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【2020新歓ブログ⑯】義務と擦るエゴ

こんにちは、コギト新二年生の滝澤といいます。よろしく。題名は、劇団コギトの元ネタ「コギト・エルゴ・スム」のアナグラムです。なんか文学っぽいでしょ。そうでもない?約5000文字あるので、忙しい方は読まないことをお勧めします。

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1. 自己紹介


改めまして、滝澤です。男19歳A型牡牛座辰年身長173体重㊙︎BMI19.71(逆算してね)。自分より背の高い弟が一人います。5月1日生まれ。大阪府民と兵庫県民のハーフ(ここは笑うところ)で、兵庫県の病院で生を受けました。生後一ヶ月で東京に移住しましたが、アイディンティティは関西人です。異論は認めます。日本で一番可愛い女優は本田翼です。異論は認めません。趣味は読書です。顔は坂口健太郎に似ていると言われたことがありますが、似ていません。

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俺って犬か猫のどっちに似てる?と質問して「魚」と答えた高校同期は許しません。以上、自己紹介でした。

2.コギトに入った経緯(前半)


最初は演劇部に入るつもりはあまりなく、弓道部に入るつもりでした。弓道、かっこいいですよね(新海誠監督の『秒速5センチメートル』と『雲の向こう、約束の場所』を観よ)。

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別に弓道女子目当てだったわけではありません。別に弓道女子目当てだったわけではありません。二回言うと途端に嘘くさくなる法則。しかしその弓道部の新歓において、僕は運命の出会いを果たすことになるのです。後半に続く。


3. 2019年にコギトでやったこと

ほとんど舞台美術しかやっていません。役者やオペさんほど忙しくないのでしっかりバイトしながら公演に参加できますし、何より努力が目に見える形になるのがいいですね。奇抜なアイデアで人を驚かせるのも、楽しいものです。

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↑ 1ヶ月で作り上げてしまった新入生公演の舞台、職人かよ!


あと、短い脚本を書いて演じてもらったことがありました。グダグダだったけど、楽しかった……。また書いてみたいものです。


4. コギトに入った経緯(後半)

運命の出会い。相手が美少女であればいうことはなかったのですが、男でした。彼の名前は金沢。後にコギトの団員となる男です。

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↑左が金沢、右が滝澤、真ん中は川上という男

弓道部の新歓で知り合った僕らはお互いに元卓球部ということで打ち解け、アフターのちゃんぽん屋で兄弟の杯を交わしました。

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しかし、それが運の尽き。体育の授業で再開した彼はいつの間にか「劇団コギト」なるサークルに所属しており、あらゆる強硬手段を用い、弓道部に後ろ髪引かれる僕をアトリエに引きずりこみました。それが僕と劇団コギトの出会いでした(この話は事実を元に構成されていますが、一部フィクションを含みます)。
新入生に言いたいのは、出会いを大切にしてほしいということです。

5. ばっさー

本田翼。『安堂ロイド』(キムタク主演。ターミネーターのパクリ)に出演してた頃から何となく好きだったんですが、最近になってちゃんとファンになりました。

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インスタライブが至高。誰か他にファンいないかな……。今のところコギトでは観測できていないので、新入生に期待。

6. 新入生へ

せっかく大学に入ったのに、キャンパスライフを満喫できなくて歯痒い思いをしていることと思います。部活・サークルも決めにくいですよね……。焦らなくていいんですが、コギト、いいですよ。一年のうちに何回も文化祭をやるようなもんです。超楽しい。コギトは結構遅めの時期に入ってくるメンバーが多いので、いつ入ってもすぐに馴染めると思います。だからもし、「入るサークル決まんないなー」と思ったらいつでも覗きに来てください。本当に大歓迎します。今日は少なくともコギトという名前を頭の片隅に留めていただけたら幸いです。

7. おまけ(閲覧注意)

ちょっと真面目な話をしてみようと思います。演劇についてです。


・おことわり
経験も知識も浅い僕のような人間が演劇について語るなんておこがましいことは重々承知しています。が、ズブの素人が一年演劇に関わってみて何となく掴んだものを書くのは新入生にとっても有益なものがあるかもしれないと思い、恥を忍んで書くことにします。いや、書きたいだけなんですけど。生暖かい目で読むなり、読み飛ばすなり好きにしてください。


・演劇が、苦手!
正直言って、僕は演劇に苦手意識がありました。今でも多少はあります。新入生の中にも、そうした人がいるのではないでしょうか。演劇のストーリーは難解だし、役者のセリフや演技は何となくわざとらしい気がする。チケット代高すぎ!!物語るだけなら、映画でも小説でも漫画でもできるじゃないか。そのほうが分かりやすいし。世間にはそういう演劇に対するイメージが蔓延していると思います。僕もずっとそう思ってきたんですが、コギトで過ごした一年を通して何となく見方が変わってきました。


・なぜ演劇??
映画や小説ではなく、演劇で表現する意味は何なのか。恐らく、その大きな理由は演劇にしかない魅力があるからです。そりゃそうだ、って感じの結論ですよね。では、演劇にしかない魅力とは何なのだろうということを考えていこうと思います。


・観客にとっての魅力
演劇にしかない魅力。まずは、観客にとっての魅力が挙げられます。よく言われることですが、演劇は「現場の芸術」と呼ばれます。役者が目の前で演じるので、息遣いや、飛び散る唾、筋肉の動きが手に取るようにわかります。それらは映画や小説から感じ取れるのとは全く異質なもので、気持ち悪くすら感じることがあります。ですが、何か身体感覚に直接訴えかけてくるものがあります。だから、否応なしに感動してしまう。この場合の「感動する」というのは、「感動しちゃった、泣けるぅ」という場合だけではなく、「何だこれ、気持ち悪い」という負の感情も含みます。半強制的に心を動かされるとでも言ったら良いのか。文章であまりうまく表現できないのですが、演劇を観る価値はこういうところにあるのかな、とも思います。


・演者にとっての魅力
しかし、演劇は「観る側」よりも「演じる側」にとっての方がより意義深いものである、と僕はコギトに入ってから思うようになりました。
僕たち若者はまだ勉強不足なので、自分の思いをうまく言葉にして発信するだけの語彙が足りていません。何といっても自分の内面を曝け出すのが恥ずかしい。ドン引きされるかもしれない。だから、日頃のコミュニケーションは上辺のものになりがちです。しかし、吐き出したい悶々とした感情は誰しもが心の奥底に抱えているはずです(ですよね?)。
そうした葛藤を解消する一つの手段が、演劇だと思います。演劇は自分でない人物を演じるわけですから、何を言ってもいいわけです。全部台本のせいにできます。しかもそのセリフは脚本家が死ぬほど考えて絞り出したものなので、今まで思っていても言葉にできなかったことを見事に代弁してくれることがあります。
『アクタージュ』という役者をテーマにした漫画の中に、こういう場面があります。

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主人公は時代劇にエキストラとして出演した際、少女を見殺しにする町人を演じることになるのですが、役に入り込みすぎて台本に背き、少女を助けてしまいます。一騒動あって最終的には見事(すぎるくらい)にその役を演じることができるのですが、全てが終わってから主人公はこう言います。

今まで「昔の自分になる」ことを「お芝居」というんだと思っていた
だから知らない感情は演じられないと思っていたの
でも違ったんだわ
だって私は私がこんなにも酷い人間だなんて今日までまるで知らなかったから
私の中にはまだ私の知らない私が眠っているんだわ

演劇を通して、他人の言葉を自分のものとする。そして、自分の知らない自分を発見できる。これが演劇の醍醐味ではないでしょうか。


・劇団コギトという場所
演劇の魅力について話してきました。では、演劇をする場所、つまり劇団そのものの魅力とは何でしょうか。変人が多いこと?確かにコギトの人たちは個性的なのですが、変人か、と聞かれると一瞬考えてしまいます。なんだかんだ言ってみんな真面目なので。個人的には、コギトの魅力は別にあると考えています。それは何かというと、コギトという場所が「何をやってもいい場所」でありなおかつ「想像力を鍛えられる場所」であるということです。


・何をやってもいい?
 劇団コギトに入って感じたのは、本当に多様な関わり方が許されているなぁ、ということです。毎回公演に参加する人、気が向いた時に参加する人。同じ役職ばかりやって極める人、あらゆる役職にチャレンジする人。本当に様々です。誰もが自分の得意分野で活躍することができる。演出・脚本も固定されているわけではなく、毎回変わります。他の劇団では考えられないほど、自由で敷居が低い。かと言って、レベルが低いわけではない。これは地味に(地味じゃないかも)すごいことなのではないでしょうか?自分の好きなことがこれだけ自由にできる環境は、他にそうないと思います。


・想像力を鍛えられる?
 想像力を鍛えられるとはどういうことか、と思われた方もいると思います。ここで言う想像力とは、他人への想像力です。相手の痛みに気づける能力のことです。
他人が何に苦しんでいるのか、何をされたら嫌なのかということは意外とわかりにくいものです。あるいは頭ではわかっていても、感覚としては理解し難い。相手の気持ちになれ、とは昔からよく言われることですが、それが綺麗事だというのは今時三つの子供でも知っています。本当に相手の気持ちがわかるなら、今頃世界はユートピアですし、僕には可愛い彼女がいることでしょう。くそ。
しかし、演劇人はこの点で他の人より優れているのではないでしょうか。先にも述べた通り、役者は演技を通して他人になります。演じるキャラクターは普段の自分とは全く違う感性を持った人間で、なおかつ自分には無い長所や欠点があるかもしれません。公演を通して「そういう物の見方があるんだ」と気付く役者も少なくないと思います(多分)。つまりキャラクターを演じることによって役者は他人になることができ、それによって他人の痛みを知ることができるということです。そして、一度自分ではない人間の痛みを知った人間は、演劇の外側、すなわち日常生活においても他人の痛みを想像できます。もしくは想像しようと努力するでしょう。だからこそ、僕はコギトの人たちを信用しています。彼らは人の痛みを知ることができるし、決してそれを笑わないと知っているから。そして、そういう人たちがもっと増えるといいなとも思います。新入生がたくさん入ることを願っています。

8. おまけ2 コロナに負けない!読みやすい、暇つぶし用おすすめブックリスト


・ノルウェイの森(村上春樹)
 主人公は18歳で、上京してきたばかりの大学一年生。ちょうど新入生の年齢にぴったりかも。生活感を描くのが本当に上手い。キャラクターも全員イカれてるけど愛すべき人たちばかりです。性的な描写が多いけど、気にするな!
・ルー・ガルー(京極夏彦)
 縦と横がわからなくなるくらい分厚い本(通称レンガ本)で有名な京極夏彦。妖怪をテーマにしたダークな作風の『百鬼夜行シリーズ』が有名だけどあえてのこっち。文章力がある人がラノベを書くとこうなるんだ、というのが感想。
・ハーモニー(伊藤計劃)
日本人でSFと言えばこの人(小松左京かな……)。『虐殺器官』も捨てがたいが、個人的にはこっち。『ルー・ガルー』もそうだけど、女子のスリーマンセルが好きなのかもしれない。SFは倫理学を学ぶ上で役に立つらしいので、たくさん読んでおくと知見が広がるかも。
・スカイ・クロラ(森博嗣)
もう一つSF。ものすごく気取った文章で、気持ち悪いと思う人もいるかもしれない。設定も殆ど説明しないから、不親切極まりない。でも、空気感はすごく好み。戦闘機でのドッグファイトの描写は、小説なのにスピード感が感じられる。これが筆力か。
・恋文の技術(森見登美彦)
 『夜は短し歩けよ乙女』で有名な京大の人。読んだら京大に入りたくなる。それはともかく、普通に笑える。こじらせ男子を描かせたら、この人の右に出る人はいない。同作者の『太陽の塔』もお勧め。
・アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス)
 読んで。