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ダイエット(その3)

元スーパーデブから言わせてもらうと、「痩せたほうがいいよ」という助言は、「歯磨きすれば虫歯になりにくいよ」というのと同じくらい当然のことを言われているだけで、全く響かないです。
というか、うざったいだけです。

太っている人の中には、自ら太ることを選んでいる人が多く存在すると思います。
痩せたほうがいいんだろうけど、ご飯って美味しいからなー、美味しいものを食べる幸せを失うくらいなら太ってる方がいいやー、などなど。
僕は完全にそのタイプでした。

そういうタイプは、「痩せたらモテるよ」とか「健康になるよ」とか、そんな一般論は自分で散々考えて咀嚼したうえで、あえて痩せず、好きで太っているのです。

だから、その意識を覆す何かを本人が見つけないと痩せないです、たぶん。

それは、もしかしたら、死ぬほど愛しい相手ができて、何としてもその人に振り向いてもらいたい!ということかもしれないし、子供ができて、どうしても健康に長生きしたい!ということもしれない。心底こうなりたいと憧れるような魅力的な体型の人を見つけることかもしれない。
または、僕みたいに、痩せることが単純にゲームや実験に近い感覚で熱中できるほど楽しくなることかもしれない。

だから、周囲は、本人がその気になるまで、放っておくしかないんです。

それでも太っている人を痩せさせたいのであれば、その人の心がぐらつくような痩せることによる利益を、できるだけ具体的に提示することだと思います。
例えば、単に「痩せたらモテるよ」と言うのではなくて、その人が惚れ抜いて必死に振り向かせようとするような、どストライクな相手を紹介することだと思います。
くそ面倒臭いですが、デブを説得するためには、それくらいの覚悟が必要だと思います。

または、痩せる苦痛をできるだけ具体的に解消するという方法もありそうです。
例えば、一緒に話しているだけで楽しいような相手から「ウォーキングに付き合ってよ」と誘われれば喜んでウォーキングに出かけるかもしれないし、くっそ美味い低カロリーのお菓子を紹介されれば、普段食べているお菓子の代わりにそっちを食べるようになるかもしれません。

何に惹かれるかは人によるので、どういう提案をするかが難しいんですが。

ちなみに、「あなたのため」感を出さずに提案することも、かなり大切だと思います。
太っている人は、散々「あなたは、あなたのために痩せたほうがいい」と言われ続けてきていて、そういう空気に辟易しているので。

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