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note:11 朝じゃけ定食【BreakfastNotes】

 ……何よりも、朝食が好きだ。これほど気温が上がって、食欲が失せそうな時にさえ、熱く思う。
 実際食欲はあまりない時もあるが、食べなくてはならないという強迫観念に等しい何かがあるが、それは「生きよう」とする自分の中からの声なのではないか。怠惰は人を殺す、生命維持活動である食事を怠っては、それはそのまま死への直結を意味するのではないだろうか。
 その日一日をしっかりと過ごす、幸せに過ごすために、ふさわしい朝食を選ぶ事こそ「生きる」ということではないだろうか。

朝じゃけ定食¥539-

 火星のような暑さから、宇宙船に生還したような気持ちになる店内。一旦ここで体をリセットしない事には本当に倒れてしまいかねない。
 失った塩分やミネラルを急速補給するように、ぎっちりと詰まったような塩気が、体にきびしいようで、優しい。味噌汁も染み渡るように、体内に吸収されていく。塩分が多いように感じる日本食だが、これほど酷暑で体を目覚めさせ、動かし、生かす食事は中々ないだろう。
 急いでいるからできているのから出して、という若い客もいたがそんなに慌てるようならここにしなければよかったのに。朝の時間は貴重だが、その慌てた1分2分で何も変わらない。

 「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。
 さて、明日は何を食べようかな。

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