人間力Lv.99【2021卒業生インタビュー⑦】
おはこんばんは。劇団コギトです。
卒業生インタビューも残り少なくなってきました。
今回のゲストは四年の牛村有希さん。インタビュアーは広報の能祖海ら乃が務めます。有希さんには個人的に宣伝美術の先輩としてたくさんお世話になってきましたが、話を聞いてみるとコギトで作り上げてきたものは宣美に限らず片手には収まらない様子。そんな有希さんの数々の品をこのインタビューではつまびらかにしていきます!
では有希さん、よろしくお願いします。
牛村「お願いします」
今回のゲストは2021年度卒業公演『Give me a break!』で全体のフライヤーを担当している牛村有希さん。有希さんは、4年生の中でも一二を争う参加率でコギトにコミットしてきています。
――――有希さんも色んな思い出がコギトにあるかとは思いますが、
その中で最初に4年間の振り返りをしてもらいたいと思います。
有希さんはいままでどんな役職が多かったんでしょう。
牛村「なんだろう・・・宣伝美術が一番多いんじゃないかな。その次に小道具とか衣装とか…」
やっぱりそうなんですね。
有希さんは、仕事の速い&締め切りを必ず守る宣伝美術の鑑として有名です。
そして宣美としては私の師である有希さん。
私が最初に入った際にも、有希さんに様々な宣美技術を教わりました。
正に師。
――――ところで、一番最初にどの公演から参加されたんですか?
牛村「宣美でフライヤー作った、一年生の時の7月公演『HAVE A NICE DAY!!』からかな。入団直後から本フライヤーってかなりぶっ飛んでるけど(笑)でも最初から宣美やろう、ってスパって決めてやったんだよね」
そうだったんですね。
牛村「この公演はすっごい楽しくて、この時の演出さんが、楽しくやろうぜっていうスタンスの人だったから全然きついって思い出がなかったんだよね。」
気になるフライヤー、こちらです。
漫画調で躍動感あふれるフライヤーです。これを1年時で作成・・・。
すごい。
牛村「もともとスマホでしか絵描いてなかったから、初めてオールPCで描けて、しかもそれがフライヤーとして出てるのが、なんかもう感動した」
コギトはAdobeソフトを持っているので宣美や広報さんはそれを活用できるんです。
私も入団したときに液晶で描けることに感動しました。
有希さんとの共感ポイント多くて(勝手に)だんだん盛り上がる能祖。
――――逆に宣美以外の役職、最初は何されたんですか?
牛村「ええと、2018年度一橋祭公演『フレームの外のあの子』での舞台監督助手が、宣美以外の初役職かな。舞監の先輩にいろいろ教わりつつ、どんなミーティングにも参加してたから、一番コギトの動き方を知れた公演だったかもしれない」
いきなり舞監助手へ!無限の可能性しかない有希さん。
そして新入生公演『正犯』で舞台監督、と。
牛村「そうそう。あんときは本当に大変だった・・・。」
声からにじみ出る切実さ。
新入生公演はかわいい子を崖から突き落とす的公演ですよね。
牛村「学年としてはこういう学年なんだ、っていう印象を得た公演だった(笑)
あとは津田生と結構話して仲良くなったな」
4年生は津田生の比率が高い印象、あります。
津田の部室で和気藹々しているのを小耳にはさんだ記憶が。
牛村「うん。なんか結構節目節目で遊んでる。2年生の春休み家泊まって、次の日に午前中から夕方までカラオケフリータイム行って、夜もまたカラオケでオールするっていう(笑)」
カラオケ耐久24時・・・。
皆さん体力鬼ですね!さすが演劇サークルです(?)。
牛村「その次の2018年度卒業公演『ときめいて大鴉』でも宣美じゃなくて衣装やったよ。そん時は好恵と一緒に着物の着付け担当してて、最初は帯含めないで一時間くらいかかったんだけど、直前には20分切るくらいの速度でできるようになって、それはめちゃくちゃ楽しかった(笑)
好恵とのチームワーク発揮してたね~」
絵も描けて、公演も動かせて、着付けもできるって。
公演が進むごとにどんどんスキルが増えていくの、なんか人生力上がりそうですね。
牛村「それから2019年新歓公演『薫風の巫女』では舞台美術で、円形の舞台作ってた」
▲こちらがその舞台。この上に役者が立ったり乗ったりするわけで、大分頑丈そうですが・・・
すごい凹凸の舞台ですね。
牛村「うんうん。ボックスが楕円の下に隠れてて、楕円を切ってのっけて、上からかかってる布は頑丈なもの買ってもらって作った記憶。でも確かね、これ完成したのが本番3日目前とかでね、結構ぎりぎりだった(笑)」」
やはり一筋縄ではいかない舞台製作。
頑丈でタフな舞台美術さんのあついハートで演劇は成り立っているのです。
――――他にも作ったものを教えてください。
牛村「そうだね、2019年卒業公演『不完全なけもの』で作った古本かな。表紙を作ったんだけどね、その時の演出さんと、どうせならちゃんと表紙っぽいの作ろうみたいな感じになって、作ったんだよね」
古本?
▲4匹の楽しそうな猿たち。
・・・え?これ作られたんですか??
牛村「うん(笑)これはスマホのお絵描きアプリで作ったんだけど、フォントが絶妙になんか昔の古い感じだせるようにして。昔の絵本、みたいな感じでめっちゃ検索かけて研究した気がする」
なんだこのクオリティ。
スマホをこんなに高度に使っている人初めて見ました。
神田の古本屋に平然として並べられていられそうなあまりのクオリティでいいコメントが出てこない能祖に有希さんが証拠写真をくれました。
ほんとにアイビスペイントで描いている…。
なんでもとことん手元にある武器で仕事を極める有希さんは完全なる人間です。
――――逆に私が有希さんの創作物で印象的なのは、2020年度一橋祭公演『即興コギト2020』でのフライヤーです。一人一人の似顔絵を描いてくださって、とても嬉しかったのを覚えています。
牛村「そう、あの時10人一人一人描いてて、LINEのアイコンとかにしてくれてる人もいたからすごい嬉しかったんだよね」
▲このデフォルメ化されたアクターのそれぞれのイラストがとってもかわいくて、当時の役者たちはみな大喜びだったのを覚えています。
――――2021年度一橋祭公演『忘れられないの』では久々のアトリエでの公演でしたが、公演を通じて何か思ったことはありましたか?
牛村「オンラインオフライン問わず、公演の演出とか座組とかでも雰囲気とかやること大分変るから、毎回カラーが違って面白いなっていうのはすごい思ったかも。ただオンラインだと対面で活動できないのがすごい悲しかったから、めっちゃ久しぶりにアトリエで公演できたのがすごい嬉しかった。うん、『忘れられないの』はそういう意味では忘れられないのがかかってますね」
そうですよね。私も初めてのアトリエの公演でテンション上がって、ずっとアトリエにいました。有希さんもアトリエでずっとスタワをされていましたね。改めてお疲れ様でした。
――――ではいよいよ今回の公演『Give me a break!』の話題に入っていきましょう!
牛村「どうせならイラストで締めようかな、と思って今回は宣伝美術です」
そしてフライヤー担当、ですね。
牛村「もうひたすら、好恵とお互いの趣味嗜好をひたすら詰め込んでる感じ(笑)ひたすら画像送り合って、この辺の要素を入れたいよね、みたいな感じで」
そうした密度濃ゆく煮詰めた末のドキドキフライヤーがこちら!
ドーーン。
こんなに画面いっぱいに書き込み尽くしたものをたった1週間ほどで作り上げられた有希さん。有希さー-ん。有希さああああっあっあっあっああーんあーんあーん。(モーモールルギャバン『ユキちゃん』)
――――今回フライヤーを描いてて大変だったこと等あれば教えてください。
牛村「このバイクと乗ってる人なんだけど、これが難しかった。バイクの書き方とか調べて、バイクの構造の中のエンジンからちゃんと意識して書かなきゃいけないってなって。もうどこから書けばいいかなって(笑)」
乗り物とか普段書かないものを書くって大変ですよね。
牛村「いやほんと。まじで無機物描きたくないんだよね(笑)でもすごい色塗りが楽しかった。今まで自分がやったことない感じの塗り方して」
最後の公演である卒業公演で、有希さんの渾身のフライヤーを見ることができて、本当に幸せです。フライヤー、ありがとうございました。
――――では最後に、卒業公演の意気込みお聞きしてもいいですか?
牛村「最後は楽しく終わりたいと思います。引き続き楽しく頑張ります。
そしていい作品を出すので楽しみにしていてほしいです!」
見事宣伝美術の華麗フライヤーで有終の美を飾った有希さん。
2021年度卒業公演『Give me a break!』お楽しみに!
〈登場人物〉
ゲスト:牛村有希(4年)
卒業公演では、宣伝美術で全体フライヤーの担当。
コギトの公演では何をやらせても素早さとクオリティを兼ね添えた仕事ぶりが圧巻。
インタビュアー:能祖海ら乃(2年)
卒業公演では同じく宣伝美術で、『逆張りデスゲーム』のサムネイル担当と、広報。
有希さんのやさしさに触れて、有希さんのようなメリハリのある仕事ぶりを4年までには履修したいと思っている。