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研究。

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詩論を中心に独学おじさんの考察あれこれ。
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2020年3月の記事一覧

時間による支配から人類を解放するための第七試論:作品と鑑賞の間にある正しい解釈について。大岡信氏と吉原幸子氏を例に。

1.詩が書かれる理由の一つは「詩とはなにか」という問いに答えるためである。わたくしは詩を書き始めてからずっとそのことが頭にあった。それで初めは模倣を積極的に取り入れていた。詩がなんであるかが分かって書いていたわけではないから。マネをしなくては詩にならないと思っていたのだ。萩原朔太郎氏の作品から大いに影響を受けた。そしてその隣にいた室生犀星氏からは異なる方角からの作り方を学んだ。 2.この二人の詩人はとても仲が良い。しかし詩のつくりはちがう。それを知るだけでも大きな価値がある。

恋するポエジイ 1990年3月。

☆3月1日。芥川龍之介氏の誕生日。大学合格の通知が届く。夜の大学。働きながら学士号を取得する道を選んだのは地元の先輩の影響である。きみは2年も浪人させてもらったのだから学費の安い大学に行くべきだ。夜なら昼の半額。しかも昼間働ける。そう云われて目から鱗が落ちた。わたくしは反省の気持ちと後ろめたさを抱えながら。ようやく手に入れた大学生という肩書に今は安堵している。これを機に大いに勉学に励もう。大学では新入生の中でいちばん本を読む人間になるつもりだ。それから日々の心境を言葉に綴ろう