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私は、誰に似ている

よく恋愛小説やラブソングの歌詞で、「あなたは、誰にも似ていない」というようなフレーズが出てくる。

実はそれ、大嘘だ。


人は、「好きな人に似ている人」を好きになる。


もっとも好きになる可能性があるのは「親に似ている人」。

特に異性の親が与える影響は大きい。精神分析の第一人者であるフロイトは、幼児は異性の親に最初の性愛感情を抱くという学説を唱えた。これを「エディプス・コンプレックス」という。

エディプス・コンプレックスを経験する多くの人は、親を近親相姦したいという欲求を持っていて、その夢を諦め、性的な欲求を抑えて、自分に打ち勝つ過程で大人になっていくそうだ。

ということは、欲求は抑えられているだけで、ずっと心の中にあり続けるのかもしれない。

幼い頃いつもそばにいて、自分を守り、育ててくれた親。たとえ口では親を悪く言っている人も、親から受けた影響、親への思慕はもはや自分の根っこになっていて、そこで作った理想のパートナーの原型を、大人になったあとも無限に繰り返す。

親を(根本的に)好きで、親を安心で楽しい異性の基準としてもつ人が、「親っぽい人」を好きになるのは当然といえる。


次に好きになる可能性があるのは「好きな人に似ている人」だ。


人が一生の中で関わりあう人間は、100人しかいないという説がある。

「どう考えても少ない」と反論したくなるが、要は俳優さんのように、同じ人が名前と性格を変えて何回も登場しているのだという。

そういえば、全く関係がないはずなのに、昔の知り合いに妙に顔が似ている人、って結構いる。

そういう時はなんとなく親近感が湧いて、話しやすかったりする。


誰かに似ている、と言われたことはあるだろうか。

かくいう私は、「どうぶつの森」のツバクロらしい。

https://twitter.com/murakumo6696/status/933151138118905856

あとは「小学校の時の同級生」とか「小学校の時の同級生のお姉さん」など、「本当にその人の顔、覚えてる?」と訊きたくなるような人も結構よく言われる(小学校の時の...って、小学生みたいな顔面ということ?ちょっと面白い 笑)。


えてして、人はオリジナルであろうとする。

「誰かに似ている」と言われると、ムッとする人も少なくない。


しかし、例えば音楽は、初めて聴く曲で感動することはまずない。

音楽の快楽は、再生(リピート)にある。

曲の展開や歌詞の内容などをある程度記憶することで初めて、その曲を再生した時に、最初に聴いた時よりも大きな感動を味わうことができる。

初めて聞いた曲で感動したことがあるよ、という人は、以前によく似た曲で感動したことがあるはずだ。


これだけは覚えて帰ってほしい。

好きな人に似ている、という言葉は、脈あり。

「誰かに似てるなあ」と見つめてくる相手は、あなたの顔の中に、もう、好きな人の面影を探しはじめている。

いや、初めから好きだった人しか、好きになることはできないのだ。


ほらまた、好きな人に似た人を、しりとりのように好きになっていく。


あなたはあの人に似ている。

私は、誰に似ている?


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