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春風に舞う少年 #1

これは一人の『咲』という少女が
出会った少年との物語である。

咲が通う中学校は、二つの小学区を
卒業した生徒が集まる学校であった。

少年『神谷』は咲と別の小学校に
在席していたので、中学校で初めて出会った。

神谷はテニス部に所属していて、咲は
彼の存在を知っていたのだが

一目見て以来、一つ年上の
先輩の存在に夢中になっていた。

その先輩『八木』は、咲ら同学年からはもちろん
八木と同年、その他の学年の生徒からも
恋い焦がれ、想いを寄せる
女子生徒が多くアイドル的な存在だった。

咲も小学生の頃に見ていた男子生徒とは少し違い
大人びた雰囲気が漂う先輩に胸がときめいた。

(何とかして話しがしたい…)

そんな想いを抱きはじめたので
近所に住む幼い頃から仲が良く、
毎日でも遊んでいた八木と同学年の
『詩織』にその気持ちを伝えた。

詩織が八木やテニス部の男子生徒と話す姿を
度々、見かけていたからだ。

「わかったよ!咲ちゃんのこと、
    八木くんに伝えておくね!」

咲の心の中は緊張と期待が入り混ざっていた。

その翌日、朝の掃除をしていたら
咲がいる一年生の階に八木が姿を見せた。

詩織も一緒だった。

「どの子?」

「咲ちゃん、あのコ!」

と咲を二人が見ている。

一瞬、何が起きたかわからない状況だったが
「えぇー!ちょっと~、何?」

バンッ!と咲の肩を叩く同級生のリナが
興奮して咲に近づいた。

詩織とのいきさつをリナも知っていたが
八木が咲を見に来たことに、
とても驚いた様子だった。

咲の鼓動はしばらく鳴りやむことはなかった…。

リナは中学で出会い意気投合して仲良くなった
クラスメイト。
そのリナの小学生時代からの親友『美保』と
三人でテニス部の追っかけを始めた。

三人共、それぞれ一つ年上の先輩を
好きになっていたからだ。

土日や平日の夜にテニス部の部活がある場所へ
自転車であちこち出かけた。

今回は、ここまでです。

またこの続きは後日、投稿いたします。

しばらくお待ちください。

ここまで読んでくださり、
ありがとうございます(^人^)