3月休校期間のオンライン指導で見えてきた自宅学習のポイント

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はじめまして。
コラボプラネットの西原と申します。
以前から色々な方から発信しろ!とお叱りを受けておりましたが、なかなか書けず、、、初noteです!


私たちは福岡県を中心に、子どもの数が少なく、塾が進出し辛い地域を中心に小規模な学習塾「学習塾ブランチ」という教室を複数個所で運営しています。小さな市場、リソースの制約がある中で持続的な学び場の提供を創業以来ずっと模索し、ICTを積極的に活用してきました。


昨日の緊急事態宣言を受けて、対象となった地域にある学習塾は大手はじめ、ほとんどの学習塾が1ヶ月間の休校となりました。多くの塾がオンライン授業でのサービス提供を実施するようです。


私たちも、「自宅学習サポート」として、普段教室で実施している内容を自宅でも受講できるようにし、学習を継続できるようにサポートを行っています。
そこで今回は、3月の休校期間中の子ども達の学習ログ、保護者のアンケートから見えてきた自宅学習のポイントをまとめてみました。


これからオンライン指導を検討されている方家庭学習をどうさせればよいかとお悩みの保護者の方に少しでも役立てばと書く事にしました。

1.学習塾ブランチの環境(使用している教材/環境)

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ブランチの教室では一人に一台iPadを準備しており、生徒たちは自分のタブレットで日々学習を進めています。


そのため、学校が臨時休校になった際は、全員にiPadを貸し出す事が可能でした。普段教室でやっていることを自宅に持ち込んだだけだったので、比較的スムーズにオンライン教室への移行することができました。

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自宅で複数のeラーニング教材を使って学習を進めてもらっています。個別の学習計画や進捗の管理は、自社開発の学習支援システムで管理しています。

(使用している教材)

・eboard
・eduplus
・manabo(一部生徒)
・eトレnet(受験生のみ)
・自社教材

2.自宅受講に切り替えた際の保護者の反応

3月、小中学校臨時休校の際、全ての教室を休校にし、オンラインに切り替えました。ネガティブな反応がかなり来るだろうと構えていましたが、そういった反応はほとんどなく、思っていた以上に受け入れてもらえました。

「学校が休みなので塾だけでも開けて欲しい」といった要望は一定数ありましたが、子ども達やスタッフの安全を優先すること、また、大人達が矛盾した行動をとることは指導上のマイナス面が大きいと休校にしました。


とあるお母さんとのやりとりをご紹介します。

休みを有意義に使ってもらわないとと思って、学習系の動画を聞いて休んでたところを取り返してもらいたいんですが、なかなか見てくれないです。

とご相談があり、やることが決まっている方が取り組みやすいと思うので、学習計画をつくりましょうか?とご提案しました。
「やってくれるか微妙ですが、、、お願いします」と最初はお母様も諦め気味でしたが、実際始めてみると

普段勉強嫌いの息子ですが、また、明日やる!って言ってくれてました^^
楽しく進められたらいいなと思います!自発的にやってるとこなんてなかなか見れないので(笑)成績あがると嬉しいけど!

と、初日から変化がありました。
最終日あたりには、↓こんな感じになりました。

課題、作って頂いてありがとうございます。休んでいた所が少しわかるようになった!と嬉しそうにしていました^^
テキスト教材は教科書みたいで嫌かな?と思っていたのですが、動画視聴しながらできるので何とか頑張っているようです。
学校の宿題よりやってます(笑)24日に提出のが間に合うかぁ?って言いながらも塾の課題をやってるという、、、わからないところが出来るようになるのが楽しいようです!英語もそっか!と言いながらやってました。

誰でもこうなります!とは言えませんが、そのポテンシャルはあると思います。家で勉強に取り組んでいる姿を見れるのは保護者の方にとっても新鮮なようで、それはそれでよかったなと思っています。


ただ、全くの無傷だったかというとそうでもなく、教室再開時に、そのままフェードアウトとなるご家庭が1割ほど発生したのも事実です。

どの選択をしても全くの無傷でいられる状況ではないと思いますので、どこかで決断するしかないだろうなと思います。


3.自宅受講の活用状況

リアルタイムで指導するわけではなく、いわゆる自立型学習なため、どれぐらいの生徒が活用してくれるかは正直読めないところがありました。
学校の授業が遅れているというこもとあり、中学生は4教科、小学生は2教科の学習計画を平日毎日配信しました。

15日間の自宅学習期間の生徒の学習ログ、保護者アンケートの結果を公開します。母数は100もないですが、傾向は捉えられたかなと思います。

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活用状況は約半数の家庭が活用できていました。
ちなみに、「積極的ではないが活用できた」は保護者がかなり頑張って取り組ませたという意味合いが強いです。

そして、継続できなかったという家庭が3割
機器トラブルやネット環境などの問題で活用できなかった家庭が2割。


後者については、個別にフォローしていくしかないです。状況も様々なので、考えられる可能性を一つずつ潰していくしかない地道な作業です。
課題になるのは「継続できなかった」という3割のご家庭です。ここのグループが一番退塾にも繋がりやすいグループで特にケアが必要です。
頭を抱えてある保護者の方も、やれせてはみるけど続かない、、、という悩みが大きいと思います。


4.自宅受講(オンライン指導)で躓くポイント

まず、最初にどこで躓いたかというと機器の設定まわりです。zoomを使ってオンライン指導を考えている塾さんも多いと思いますが、導入時はかなり大変です。zoomのアプリをインストール済みのiPadを渡していてもうまくいかない事が頻発しました。

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zoomのアプリはすでに入っていて、操作方法の資料を配布していても、この結果でした。最初はうまくいかないことを想定して、長めに時間をとるか、事前に接続チェックの時間をとることをお勧めします。


以下の内容は、オンラインでの個別指導や集団授業の場合は、あまり関係ないかもしれません。すでに条件を満たしているので。

弊社と同様にeラーニングを活用してオンライン指導を検討している方、講義動画を撮って配信するという方、プリント教材などを配布して学習支援を考えている方、また、休校期間中の学校の課題をどうやって取り組ませようかお悩み中の保護者の方にお役立て頂ければと思います。

5.自宅受講が継続するコツ①保護者の声かけ

eラーニング、講義動画、プリント教材などなど、形式は違いますが、継続して取り組むためには、どれも生徒自身の自主性が必要になってきます。
そして、そこは保護者の方に頑張ってもらうしかないです。
今、保護者向けのオンライン説明会を実施していますが、私たちとコミュニケーションが取れるところまでは、どうにかこうにか頑張ってください!とお願いしています。そこまで引っ張ってきてもらえたら、後は私たちが頑張りますのでと。


じゃあその時のどういう声掛けをしていくと、学習が継続するのか、しないのか。保護者アンケートをクロス集計して見えてきた特徴があります。

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アンケートの結果を見ていると、皆さん何かしらの働きかけはしてくださっていました。特に一番多かったのは「学習できたかどうか確認した」という項目です。しかし、これをしていたご家庭の生徒が全員継続できたかというと意外とそうでもありませんでした。

学習が継続したご家庭では、それに加えて「事前のルール作り」を一緒にされています。

共通認識のルールがあるのと無いのとでは、事後確認時のコミュニケーションに違いが出てくるのは想像しやすいと思います。


6.自宅学習が継続するコツ②はじめと終わりの連絡

ブランチでは、学習時間は各家庭で決めてくださいねとお伝えし、休校期間中は10時~21時の間、講師が待機して随時対応しています。


そして、勉強を始めるときと、終わるときに、zoomやLINEで連絡するようにとしています。システムや教材は使えるので、連絡をしなくても学習はできます。実際、連絡せずに、計画を進めていた生徒も一定数いました。


体感的に、連絡してきてくれた生徒の方が学習量が多いようだったので、生徒の学習ログを引っ張ってきて集計すると思っていたよりも差が出ていることが分かりました。

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開始連絡をしていた生徒とそうでない生徒との間では、2倍近く差が出ました。週2コマの生徒が多いので、通常であれば、教室で6日間学びます。
ですので、連絡無しの生徒は2回程度サボった感じですね。


これは日数だけの比較ですが、1日の学習時間にも差が出ているため、学習総量としては2倍以上違いが出る結果となりました。


これは開始連絡の結果なのか、そもそもの生徒の性質によるものなのかは、現段階では何とも言えません。ただ、やらないよりはやった方が良いです。


7.自宅学習が継続するコツ③学習を始める時間

連絡をくれていた生徒は出席管理をしているので、学習開始と終了時間も記録しています。そこで、どの時間帯に学習を始めると長続きするのか調べてみました。

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きちんと相関分析したわけではないですが、平均学習開始時間と学習日数をプロットするとこんな感じになりました。ゆるくですが、相関はありそうです。午前中、もしくは午後一番に学習を始めた生徒が長続きしています。


休校期間中の保護者の心配事として、一番多かったのは「生活習慣の乱れ」でした。午前に学習の時間を設けることで、生活習慣の乱れの解消にも一定の効果がありそうです。


ちなみに、一日あたりの平均学習時間は2時間12分でした。だいたい2教科取り組んでいる感じです。これに加えて学校の課題もこなしているわけなので、1日あたり、3~4時間は勉強ができていたのではないかと思います。

自分が中学生の頃を考えると、絶対にやっていないと思うので、、、
よく頑張っているなと感心します。


まとめると

①休校期間中の学習について、親子間で事前に話をしておく。
②はじめと終わりは誰かに報告する。
③学習の時間は午前か午後一番に設定する。

塾側が時間割などを組んでオンライン指導を実施する場合は、①~③が解消します。自宅受講だと、子どもがやらないんじゃないかと心配している塾関係者や保護者の方も多いと思いますが、条件が揃えば問題なく続けられます。むしろいつも以上に勉強する子も出てきます。

8.オンライン指導の限界と可能性

とはいえ、難しい面も色々とあります。
学習中の雰囲気は見えづらいので、子ども達のモチベーションの状態を把握するのはなかなか困難です。4月は保護者全員にLINE登録して頂き、気になる生徒については、保護者を介して把握する体制を作りました。

また、手元も見づらいので、どこまで理解ができているのか、どこで手が止まっているのか、教室だとすぐに気づけることにも時間がかかってしまいます。時間をかければ把握はできますが、効率はよくないので、良い方法がないか試行錯誤中です。

とはいえ、いつでもどこでも学べるというのはオンラインの強みです。今は大抵のことはネット上で学べます。本人がそれをどう使いこなすか次第。
このコロナ禍が過ぎ去るのをじっと待つぐらいであれば、積極的に利用する方が建設的です。
塾関係者と保護者が協力し合うことで、子ども達の成長をより一層促すことが出来るチャンスでもあります。


9.ブランチの学習支援システムを開放します。

最後に、弊社に何ができるのか考えた結果、以下の2つのことを始めます。

①オンライン校の開校

既存生徒に向けて提供している自宅学習サポートを「オンライン校」として開校します。近くに学習塾がなく送迎も困難な方、毎週決まった時間の通塾が難しい方、学校にいけなくなっている方 への学習機会の提供に取り組んでいきます。
緊急事態宣言等による学校臨時休校期間中は、毎日学習できるようにサポートいたします。

▼詳細はこちら▼
https://peraichi.com/landing_pages/view/blearnch


②教室運営者向け、学習支援システムの提供

学習塾ブランチが自社開発し、運用している学習支援システムを他塾の方々にも利用して頂けるよう提供いたします。
集団授業、少人数指導、個別指導、それぞれの形にあった運用方法をご提案いたします。

・個別の学習計画の作成、管理
・学習後の振返り文の記録、閲覧
・生徒マイページ、保護者マイページの運用
・リアルタイム学習進捗管理
※その他、必要機能を随時開発予定です。

▼詳細はこちらを▼
https://peraichi.com/landing_pages/view/logboard


一人でも多くの子ども達が学び続けられるよう、全力で取り組みます。

株式会社コラボプラネット 代表 西原申敏

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株式会社コラボプラネット/学習塾ブランチ 代表取締役。 福岡県の西の端、糸島市で地域の教育課題に取り組む。
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