてこの夏休みに再度コレルのクルーメンバーとして戻って来ました。
(コレルフレンズに移行するに時に寄稿した記事はこちらです!)

コレルハンドブックとは?

コレルはWork To Live Happier - 全ての人に働きがいを、というビジョンのもとで人々が集っている会社です。・・・

コレルはそんなビジョン・バリューを大切にしながらも、常に変化していく環境の中で世界各地で働く人々を繋いで成り立っています。そんな今だからこそ、言語化されたガイドラインの元で、お互いにとってより良い環境を作っていくためにハンドブックが作成されました。(作成の詳しい背景とプロセスは、実際に英語版ハンドブックを作成されたSusieさんがこちらの記事にまとめています。)

最初に「英語版のハンドブックを日本語にしようと思っているんだけど」と相談を受けたときは、ちょっと驚きました。

驚いた理由は以下の2つです。

  • 会社として、従業員に向けた「ハンドブック」が作成されていて、しかもそれらが外部にも公開されていること

  • 先に英語版が作成されていて、それから日本語版を作るという順番であること

従業員のために、コレルの一員としてどんな姿を目指していくのか、というガイドラインがあることと同時に、英語版のあとに日本語版が作られる日本企業なんて、きっと地球初なのではないかと思います🌏

コレルが会社としてどんどん大きくなっていく過程で、バリューのひとつである"Excite myself"をもっともっと磨いていきたい。でも、メンバーが増えていく中でひとり一人の「学び合い」の質を担保し続けるのはなかなか難しい。それを担保しより高めるためにできることとして、プロジェクトをどう進めるか、などの細かい粒度での共通言語があるといい。そんな、組織全体でより良い環境を作っていくための施策の一環であるということを教えていただきました。

日本語版作成の過程

言語を変えた形で何かを作る、という体験としては、実は昨年の春にもコレルの英語版会社サイトの作成の際に携わりました。

ミッション・ビジョン・バリューそれぞれ、日本語版に込められた想いをそのままに、世界中の人に伝わるものにする。創業者のお二人からも話を伺いながら、1つ1つ進めていきました。

今回のハンドブック作成は、「コレル内のプロジェクト」や「オンボーディングの進め方」など、ウェブサイトよりもっと具体的な内容のものでした。そのため、英語版ウェブサイト作成とは違った楽しさと難しさがありました。

日本語にする内容の多くは、日本語でかっちりとした業務用語のある言葉で、ここは何度かレビューをいただき、修正をしていきました。業務内容やプロジェクトの進め方などの部分は具体的な内容が多く、解釈に幅が出にくい内容でした。
しかし、時々バリューを体現しながら訳せばもっと良くなりそうな内容が混ざっており、そういったさまざまな解釈がありそうな箇所はコレルの他のメンバーにも意見を伺っていきました。

英語表現としてコレル内でも浸透している表現のひとつに、"I'm your experience" があります。直訳すると「私はあなたの体験です」となりますが、このままでは「?」となってしまうところ。これは、お互いがお互いの人生に関わり合って生きている、というニュアンスを含んでいて、コレルの中ではとてもよく使われている言葉です。
でもこれを日本語にして、外部の人に説明するにはどうしたらいいのか?と悩んで下のようなSlackを投稿したところ、なんとハンドブックチーム内外からいくつもの返信が…!

コレルのメンバーはお互いがお互いの仕事や人生を充実させ合うパートナーだよって事かなぁ

・あなたの発言や行動によって、一緒に働く仲間のコレルでの体験が良くなります
・あなたの振る舞いは、コレルのコミュニティに良い影響を与えることができます
とかもかな〜

などなど、たくさんの意見をいただき、最終的に定例でディスカッションする、という場面が何度かありました。

ハンドブックの中の多様性に関するセクションなども、かなり慎重に日本語版を作成していきました。例えば、

Our diversity, equity, and inclusion principles help us bring in different perspectives and encourage innovation.

という部分。
"bring in different perspectives"を単に「多様な視点を持ち込み」とするのではなく、本来私達が個人が持っている多様な考え方に対して、Principlesによりさらに異なる視点が加わる、という解釈をしました。その上で、「チームが持つ様々な視点をさらに広げ」としました。
これも、コレルの他のチームのメンバーから頂いた意見をもとに、ディスカッションを行った結果決まったものです。

ハンドブックは単に言語を変えただけのものではなく、その言葉を使ってコレルの文化を最大限反映するにはどうしたらよいか?を、コレルの全員で考えて作成されたものなのです。

こんなやりとりを通して、完成したハンドブック日本語版はこちらです。


日本語版ハンドブック作成を通して感じたこと

ハンドブックを作る上での気づき

  • Diversity&Inclusionなど、曖昧になってしまいがちな内容を言語化することの大切さ

ハンドブックを作成することで、社外にコレルのことを発信するのはもちろんのこと、社内での共通認識が改めて作られたのではないか、と思っています。
例えば、Diversity&Inclusionネガティブなフィードバックを建設的なものにするためになどは、「みんな分かっているよね」というような暗黙の了解で終わってしまいがちな内容だったりもします。でもそれが言語化されて文書として外部にも開かれていることで、認識にずれがなくはっきりとコレルの文化を理解することができます。

曖昧にしてぼやかすこともできる内容に、あえてはっきりと向き合っていく。そんなところにコレルの凄さを感じました。

  • 明確なガイドラインがあり外部にも公開されていると、採用希望者も、会社もメリットがたくさんある

はっきりとした言語化と、その外部公開によって、コレルがどんな会社かが入る前によく分かるので、コレルの一員になりたいかどうかがわかりやすくなったと思っています。現コレルメンバーにとっても、ハンドブックの内容に共感のある人が集まって来てくれるような仕組みになっており便利です。

言語として変換することの気づき

英語で伝えるニュアンスと、日本語で伝えるニュアンスはかなり違います。例えば、英語でははっきりと言うことが一般的な内容でも、日本語では柔らかく言った方が伝わりやすいことが多いです。

でも、「言語にかかわらず、ハンドブックを読んだ後の読み手を同じ状態にする必要がある」という点は、日本語版作成の際に難しかったことです。少し柔らかめの表現でも、伝わる内容は同じにしたい。そのいい均衡点を見つける作業は、難しい点でもあり、言語を跨いだアウトプットの醍醐味でもあるような気がします。

まとめ

日本ではまだ事例の少ないハンドブック作成ですが、作成に関わる過程でたくさんの良い点を見つけることができました。もっと多くの企業がハンドブックの作成と公開を導入していくようになればいいな、と思いつつ、パイオニアであるコレルのハンドブック作成に関われたのは、なんだか嬉しい気持ちです。

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