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ラッキーポイント

最近よく考えることがあります。
「携帯灰皿を用意しようかな」ということです。

私の彼は喫煙者で、喫煙所があるときはそこで煙草を吸うのですが、食後や私の部屋からの帰り道に路上喫煙をします。人通りの少ないところに行って、煙草を吸ってから、歩き出します。

区の条例で路上喫煙は禁止になっていますが、お年寄りや工事現場の作業員さんなどはあまり気にすることもなく、堂々と煙草を吸っているのをよくお見かけします。

(電子煙草はかろうじて許容されている雰囲気で、ビルの隙間などで大学生が吸っています。)

彼も最近、電子煙草に変えました。
でも、残念なことがあります。紙煙草の頃からそうだったのですが、彼は煙草を吸い終わると、吸い殻をマンホールの穴に落としていってしまうのです。
「ラッキーポイント減っちゃうのにな」そう思いつつ、私は指摘も注意もせず、彼と歩き出します。
ずっと気にはなっていたのですが、私は見ぬ振りをしてきました。
彼が自分の行動で彼のラッキーポイントを減らしている状態に、私が口を挟んで良いのかわからなかったからです。
「捨てないほうがいいよ」と声をかけるのは簡単なことですが、私はそれが『干渉』になるのかな、と感じて、これまで黙っていました。
それだったら、いっそのこと私が携帯灰皿を用意して、彼のラッキーポイントが減るのを阻止すれば良いのかな、と思い至るようになりました。
でも正直なところ、それが流れに沿ったことなのか、わかりません。
彼にとっては大きなお世話で、彼の吸い殻を引き取る行為は、ただの私の自己満足なんじゃないかな、とも思えてきます。

先週、彼から電話があって、昨日も電話があって、その2回で、私は彼との間に小さなズレのようなものを感じました。道がかみ合っていないような、そんな感覚です。お互い笑って話しているのですが、どこかに私は違和感を感じていました。

私は違和感を打ち消すよりも、「仕方がないのかな」と思いました。彼が吸い殻をマンホールに捨てている姿が浮かんできました。
小さなことだけれど、それは本当は小さくはないことなんじゃないかと思いました。
私が彼を正すのではなくて、彼が自分から意識を変えなければ意味がないのではないかと感じました。
携帯灰皿を私が差し出すことで、彼が気づき、意識が変わっていってくれるのなら、それで良いと思います。でも、私が『彼のゴミ拾い』をするのは何かが違うように思うのです。それは『サポート』にならないと感じています。
彼のラッキーポイントの責任は彼にあって、私はそれをどうこうできる立場じゃないんだろうな、と思っています。
彼に聖人になってほしいわけでもありませんし。

今度のデートのとき、彼がいつものように、マンホールに吸い殻を捨てる前に、言ってみようと思います。
「ラッキーポイントなくなっちゃうよ?」
捨てちゃダメ、という否定形よりは、心に馴染むかな、と思っています。
うん、言ってみよう。うまく伝わるといいな。

今日はこの辺で。
読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。

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