見出し画像

spatial chat上でバーチャルバーを開いてみた

始めに

こんにちは。古谷です。
Co-LABO MAKER(コラボメーカー)という研究設備・ラボのシェアリングサービスをしている東北大学発ベンチャーの代表をしています。

Co-LABO MAKERは、一言でいうと「研究版のAirbnb」です。
やりたい実験があるけど研究設備やラボがない研究者を、研究設備はあるけど資金が必要な研究室や企業をつなげ、ラボや実験機器を一定期間使えるサービスを提供しています。
https://co-labo-maker.com/

コラボメーカー説明

今回は、先日ふと思い立って始めたバーチャルサイエンスバー「Bar Co-LABO」がとてもおもしろかったので、「spatial chat上でバーチャルバーを開いてみた」という題で、文章化してみようと思います。

spatial chatとは?

spatial chatとは何なのか?
一言でというと「バーチャル空間を自由に使えるオンラインビデオチャット」です。

https://spatial.chat/

画像3

最近コロナの影響でzoomのようなオンラインチャットが非常に一般的になってきましたが、その一種(ただし、かなり特徴的)だと思っていただければOKです。

そのようなツールは、主にビデオ会議用に作られている場合が多いのですが、このspatial chatはカクテルパーティー体験をオンラインで再現するために作られたツールとのことで、以下のような面白い機能的特徴を有しています。

1.バーチャル空間内を自由に動き回れる

2.音源から距離が遠いほど聞こえる音が小さくなる

3.視野の拡大縮小ができる

4.空間上に画像や動画、画面共有を貼れる

5.アイコンに自分の映像が表示される

以上のような特徴により、spatialチャットでは、宇宙空間のようなスペースの中を、自分のビデオが投影されたアイコンが自由に動き回れるようになっています。ビデオのみでなく、空間の概念があるのです。

画像2

更に、空間内の拡大縮小が容易にでき、距離が遠いと音も届かないため、走り回るときは縮小して全体を見ながら走り回り(ブラウン運動っぽいです)、話したいときはその部分を拡大して、画面いっぱい話したい人々の顔がある状態にして話をする、ということができます。

空間上に画像や動画を貼れるため、話していて話題にでた物の画像を貼ったり、みんなで同じyoutube動画を見ながらそれについて話したり、焚き火を囲んで話したり、と言うことができます。

画像11

人数も50人ほどまでは対応可能と言うことで、規格外に多人数での性能が良いzoomほどではありませんが、かなりの人数に対応しています。

zoomでは、大人数だと一部の人しか喋れず、ブレイクアウトルームも自由に移れないため、zoom飲みなどの言葉は生まれつつも、制御は結構むずかしいです。

Remoでは、実際のイベント会場のようにテーブルと席が設置されていてその席を自分の意思で移っていけるためzoomでの問題は解決されますが、他テーブルの様子は入ってみないとわからないので、入るタイミングがわかりません。

spatial chatでは、遠くから他の集まりの声を聞いてからタイミングを見て入ることもできるし、空間上を自由自在に飛び回り、画像や動画で空間をいじることもできるので、また違った体験ができます。

そんな素敵なサービスです。

spatial chatの弱点

じゃあもうspatial chatでいいじゃん、となりそうですが、素晴らしい体験が得られる一方で、弱点も結構たくさんあります。以下のようなものです。

1.自由に動けすぎて混乱しやすい

2.バクがあり、安定しない(zoom等に比べると)

3.文字でのチャット機能がない

4.全員同時にアナウンスする手段がない

5.セキュリティはない

6.ホストの概念がない

7.上記の特徴ゆえにファシリテーションしにくい

spatial chatはまだ完全無料のサービスであるためか、機能が絞られており、本来あった方が良さそうだけどない機能も多々あります。それでも、spatial chatのみで体験できる唯一無二の体験も多々あるため、うまく用途や使い方を絞り込めば、とても素晴らしい体験を得られます。

バーチャルバー化してみた

上記のような弱点をカバーしつつ、もっと素晴らしい体験にすることもできるのではないだろうか?と言うことで思い立ったのが、画像や動画をふんだんに使って空間の用途を示す、バーチャルスペースの建築です。

画像6

実際に以下のようなイベントを開き、30名ほどの方に参加していただけました。

画像5

第一回 バーチャルサイエンスバー『Bar Co-LABO』

画像11

開催中の様子。距離が離れていると文字が表示されていますが、近づくとzoomのようなビデオチャットがうつります。

お忙しい中ゲストとして参加して下さったノブ@化学者/研究者の生き方を考えるさん、ご協力いただいたスタッフのみなさん、ありがとうございました!

宇宙空間みたいだとどこでどう話していいか戸惑う、というのなら、しっかり空間を作ってやればいいじゃない、ということで、バーカウンターや机・椅子を設置しました。

画像11

安定しない、バグが起こる(相手の声が聞こえなくなる、透明になる等)、と言っても、その解消法(大体再入場するか回線強化すると直る)もあるので、予め注意書きを初期の出現ポイント近くにはり、更に初めて入店される方に説明する人員を配置しました。ちなみに出現ポイントはバーの椅子の位置です。

文字のチャットがないなら別途用意!ということで、別途コミュニケーションをとれるようにLINEのチャットのURLやその他問合せ先を貼りました。

画像9

全員同時にアナウンスする手段がないのであれば、リアルのイベントと同様に、各テーブルを回ってスタッフがアナウンスすれば良い、ということで動き回ってアナウンスしました。

更に、時には話しかけられたくない時もあるので、トイレや休憩所を設置

画像10

みんなで暖炉を囲んで話すと癒されるので、暖炉動画常備

画像11

という感じで、空間と運営をチューニングしていきました。まだまだプロトタイプといったところですが、なかなか面白いものが出来たのではないかと思います。

今後どうなっていくか

まだまだ運営方法も空間設計も改善余地だらけなので、これからの運営の中でアジャイル開発するがごとく高速でブラッシュアップしていきます。

リアルの場作りと同様に正解は一つではなくて、どんな空間を作りたいか、どんなコンセプトの場にしたいか、それをどのように表現するか、ということに尽きると思うので、これから思い思いのバーチャル空間が次々と生まれてくることでしょう。

元々、自社で自然とspatial chatがバーチャルオフィス化され、魔改造されていく中で、オープンにやっても面白いのでは?と思い立って始めたのでw

その内、このサービスに限らずですが、「バーチャルスペースデザイナー」「バーチャルスペース建築家」「バーチャルスペースファシリテーター」などが次々と生まれていくのではないかと思います。

よろしければ皆さんも、バーチャル空間づくり&バーチャルイベントに是非チャレンジしてみてください!

また、「Bar Co-LABO」については、他の方々と一緒にイベントを開くのも大歓迎なので、面白そうだと思った方はお気軽にお声がけください!

毎週土曜日+希望や実験として追加でも開催していく予定です!

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?