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天疱瘡診療ガイドラインから 治療維持期(病勢制御の後)

治療導入期に、プレドニゾロン(PSL)を大量に60mg/day量(体重60kg)も投与して、病勢の制御した後、状態を維持しながら、10mg/day以下を目指して減量する。

減量の前期(60mg/day〜20mg/day)は、1,2週で1回に10-5mg/dayのペース、後期(20mg/day以下)は1,2ヶ月で1回に3〜1mg/dayのペースを目安にする。免疫抑制剤を併用している場合には、PSLを減量し10mg/day以下に達したら、再燃のない事を確認して、免疫抑制剤の減量を考慮する。

減量中の病勢の評価には、血清中のデスモグレイン抗体価(ELISA index)が有用。病勢と抗体価は、良い相関を示す。抗体価が減っていれば、PSL減量の目安となる。逆に、抗体価が上昇した場合には経過を観察し、水疱・びらんが新生した場合には、治療を再考する。抗体価のみでの治療再開は原則しない。

ただし、寛解状態であっても、抗体価が陰性とならない場合もある。また、患者間の重症度比較にも、抗体価は利用でない。

【メモ】
デスモグレイン抗体価が、寛解時でも陰性とならなかったり、患者間の重症度の評価に使えない理由は以下。ELISA法で測定される抗体は、病気を起こすものだけでなく、非常に多様な状態(ポリクロナール)で病原性のない自己抗体を含むため。

備考:
以下をを読んで、自分のためのメモとして記述する。誤りの無いように努めるが、正確とは言えない事もあるかもしれない。できるだけ、根拠を明示するので、間違いは教えてください。


【参考文献】
天疱瘡診療ガイドライン:日皮会誌:120(7),1443―1460,2010(平22)

#サイエンス #天疱瘡 #診療ガイドライン

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