わいせつ教員が、保育・教育現場を普通に渡り歩ける現実に直面した
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わいせつ教員が、保育・教育現場を普通に渡り歩ける現実に直面した

今朝のことです。知人女性のAさんから、衝撃的な話を聞きました。

Aさんの娘さんが通う都内の公立学校のある教員は、担任クラスの児童たちに対して幾度も強制わいせつを行い、それが露見して懲戒免職になっていました。

ところが、被害児童の保護者の方がネットで検索をしたところ、この元教員が神奈川県某市で知的障害のある子どものたちの学童とも言える「放課後等デイサービス」(放デイ)に勤めていることがわかったのです。

ホームページで氏名が公開されていました。懲戒免職で教員免許失効中のはずなのに、資格欄に「小学校教諭・中学校教諭・高等学校教諭 」と記載されていました。

放デイでは着替えなどの生活介助を行う必要があり、個室でのマンツーマン介助も多かったりします。現場の管理責任者の目の届かないところで犯行に及べば察知も困難です。児童もうまく被害を伝えられないかもしれません。

この放デイを利用している子どもたちに万が一のことがあってはいけないと、現在Aさんは弁護士に対応を相談しています。

本施設は今年初旬にオープンし、元教員はそれにあわせて採用されていました。その後はずっと子どもたちを直接支援する業務に携わっているそうです。

この間、児童が性被害にあっていないことを心の底から祈ります。



この問題のポイントは、極めて悪質な小児性犯罪を何度も犯した元教員が、また普通に子どもと密接に関わる仕事に就いていることです。しかも、教諭免許保有者として。

今この国では、こんなことがまかり通っています。採用する側がどんなに慎重になっても、性犯罪の前科を知るすべはありません。

小児わいせつは再犯率が極めて高い犯罪です。性犯罪者の前科を調べたところ、過去に子どもに対する性犯罪の前科がある者が84.6%もいたという調査結果があります。

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参照元:平成27年版犯罪白書, 法務総合研究所


アメリカの研究等では、1人の性犯罪者から生み出される被害者数は平均380人と推定されています。少なく見積もって、です。

これら小児わいせつの性質を考えれば、性犯罪者から大切な子どもたちの安全を守るには絶対に対策が必要だと思うのです。しかし、日本は実質的になにもできていません。

度重なる子どもたちへの性暴力事件を受けて、私たち認定NPO法人フローレンスは「 #保育教育現場の性犯罪をゼロに 」をテーマにした記者会見を実施し、保育教育従事者が無犯罪証明書を取得できる仕組み(=日本版DBS)の創設を訴えたばかりでした。

ちなみに、これは特別なことでもなんでもありません。イギリス、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、そして韓国など諸外国ではとっくに実現している仕組みです。

記者会見の詳細はぜひ下記の記事をご覧ください。


しかし、こんな早々に、日本版DBSの必要性が実証されてしまうとは思いもしませんでした。

今回はたまたま保護者の方がネットで検索し、Aさんが専門家と相談しながら対応してくれています。しかし、これでもし元教員がこの職場を離れたとしても次の勤務先がまた子どもと密接に関わる職場だったとしたら、今度は名前も写真も公に出ないよう注意するでしょうし、見つけるのは困難です。


なお、先だって萩生田文部科学大臣は、生徒児童へのわいせつ行為で教員免許が失効しても3年後に再取得を可能としている教員免許法を改正する方針を示しました。


とても素晴らしい大前進だと思うのですが(というか、性犯罪を犯した教師が3年で現場復帰できるという現行の制度は意味不明すぎる)、今回のケースで改めて明らかになった通り、いくら教員免許の規制を強化しても、そのチェック体制がないと免許のコピーを使って保育園や学童保育、放デイなどに勤められてしまうのが実情です。

子どもたちを卑劣な性犯罪から守るためには、やはり日本版DBS(=保育教育従事者が無犯罪証明書を取得できる仕組み)が必要だと思います。



ここ最近、私はこの日本版DBSの話を何度もしつこくブログやSNSで言及してきたのですが、その時に必ずくるリプは「加害者の更生の機会を奪うのか?」です。

そんなつもりは全くありません。私たちは性犯罪者を社会から排除したいなんて思っていませんし、むしろどうすれば社会復帰できるか、その方法も諸外国の事例を参考にしながら模索しています。

私たちは、性犯罪者に子どもと関わる仕事に就いて欲しくないだけです。職場は、更生の機会は、他にいくらだってあります。 


私は、もっと子どもたちの小さな「助けて」に耳を傾けたいです。社会のルールを決める大人たちにも聞いてほしい。

だから、届けてきます。

今週の金曜日7月31日、私たちフローレンスは、橋本聖子内閣府特命担当大臣(男女共同参画)に、日本版DBS設立の意見書と、その実現を求める2万件を超える署名をお渡しする予定です。


この国を、もっと子どもに寄り添う社会に変えていきたい。そのためにやれることはなんでもやりたいし、やらないといけないと思います。

これは、私たち大人にしかできないことだから。

2020/07/31 追記

行ってきました!


【後日追記】 その後の展開

記者会見から森法務大臣、そして、今回橋本内閣府特命担当大臣(男女共同参画)に日本版DBSの意見書と署名をお渡しすることができ、とても順調に進んでいるかに思われたこのソーシャルアクションでしたが、苦しい局面に入っていきます。


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認定NPO法人フローレンス代表室長。政府「こども政策の推進に係る有識者会議」委員。著書『パパの家庭進出が ニッポンを変えるのだ!』 ▶︎ http://amzn.to/2QTNtCn 。前職はリクルートHDの新規事業開発室でプロダクトマネージャー。妻と娘と三人暮らし。