見出し画像

特別支援学校・学級の音楽の授業のコツ7選とすすめかた【知的重度クラス】

会話や指示理解が難しい生徒
言葉が出なくて歌えない生徒
プリントも楽譜をみるのが難しい生徒
楽器を弾くことも難しい生徒

こんな生徒にどんな授業をすればいい?

特別支援学校や特別支援学級で音楽の授業をどうやれば良いのか迷うことが多いと思います。

障害の程度がそれぞれなので、通常の学級でおこなっているような一斉の指導はなかなか難しいですよね。

音楽を聴くことだけになってしまったり、曲を流しながら、リズムに合わせるでもなく自由にスズをふるだけ…、みたいな授業になってしまうことも多いです。


「これって本当に音楽の授業になっているのかな?」


私も特別支援学校に勤めていた何年間か、知的に重度の障害がある生徒の音楽の指導に迷ったことがありました。
現場の他の先生もなかなか苦戦しているところも見てきました。

この記事では、知的障害(重度)の生徒向けの音楽の授業の方法やコツを書いています。


今回はダウンロード教材の提示が主ではなく、
「どのようにすれば知的重度の生徒にちゃんとした音楽教育ができるか」
という視点で、私が工夫した授業のポイントを紹介します。


このポイントを応用して目の前の生徒に当てはめていくことで、単に音楽ばかりが流れている授業ではなく「生徒の成長を目的にした音楽の授業」を知的重度のクラスでも組み立てることができます。

・歌唱
・鑑賞
・器楽
・創作

それぞれについて、授業のポイントを解説しています。

○授業の流れのテンプレートスライド
○鑑賞授業「動物の曲鑑賞」(特別支援学校知的重度クラス用)
○器楽の曲例&演奏の譜割り、練習用教材
○毎回の授業の参考指導略案

も特典教材としてついています。

授業を構成するコツは無料で読めますので、是非この先もお読みください!




特別支援の音楽授業のコツ(基本)7つ!

画像1

ここでは授業全体の計画のコツを解説します。

コツは以下の7点です。


1. 毎回のルーティンを作る
2. 一つの活動は15分くらいにする
3. 繰り返し学習する
4. 授業の運営に参加させる
5. 個別に確認する時間を作る
6. 初歩の初歩から教える
7. 段階に分けて目標設定する


1. 毎回のルーティンを作る
 特別支援学校・学級の生徒は授業の内容に見通しが持てないと不安になってしまって授業に取り組むことが難しくなることがあります。

挨拶→発声練習→お決まりの歌

などのように毎回の流れが決まっていると安心できるので、大まかな流れや活動数を固定しておいたり、その日の授業の流れを表示しておくと良いです。(記事の後半で授業の流れを示すイラスト付きのスライドがダウンロードできます)


2.一つの活動は15分くらいにする
特別支援学校・学級の生徒は長い間同じことに集中することが難しい場合もあります。幼児番組も1〜5分程度のプログラムをいくつもつなげて番組を作っていますよね。40〜50分の授業であれば2〜3つくらいのメイン活動を組み合わせて構成するとテンポ良く飽きずに授業を進めることができますよ。


3.繰り返し学習する
特別支援学校・学級の生徒は学習の定着に時間がかかります。1時間や2時間で普通学級の生徒が学習できるものでも、特支では1学期いっぱい使ってやっと定着する、くらいのイメージでちょうど良いくらい。適度な課題設定ができたら、あとはしつこく繰り返すことが大切。繰り返して定着をさせるんです。
1年同じ単元を続けてやるということも場合によっては全然あります。


4.授業の運営に参加させる
本質からは少し外れますが、いろいろなことが難しい特別支援学校・学級の生徒なので、知的にかなり重度で、どう頑張っても音楽の授業の課題にのることができない生徒も残念ながらいます。
しかし、そのような生徒も授業になんらかの形で参加させるように仕組むべきです。
例えば、

・拡大歌詞をホワイトボードに貼る
・CDのスタートボタンを押す
・活動の変わり目にチャイムなどを教員と鳴らす

など。
こうすると他の生徒とは違う形であれ、授業に参加することができます。「今から音楽の授業がはじまるんだな」「スタートボタンを押すと音楽が流れるんだ」ということを理解できていきます。

他の生徒も準備や片付けなどにも積極的に参加させることで授業に動きや活気が生まれますし、生徒の活動の幅も広げることができます。


5.個別に指導する時間を作る
知的重度のクラスであっても音楽の授業は集団での授業がほとんど。集団への投げかけや指導だけで1時間流してしまうと、しっかり参加できて評価できるのは、一部の生徒だけになってしまいがちです。

個別に指導する時間を作ることを意識します。

この時間で音楽の得意なリーダーの先生が回って個人指導することもできますし、生徒のそばにいるサブの先生も全体指導の時間ではできなかった指導をすることができます。

個人練習以外に、「ひとりずつ演奏させてみる」というのも効果的です。
個別に指導する時間を意識的につくることで、個人の実態を掴んだり、評価することも簡単になりますし、他の生徒の演奏の姿を見ることで学び合いにもつながります。


6.初歩の初歩から教える
特別支援学校・学級の生徒は以外なところでつまづくことも多いです。
特に重度の知的障害を持っている生徒の場合、

・口を開けかた
・楽器の持ち方

という初歩的なことも丁寧に教える必要があります。
自分の体の感覚を正確に持つことが難しい生徒も多いので、楽器をどこで構えて、どのようにふったり叩いたりして、その時に体のどこを使うのか(手首なのか腕なのか、肩なのか)を丁寧に一つずつ教えましょう。
そのためにも5の個別指導をする時間をつくることは重要です。

そうやって丁寧に教えることを軸にしていけば、「授業のネタ切れ」は起こりません。一つ一つの課題にかなりの時間を要するからです。
よく次の音楽のネタがないと嘆いている先生もいらっしゃいますが、一つ一つの活動をもっと丁寧に、手を変え品を変え、粘って教えればよいのです。


7.段階に分けて目標設定する
実態が様々な特別支援学校・学級の生徒では一つのクラスの中でも実態がかけ離れた生徒を同時に教えることになります。知的重度の生徒の中にも音楽が得意でいろんなことがよくできる生徒もいます。特に耳が良い生徒は一定数必ずいます。(良すぎてイヤマフをしている生徒もいます)

理解度が高く、よくできる生徒にはちょっと難しいソロを担当させたり、違う楽器を割り当てたりします。全体では同じ曲の演奏をしていても、生徒によって違うレベル設定をするわけです。

活動が難しい生徒にも、よくできる生徒にも適度な課題を設定することが大事です。


このあと、実際に重度知的障害クラスの音楽の授業のコツをお教えします!
授業例やダウロンロード教材もありますのでお読みください!

ここから先は

6,253字 / 8ファイル

¥ 2,980

最高の教材を作るための研究費用(書籍等購入)に充てることでサポートいただいた分をあなたに還元できるようにします!