運動してお金が稼げる?Move-to-Earn(M2E)とは何か: Genopets, STEPN, WIRTUAL
本記事は、CoinGecko Analysisで公開されている「What is Move-to-Earn (M2E)? A look at Genopets, STEPN, and WIRTUAL」の日本語翻訳版です。
はじめに
ゲーミフィケーションとは、従来のゲーム的な要素を非ゲーム的な活動に取り入れることです。例えば、業績やスキル、競争といったゲームの要素に絡む形で、ユーザーに何か報酬を与えることなどがそれに当たります。このトレンドは、人間のデジタル化が進み、ビデオゲームの人気が高まったことと相まって生まれました。ゲーミフィケーションに関する研究では、モチベーションの向上とエンゲージメントのレベルの上昇との間に直接的な関係があることが示されています。これは当然といえば当然なのですが、銀行、セルフサポートアプリ、マーケティングキャンペーンなど、様々なプロダクトがこの手法を活用しています。ブロックチェーンのメリットは、クーポンや割引の代わりに、金銭的価値のあるデジタル資産を直接ユーザーに配布することができる点です。
金銭的インセンティブとゲーミフィケーションの組み合わせは強力であり、GameFiという包括的な用語が生まれるほどとなりました。私たちはすでに、実際のゲームから生まれたP2E(Play-to-Earn)エコノミーのブームを目の当たりにしています。しかし、同じアプローチは何もゲームだけでなく、運動など従来は娯楽でなかった活動にも適用できる可能性があります。Genopets、STEPN、WIRTUALなどは、モーションセンサー技術を活用して、身体を動かすことで報酬を得られる新しいGameFiニッチ分野「Move-to-Earn(M2E)」を代表するプロジェクトです。
Move-to-Earn(M2E)とは?
M2Eは新しい言葉かもしれませんが、コンセプト自体はそう新しくはありません。運動は何年も前からゲーム化されてきました。例えば任天堂はPokémon GOを通じて、動きを伴うモバイルアプリゲームを普及させました。最近では、Nintendo Switchコンソールでフィットネスゲーム群を発売し、専用のフィットネスコントローラー(例えば、エクササイズリング)さえも備えています。さらに遡れば、Wiiコンソールもあり、Wiiスポーツのようなゲームも押し進めていました。スポーツは、プロの選手がスポンサーや大会での優勝などを通じてお金を稼ぐので、ある意味M2Eの一形態と考えることもできます。とはいえ、プロとしてスポーツをするのは、ほとんどの人にとって無理な話でしょう。しかし、M2Eは活動することで金銭的な報酬を得ることができるようになりました。
より健康になるという特徴は、「ゲーミフィケーションによるプッシュ」を必要とするユーザーだけでなく、社会がより身体的にアクティブになることで利益を得る他のビジネスにとっても魅力的です。 この例として、保険会社のAIAが作った健康プログラム、AIA Vitalityがあります。このプログラムでは、会員は歩数を集めるなど、さまざまな活動によってポイントを貯めることができます。このプログラムでは、歩数を集めるなどしてポイントを貯め、そのポイントで食事券や買い物券などの特典と交換することができます。一定のレベルに達すると保険料の減額にも利用することもできます。
AIAの立場からすれば、そのメリットは計り知れません。企業の社会的責任(CSR)イメージの向上はもちろん、金銭的なメリットもあります。すなわち、ユーザーが健康であれば、保険金の請求も少なくなるのです。
しかし、M2Eゲームと他のビジネスとの相乗効果を度外視しても、動きを伴うゲームにはすでに大きな需要があります。例えば2020年、Pokémon GOは$3Bの収益を上げています。2022年3月16日現在、Pokémon GOは過去30日間で平均8.6M DAUを記録しています。
しかし、ポケモンフランチャイズは、何百万人ものユーザーを持つ巨大なIPであるため、このような数字はそれほど驚くべきことではありません。しかし、それでもその驚異的なユーザー定着率と人気は損なわれていません。
より具体的な例としては、ストーリー重視の移動型モバイルアプリゲーム「Zombies, Run!」が挙げられます。このゲームでは、プレイヤーは歩いたり走ったりすることで、より多くの音楽やストーリーなどのオーディオコンテンツにアクセスできるようになります。
注目すべきは、30万人のMAUのうち6分の1が有料会員(年額約40ドル)であることです。ピカチュウなしでも、人々はエクササイズを促してくれるアプリを通し喜んで任天堂へお金を払うのです。
全体として、M2Eモデルの本質的な要素はすでに成功し、強いプロダクトフィットを達成していることが証明されています。問題は、クリプト・プロジェクトがどのようにトークンでそれらを結びつけ、持続可能で結束力のあるエコシステムを構築できるかということです。参考として、GenopetsとSTEPN、WIRTUALという3つのプロジェクトを見てみましょう。
Genopets
たまごっちは、Aavegotchi($GHST)、そして最近ではGenopetsなど、多くのゲームにインスピレーションを与えてきました。ポケモンGOの仕組みに、コレクション可能なクリーチャーを使ったトレーナーバトルを加えれば、Genopetsの出来上がりです。
Genopetsは、ゲーム内でレベルアップすることにより、進化、アップグレード、カスタマイズが可能なGenerative NFTです。$KIはプレイヤーが獲得し、Genopetsの改良に使用する基本ゲーム内通貨であり、$GENEはガバナンス・トークンとして機能します。Genopetsは誰でも無料で作成することができますが、その価値は歩数を重ねることで得られるXPの量に依存します。
ゲーム内の複雑な仕組みは以下の通りです。
XP: XPとは、Genopetのメタデータ内の経験値で、歩数を重ねることで増加する。XPが貯まると、Genopetをアップグレードして、より良いステータスにすることができる。
Refined Crystals:GENEとKIを消費して生成されるNFT。Refined Crystalsにはさまざまな種類があり、ペットの進化をサポートする。たとえば、進化の過程で火の遺伝子クリスタルを使用すると、Genopetのエレメンタル遺伝子型が火に変わり、外見が変化して火属性の攻撃技を授かる。
Habitats(Land):クラフトに必要な素材を保持し、栽培することができるNFT。また、HabitatsではXPが上昇し、Refined Crystalsを直接クラフトできるようになり、デイリー$KIを獲得することができる。
増強:NFTのアクセサリーで、ジェノペットの外見やステータスを強化・変更することができる。
KIを獲得するには、プレイヤーは歩数に応じてKIを生成するHabitatsを保持する必要があります。Habitatsを持っていないプレイヤーは、一定のXPを持つGenopetsを取引・売却することでしか、収入を得ることができません。この経済的なフライホイール効果は、以下のように要約されます。
本稿執筆時点では、このゲームはまだプライベート・ベータの段階です。現在は、GENEトークンが登場し、Genesis Genopetsの購入に使われるようになったところです。これらのペットは、現存するGenopetsの第一世代ということで、限定版かつ最大限の進化を行うことができます。プロジェクトの次の重要なマイルストーンは、Habitatsのローンチです。現在、条件を満たすとHabitatsがもらえるトレジャーハントが開催されています。このルートでレベル1のHabitatsを入手するための費用は15 SOL です。
STEPN
STEPNは、GameFiの要素を取り入れた健康・ライフスタイルアプリです。ゲームプレイの中心となるのは、スニーカーNFT。スニーカーを持ちながら徒歩で移動すると、ゲーム内通貨「GST」を獲得することができます。スニーカーには、「属性」「タイプ」「レベル」「品質」の4つの要素があり、「エネルギー」システム(報酬の上限)と同様、これらの要素が稼げる「GST」の量に影響します。
1 - タイプ:スニーカーには4つのタイプ(ウォーキング、ジョギング、ランニング、トレーナー)があり、それぞれ運動強度やフィットネスレベルに合わせて設計されています。
2 - 属性:ソロモードかマラソンモードかによって異なる、ゲーム内の仕組みに影響を与える4つの属性(効率、運、快適性、回復力)があります。
・効率:ソロモードでは、効率はGSTの収益に影響します。効率性が高いほど、消費エネルギーあたりのGST収益が高くなります。マラソンモードでは、効率が高いほどリーダーボードポイントの蓄積が早くなります。効率は、耐久度が下がると悪くなります。耐久度はスニーカーの使用状況を表すもので、使用すればするほど自然に低下します。
・運:現在開発中
・快適性:現在開発中
・レジリエンス(回復力):ソロモードでは、回復力は耐久力の減衰率に影響します。回復力が高いほど、耐久力の減衰は遅くなります。マラソンモードでは、スニーカーが「消耗品」のペナルティマークより上にいる時間が長くなるため、回復力を高めることでより多くのポイントを獲得できるようになります。
3 - クオリティ:5つの段階(コモン、アンコモン、レア、エピック、レジェンダリー)があり、各属性の基本ステータス分布範囲を決定します(ポケモンのIVステータスに似ています)。また、1日に得られるエナジーの量も決定されます。
4 - レベル:レベルアップすると、属性ポイントを割り当てることができます(より高品質なスニーカーに多く分配されます)。特定のレベルに到達すると、特定の機能、報酬、および実績がアンロックされます。例えば、最大レベルである30に到達すると、GSTではなくガバナンストークンGMTを獲得することができます。
しかし、このようなゲーム内の仕組み以外にも、$GST/$GMTの収益に影響を与えるパラメータがあります。
GPS信号:GPS信号の状態が悪いと、収益が減少する
携帯電話のデータ通信の電波:データ通信の電波が途切れ途切れになると、これも収益の減少につながる可能性がある
ランダム化:報酬レートはランダム化するケースがある
経済全体のフライホイール効果は、下図に示されています。
本稿執筆時点では、このゲームはパブリック・ベータの段階にあります。GMTとGSTの両方が既にローンチ済みで、ユーザーはスニーカーを所有しながら運動することで、ゲーム内の報酬を得ることができます。今後、属性値をアップさせるジェムや、カスタマイズ機能(名前の変更や名言の追加など)を追加していく予定です。また、STEPNは利益の一部をブロックチェーン上でCarbon Removal Creditsを購入し、将来の気候変動対策に役立てることを表明していることも特筆すべき点です。
WIRTUAL
WIRTUALは当初、2019年にタイでプロトタイプをテストするためのウェブサイトとしてスタートしました。三菱やNBAといった伝統的なクライアントを相手に事業を行った後、ブロックチェーン上で同じ機能を提供するアプリに完全にピボットしたのです。STEPNと同様に、WIRTUALも健康/ライフスタイルアプリとしてマーケティングを行っています。ただし、コアとなるプロダクトは全く異なり、従量課金モデルが中心で、ユーザー同士が移動距離やペースなどを競い合うことができる仕様です。
ユーザーは、最も多く走った人など、さまざまなカテゴリーを選んで他のユーザーと競い、$WIRを獲得することができます。カテゴリーによっては無料で参加できるものもありますが、クレジットカードやデビットカードなどの従来の決済手段や、ネイティブ通貨である$WIR(将来的にオプションとして提供予定)で支払う必要があるものもあります。WIRTUALはシングルトークンモデルのみを採用しているため、$WIRトークンはWIRTUAL経済圏の核として機能します。そのユースケースは以下の通りです。
WIRを獲得するには、ランニング、サイクリング、あるいは水泳などのカテゴリーに関わらず、チャレンジに参加する必要があります。WIRを保有していないユーザーの場合、1日のデフォルトの獲得上限は0.1ドルWIRとなっています。より多くの$WIRを持つことで、新しいレベルに到達することができ、より多くの$WIRを稼ぐことができるようになります。
注目すべきは、より高いレベル(レベル7まで)のロックを解除するための要件が指数関数的に増加していることで、これはチームが参加を希望する可能性のある企業や大規模組織の要望にも対応していることが一因です。例えば、1500WIRを保有すると、レベル4(ビジネス)になり、保有者自身のためにイベントなどを作成することができるようになります。
獲得できる$WIRの額は、主に保有者のレベルとその時点のリーダーボードランキングに依存します。WIRTUALでは毎日55,555.55コインを付与しており、これらは結果を提出した参加者に対し、ホルダーレベルに応じて分配されます。1日のコインの基準値は、各アクティビティーの種類内で提出された結果の数とユーザー数を平均して、全アプリユーザーに分配されます。上位5名には、特別な報酬が与えられます。ただし、1日の上限である55,555.55コインに達した場合、最低基準値を超える上位ユーザーのみが$WIRを獲得します。そのため、有効な結果を提出したにもかかわらず、他のユーザーが自分よりも良い結果を出したために、$WIRを獲得できないこともありえます。
しかし、NFTウェアラブルを装備することで、$WIRの分配率が上がり、1日に投稿できる回数が増えるなどのメリットもあります。NFTウェアラブルには5つのランクがあります。Common、Uncommon、Rare、Epic、Legendary、Mythicの5種類です。
このアプリは、記事執筆時点ではパブリック・ベータ版の段階です。特筆すべきは、GarminやUnder Armour Thailandなど複数のスポーツブランドとコラボレーションし、景品やパートナーシップイベントを開催していることです。2022年3月15日から18日にかけて、公開トークン・オークションのローンチが進行中です。将来的には、ソーシャルメディアの要素を取り入れ、データマイニングの一形態として、ユーザーが個人データを所有し、彼らに販売できるようにする予定だそうです。
概要と主な相違点
従来の方程式でトークンを評価すると、成功のパラメータが複雑になります。従来、アプリの成功はアクティブユーザー数(DAU(Daily Active Users)またはMAU(Monthly Active Users)で測定される)が基準とされてきました。しかし、トークン化されたエコシステムでは、ほとんどのユーザーが主に金銭的報酬のためにアプリを利用していることが前提となっています。私たちは、多くのP2Eゲームが、ゲーム内通貨のインフレが持続不可能になると、急速に上昇し衰退するのを見てきました。
このことから、ユーザー・アダプション、プレイの目的、トークノミクスなど全てが重要な要素であることがわかります。しかし、ユーザーデータは公開されていないため、トークノミクスを見るしかありません。特にプロジェクトが新しく、定期的に変更が行われる可能性が高く、分配報酬など他の要因を評価するのは困難であるため、市場データとトークン・ユーティリティに焦点を当てることにします。
上の表を見ると、GenopetsとSTEPNはデュアルトークンモデルを採用し、WIRTUALはシングルトークンモデルを採用していることがわかります。デュアルトークンモデルは、トークノミクスの構造として最もポピュラーなものですが、これは、P2E及びデュアルトークンモデルのパイオニアであるAxie Infinityの影響が強いと考えられます。厳密に比較することはできませんが、Axie の $AXS と $SLP トークンを比較表に含めたのは、そのパフォーマンスがこれらのプロジェクトの方向性について何らかの洞察を与える可能性があるためです。
ゲームプレイが1年以上続いているAxieに比べ、3つのM2Eゲームはまだ開発の初期段階にあるため、今マーケットキャップの価値を比較するのは早計でしょう。しかし、3つのM2Eプロジェクトのうち、STEPNは完全にローンチを完了したゲームに最も近いといえます。報酬を得ることは可能で、そのトークンにはゲーム内で実際のユーティリティがあり需要が生まれるため、3つのプロジェクトの中で最も高い時価総額となっています。GenopetsとWIRTUALは、まだ完全なトークン・ユーティリティをローンチしていません。
しかし、注目すべき点として、ユーティリティ・トークン自体の価格に関する懸念があります。Axieのトークノミクスデザイン($SLPの排出量が多すぎ、ユーティリティが少なすぎる)に対する懸念の高まりは、ゲーム内通貨$SLPのインフレが進み、価格の大幅下落を招きました。
開発者は何度も報酬レートを調整してきましたが、新しいAxiesの繁殖に加え、意味ある$SLPのユーティリティを導入するには至っていません。将来的には、Axiesやコスメティクスのリリースなど、他の機能を導入する計画もあります。以上は、他のプロジェクトにとって貴重な学習ポイントであることが証明されています。
M2Eは異なるニッチな分野ですが、より多くのユーティリティ、インフレ制限、バーン・メカニズムをできるだけ早く導入する傾向が見受けられます。例えば、STEPN は最初から耐久性システムを備えており、$GST報酬率を表す Efficiency を修正・改善するためには、$GSTを必要とします。Genopetsは、Habitatのオーナーだけが直接$KIを獲得できるようにしているため、インフレが抑制されています。また、WIRTUALは$WIRを保有・使用するための更なる複数のユースケースを提供する予定です。
これらのエコノミクスが持続可能であるかどうかはは、時間をかけて実験・証明されるでしょう。さらに、以下のその他要素も考慮する必要があります。
機能面では、最も人気のあるフィットネス・アプリのいくつかをインテグレートしている点で、WIRTUALが優位に立っているように見えます。また、より多くの種類のデータを簡単に取得・送信することができるため、水泳やサイクリングなど、より多くの種類の身体活動にも対応可能です。GenopetsとSTEPNは、ウォーキングベースのアプリであるため、より限定的です。さらに、Genopetsは歩数カウンタにのみ依存しているため、特にGPSを考慮しない場合、不正によって$KIを稼ぐ行為が容易かもしれません。
また、WIRTUALは、外部の関係者、それもただの関係者ではなく、GarminやUnder Armourといったフィットネス界の巨人とコラボレーションしている唯一のプロジェクトです。スポーツ・フィットネスとのパートナーシップは、市場の認知度を高め、正当性を与え、ユーザー全体の普及率を向上させる可能性があるため、これはかなりの利点と言えるでしょう。
Wirtualは、無料のチャレンジを提供していますが、GenopetsとSTEPNが現在先行しているところである奨学金モデルは持っていません。奨学金モデルがあれば、参入障壁が低くなるためより多くのユーザーを惹きつけられることは間違いないでしょう。特にSTEPNは、NFT保有者向けのFree-to-Play(F2P)バージョンがないため、新規参入者には割高感があります。Genopetsは、奨学金モデルに加えて誰でも無料でGenopetsのベイビーを作れるという点で、最もコストに優しいゲームです。
今後も機能が追加される予定であり、どれが優位に立っていると今考えるのは早計ででしょう。エンターテインメント性、マーケティング戦略、ゲーム性などの定性的要素も考慮しなければなりません。
結論
具体的なM2Eプロジェクトの主な違いを紹介しましたが、最大のポイントは、M2Eモデル自体の実現可能性への懸念と人気の高まりのコントラストだと考えています。
ビデオゲームは、一般的に不健康で時間を浪費する行為と見なされています。運動という要素を取り入れることで、その物議を醸すイメージを、社会にとって有益なプロダクトに変えることができるかもしれません。逆に、運動を促すことで、健康志向の高い人たちや他の健康関連ビジネス・商品を引きつけることもできます。今後は、携帯電話やアカウントなど、さまざまなゲームを掛け持ちする時代も含め、より多くのユーザーがこの分野に参入していくことが予想されます。
M2Eプロジェクトはいずれ、(例えばポケモンをゲットするチャンスが増えるのではなく)直接的な金銭的報酬が伴うため、そうしたシナリオが公正なゲームなのか、あるいは操作的だと判断された場合にどう対処するのかを考える必要があるでしょう。
更なるイノベーションも差し迫っています。オーストラリアの上場企業OliveX(2021年にZombies, Run!を買収した企業)は、すでに「フィットネス・メタバース」を構築している。このメタバースの一部には、彼らの将来の$DOSEトークンを利用した一連のフィットネスゲームが計画されています。それらのゲームの1つは、物理的な自転車とBluetoothセンサーと統合されたMMORPGベースのサイクリングゲーム「Dustland Rider」です。AR/VR技術もM2Eゲームの有力候補だと言えます。
今後、さらに多くのM2Eプロジェクトが登場することは間違いないでしょう。健康に良いというのは議論の余地がなく、幅広い層にアピールできます。医療機関も参入してくるかもしれませんし、M2Eが国民の健康増進につながるかもしれません。
M2Eモデルを信じない人でも、運動量が増えることは誰にとっても良いことであることは否定できない。とりあえずアプリをダウンロードし、歩数とお金を稼いでみるのはいかがでしょう。
原文執筆者:CoinGecko アナリスト Benjamin Hor
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