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note:80 ハムと北欧チーズのサンドウィッチとクイーン【BreakfastNotes】
「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。人間は情報を食べて美味しく感じる事が多いと思う。まずそのものが美味しいという事実の前に、これは美味しいものだと思い、食べたり飲んだりするから美味しいと感じる事が多い。
お店の雰囲気や、食器、カップ、グラス、その細部にまで「美味しい情報」があり、人はそれで如何様にも味を変化させて自分の都合のいいように味わう。テーブルや椅子、壁、飾られている写真や絵、花があるところもあるだろう。
人間は、本当の味よりも情報を食べている事が多い。
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何よりもこのチーズの香りがいい。
全粒粉の小さなパンの間に、おそらくマスタードが仕込んでるのを今日初めて気がついた。マスタードの香りとピリッとした刺激に、いかに情報にばかり気を取られていたのかを反省するきっかけになった。ハムもしっかりと焦げ目がついて、カリカリになっていて、食感も豪華だった。
例えば単純にレシピだけを聞いて真似して作っても、同じ味にならない事が多い。
作る人によって、たとえチェーン店でも、多少の個体差は出てくる。どこでも同じ味なのに、どこも一緒じゃない。お店の看板や内装や雰囲気で食べていたら、そりゃ同じ味に感じるだろう。
そういった違いを感じる人間になりたい、そう思った。
……私は朝食が好きだ。仕事を辞めることになったのだが、次がまだ見つかっていない。
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