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たぶん私は選択子なし

年齢が年齢なので、ここ数年、学生のときの友人や会社の先輩後輩、親戚など、同世代の人たちがどんどん親になってゆくのを見てきた。グループLINEでふにゃふにゃの新生児の写真がシェアされるたびに、「おぉ〜」とか、ときには「この子が親に…!?」という気持ちになったりする。年齢的に第一子ピークはたぶん終わり、第二子の波が来ている。

私自身は子どもがいない、夫婦二人暮らしの身であるが、似たような境遇のクリエイターさんの記事などから改めて考察するに、いわゆる「選択子なし」というやつである。そもそも子どもが欲しいと思わないタイプ。

もし、仮に、万に一つの確率で、子を持つこがあったらそれはやっぱり幸せにしてあげたいし、人のために何かできる人に育てたい。しかし実際のところがどうかというと、大人二人が生きていくので精一杯である。経済的な意味もあるが、どちらかと心理的な意味合いが大きい。

フルタイム共働きで一日のルーティーンをヘロヘロになりながらこなしているというのに、ここに人間がもう一人増えたらどうなってしまうのだろう。それも目を離したら死んでしまうかもしれない、ふにゃふにゃの人間。ちゃんと人間らしい文化的な生活を送れる自信が全くない。

周りにいる子育てしている人のことは素直に尊敬するし、もし身近にそういう人がいたら出来る限りのサポートはしてあげたいと思う。しかし、そのイメージの中の女性を、アンパンマンの顔のように自分に置き換えることがどうもできない。自分が子育てしているイメージが、どうしてもわかないのだ。理想と今の自分があまりにかけ離れすぎているので、自分にとってはいつまでもどこか遠い世界の話のようである。

ありがたいことに私の周囲には、子どもについて聞いてくる人や勧めてくる人はいない。だからこそ今こうして夫と二人の生活を気兼ねなく楽しめている。学生の頃の友人は共通の話題が減ってちょっぴり寂しい気持ちを感じることもあるが、この生活の形が今の私にはちょうどいい。今のところ我が家の家族の形は、夫と私、これで完成形なのである。


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