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ピーちゃん

ここ2日、ずっと画像選びと、その編集をしていました。

ぱっと見で、「あ、これいける」と感じる画像もあるし、「ここをこうして、こうやったら良いかも」と見つけられる画像もあって、楽しい時間でした。

今、『下書き』に画像がいっぱい並んでいます。

作製した順に記事を書いていきたいけど、画像それぞれの表現したがっていることが違うので、画像に内容をあてる感じで書き進めています。

今日の画像は、小鳥ちゃんが可愛かったのでこれにしました。
ピーちゃんの話をしようと思います。

ピーちゃんは、父が拾ってきたセキセイインコです。黄色に緑が差し色の、とても綺麗な小鳥でした。

鳥を飼っていた人はわかると思うのですが、小鳥って、小首を傾げる仕草をするのです。こちらの話がわかっているのか、わかっていないのか、定かではありませんが、時折見せる首を傾げる様子が可愛くて可愛くて、大好きでした。

また、ピーちゃんは家に来た時から、飛ぶことができませんでした。羽ばたきはするのですが、飛行したことは一度もありませんでした。
大抵、ピョンピョンと跳びはねるように移動するか、お尻を振って走ってきました。

ピーちゃんは、餌の野菜(葉っぱです)を入れるピンク色の円筒形の容器が気に入っていて、そのピンクの筒に向かって嘴をつけて、小さい頭を振りながら「ピーちゃんゴニョゴニョ、ピーちゃんゴニョゴニョ」と、よくひとりでお喋りして遊んでいました。
ゴニョゴニョの部分は早すぎて何を言っているのかはさっぱりわかりませんでした。
そして、ピンクの容器を葉っぱを変えるので取り上げたりすると、ピーちゃんは声を張り上げて鳴いて追いかけてきました。
葉っぱを入れ替えて容器を戻してあげると、また安心して「ピーちゃんゴニョゴニョ」が始まりました。

指にとまっているとき、ゆっくり頭を撫でてあげると、ピーちゃんの瞼はだんだん上がってきて(小鳥の瞼は下から上がってきます)、しばらくすると、すうっと眠ってしまうところも、とても可愛かったです。

ピーちゃんは新聞紙が好きでした。
ピーちゃんが居間に来たときはフンで部屋を汚さないように、新聞紙を広げていました。
ピーちゃんはその新聞紙を嘴で、端からプツプツと穴をあけていきました。食べているのか、ただプツプツして楽しんでいるのか、わかりませんでしたが、ピーちゃんは飽きもせず、ずっとプツプツしていました。


うちのピーちゃんは不思議な小鳥で、どうやら自分も人間だと思っているようでした。
実際に、とても人懐っこかったです。

家族で何かしているとき、鳥籠を開けておくと、ピーちゃんは必ず居間にやってきました。
鳥籠は玄関の靴入れの上にあって、ピーちゃんはそこから飛び降りて、廊下をタカタカタカと爪音を立てて走ってきます。
そして居間の入り口にヒョコッと乗って、「ピョー」と鳴きました。「みんな何してるの、ピーちゃんも遊ぶ♪」と言っているようでした。
私たちはそれを見て、「ピーちゃん来た!」と笑い、迎え入れました。


ピーちゃんとの別れは、あっけないものでした。
ある朝、ピーちゃんは私たちが知らないうちに、枝から落ちて冷たくなっていたようです。
両親が見つけて、私たちが起きないうちに『処分』してしまったようでした。
「ピーちゃん、どうしたの」と訊いても、「死んじゃった」と言われるだけでした。

ピーちゃんの死骸を子どもに見せない方がいいと判断しての行為かもしれませんが、私は気持ちがもやもやしました。
死んじゃったのなら死んじゃったで、身体を撫でてあげたかったし、お墓を作って、そこに立ち会いたかった。お別れをしたかったのです。
それは私が通るべき道で、乗り越えていくはずの階段でした。
ちゃんと受けとめられるのに、と思いました。

ピーちゃんが去る少し前から、うちはまた新しい小鳥を飼うようになりましたが、その子に対しては、ピーちゃんに感じていたような気持ちは現れてきませんでした。
新しい小鳥は気が強くて、よくピーちゃんを嘴で突いていました。
私たちにも懐かなくて、手にも乗ってきませんでした。あまり可愛いとは思えませんでした。

大人になってから、ペットショップでたくさんの鳥を見ました。
頬っぺの紅い鳥(オカメインコ)がいて可愛くて、「いいな、仲良くしたいな」と思いましたが、飼うには至りませんでした。
ピーちゃんを超える子は、きっといないんだろうな、と思いました。

今日はこの辺で。
読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。

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